ブッシュが、来年度のイラク戦争の予算を996億ドル申請した。これで、アフガニスタンから 始まるアメリカの戦争予算は、6,000億ドルを越えて、10年以上戦ったベトナム戦争を超えることになった。
イラク戦争などに、アメリカはベトナム戦争の半分の年月で同じ予算を使ったことになる。アメリカが07年度までに費やす金額は70兆円ほどで、ほぼわが国の一般会計に相当する大金である。
ブッシュが兵役を拒否したベトナムと異なるのは、死亡者の数である。イラク戦争では、ガーディアン紙な どによるとイラク人が67万人ほど、アメリカ人が3,000人ほど死んでいる。
ところが、ベトナム戦争ではベトナム人の死者が100万人以上、死傷者が1,000万人を越えた とされている。これに対してアメリカ人の死者は、58,000人ほどであった。アメリカは、ベトナム戦争に送り込んだ、兵士の10%も死に追いやったことになる。
このことを考えると、アメリカはベトナム戦争から戦いの方法を学んだことになる。装備をハイテク化したりで、武器に金を使い自国の死亡者をかなり押さえ込んだことにはなる。
このことは、金さえつぎ込めば、アメリカは今までより安全に戦争ができることを意味する。事実、無線偵察機やロボット戦闘機械などをどんどん開発している。金さえあれば、より容易に戦争ができるようになったのである。
ベトナム戦争には、アメリカなりの大義があったが、今回のように大義も何もなくても、戦争するアメリカの姿はまるで”気違いに刃物”のように思えるのは、穿った見方だろうか。