ロシアのウクライナ侵略は、非人道的であり国際法的にも許されるものではない。しかし、この戦争は消耗戦へと突入してしまった。
第二次世界大戦後、幾多の戦闘行為や紛争と呼ばれるものは数多くあったが、明確に宣戦布告した戦いはないし、敗北を認めた戦いもほとんどない。ベトナムからイランからアメリカが撤退したが、敗北宣言をしたわけでもない。ソビエトがアフガニスタンから撤退しても、敗北を認めたわけでもない。
多くの場合、大国が傀儡政権をつくりげて、国の要請で軍隊を送ったというパターンであるが、国外撤退でも敗北ではないのであろう。勝てば総理宣言したであろうに。
第二次大戦以後の紛争や戦闘は、全て自衛のものでしかない。国民を納得させるためであるが、背景に戦争は悪であるという概念が定着しているからに他ならない。
プーチンもそのことを理解している。この侵略戦争を「特別軍事作戦」と名付け、武力介入、内政干渉を暴力的にやってきた。ウクライナを見くびったプーチンの戦争は終わらない。ゼレンスキーはNATOを巧みに味方に付けたのもおうーちんの想定外であったろう。
G7の共同声明は、ロシア軍を全面撤退させるまでウクライナに武器を与え続けるというものだが、どこまでやるのかという明確なものは何もない。国内では厭戦気分にあると言っても、一部の支援者は大儲けしている。もっと戦争を続いてほしい支援者を各国の政権は抱えている。
最大の支援国アメリカのブリンケン国務長官が、”クリミア奪還は不可能であろう”と論議していると報じられている。経済制裁も西側に有利な事ばかりではない。世界の半分どころか3割程度しかない。貧国への経済制裁は、成果が上がらない。
どう見てもプーチンは敗北しない。この70年間敗北宣言した元首がいないが、特別軍事作戦実行中のロシアなら尚更である。あるのは停戦しかない。停戦となると条件付きであるが、ゼレンスキーのソビエト崩壊時の国境を、プーチンは認めるわけがない。仲介国がないが、この戦争は相当厄介であるが、停戦するしか先はない。