そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今日の戦勝記念日はプーチンの敗北が露わになった日

2022-05-09 | プーチン

ロシアは5月9日に、ウクライナに侵略後初の第2次世界大戦の対独戦勝記念日を迎えた。対独戦勝記念日はソビエト崩壊後プーチンが最大の国家的行事に格上げしたが、今年はウクライナ戦勝記念にするはずであったが的外れで、海外からの賓客がないまま行われた。
戦勝パレードはロシア国民に対する国内向けの色濃いものとなった。多い時はロシア全土で50カ所ほど行われていたが、今年は28か所であった。モスクワ赤の広場では、ソビエト国旗があちこちで翻り、盗ってつけたような”Z”マークを付けたサイドカーも見られた。しかし、曇天を理由に航空機のパレードは中止されている。快晴ではなかったが、荒天などではなく何らかの障害が起きたのか、テロなどの情報に過敏に反応したのであろう。
それでもプーチンは、「ドンバスの戦い」を何度も繰り返し、ロシアは現在愛国的な戦いを称えた。その一方ではアメリカとNATOを強く批判している。ナチズムと戦っている言いながら、ナチと共に戦った欧米を批判対決することの矛盾はないのは滑稽である。この戦勝記念日は戦勝の祝いだけではなく、不戦の誓いをする日でもあったはずである。プーチンは何を取り違えているのか。
当初は宣戦布告をするのではないのかともいわれていたが、そこに踏み込むことはできなかった。

一方この日に合わせて、ウクライナのゼレンスキー大統領はキーウィの路上を闊歩しながら、我々は二度目の戦勝記念日を程なく迎える、プーチンはナチを批判しながらナチと同じことを我が国にやっていると述べた。我々は決して屈服しない、我々は祖国のために戦っているが彼らは専制者のために戦っている。などと述べ国民というより世界に向けて発信している。
同じ日、バイデン夫人のジル氏がキーウィを訪れゼレンスキー夫人と合って激励している。又オンラインでG7が会合している。
今年の対独戦勝記念日は、ロシアの失態を世界に示した形になったといえる。ロシアの戦闘能力の低さ、プーチンの展望のなさと、ウクライナに対する理解の薄さを露呈したといえる。アメリカさえゼレンスキーの亡命を受け入れる準備をしてはいたが、愛国心を訴えウクライナ人自身の勇気を鼓舞し、欧米からの軍事援助をゼレンスキーかなり巧みに引き出し、全世界をウクライナ側に引き付けることに成功した。それだけロシアの蛮行が明確だったともいえるが、中国が引いてしまったのは想定外だったろう。
プーチンは戦果がなくては軍を撤退できるわけがない。領土の拡大、政治的にも、外交的にも軍事的にも、成果は得られそうにもない。そればかりか、やがて世界各国の経済制裁がボディーブローのように効いてくる。韓国並みのGDPのロシアが戦費が追い付かないばかりか、戦車一つさえ海外の部品がなければ作れない実情が、ロシアを疲弊させるであろう。
西側の支援でウクライナがやがて攻勢に出ることが予測される中で、プーチンは、核を本気で手を出すことも考えられられなくもない。
ソビエト時代への望郷、大ロシアの復活を夢見るのか。今日の戦勝記念日はプーチンの敗北が露わになった日といえる。



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