上の地図はナショナルジオグラフィックのもので、1947年イスラエル建国の1年前のものである。ここには、イスラエルの文字はない。
ナクバ(NAKBA )とは、1948年にパレスチナ人の社会と祖国が破壊され、大多数のパレスチナ人が恒久的に退去を余儀なくされた出来事を指すアラビア語で、大厄災、大惨事の意味である。
ナクバと言われたのは、1948年の第一次中東戦争中およびその直後の衝突で、イギリス委任統治領パレスチナの78%がイスラエルとして宣言され、70万人のパレスチナ人が追放され、500以上のパレスチナ人の村落がイスラエル軍によって破壊され、25万人の殺害された大厄災に由来する。NAKUMA15-05-48と呼ばれている。
イギリスはユダヤには建国を補償し、アラブにも同地域を補償し、自らの石油権益の延命を図った、サイクス・ピコ協定は3枚舌と言われている。英国の3枚の舌は後世に度し難い混乱と戦果を残すことになった。
ヒトラーに民族浄化の大虐殺を受けた民族が、その舌の根も乾かないまま、自らが民族浄化に取り組んだのである。
彼らユダヤの人達にも意図はあったであろうが、石油が存在したことも大きい。やがてイギリスはそれを放棄するが、アメリカがこれに取って代わり、さらなる悲惨な結果を招くことになる。
オスマントルコ帝国の支配、再一次世界大戦のどさくさ、更には英仏の無責任な線引きで国境が定められた。中東のその後の混乱、戦禍は石油利権に目が眩む欧米の結果である。そしてないよりも、虚言で乗り切ろうとしたイスラエルの建国である。アメリカはユダヤ教に近い福音派が、経済的にも情報発信力も大きく、アメリカの経済もさることながら、政治さえも大きな影響力を持っている。トランプはそれを無造作に利用し、イスラエルにゴラン高原の領有権を認めたり、エルサレムを首都と認めたり、票集めに躍起である。
欧米が身を切る取り組みをしなければ、パレスチナ・シリア問題は解決しない。