日米貿易交渉とは結局は、兵器の大量購入で埋め合わせするという事か。各方面で欠陥が指摘されている、ステルス戦闘機F35を105機も日本は購入すると、トランプは27日に安倍晋三との日米首脳会談後の共同記者会見で明らかにした。
105機という具体的な数字が大統領から公表された意味は深い。F35にはA,B,Cの3機種ある。Aの機能に加えて、Bは短距離離着陸垂直着陸ができ、Cは艦上型とされている。つまりB、C型は空母の艦載機という事になる。
日本には空母はない。空母は専守防衛の範囲を超えるという政府判断を、安倍晋三も踏襲し日本は空母を持っていない、いずももかかがも空母ではないと断言している。
嘘である。
すでに”いずも”は誰が見ても立派な空母となっている。”かが”もすっかり空母になりきっている。ヘリコプター艦載護衛艦と事実に沿わない、空虚な説明をしている。日本には空母がないので、F35のB,Cは不要になるはずであるが、多分この2機種を主体に購入することになるであろう。
トランプ夫婦をかがに招いて、訪日の最終日のスケジュールとし、日米の同盟関係を強調の象徴の演出をしている。それは、とりもなおさず、かがが空母であることを物語っている。
Aは133億円、Bは143億円、Cは146億円である。どの機種をどれだけ購入するかは明らかになっていないが、105機を購入するとなると、大まかに見ても1兆5千億円になる。
F35は高度なステルス機能を持ち、最高速度マッハ1.6の高性能に加えて、レーダー追尾ミサイルを持つ世界最高の戦闘機である。しかし、上述のB,C型はいまだ完成していない、2025年に完成を目指す未完成品である。不用意な事故や部品の不調達事件が絶え間ない。日本では三菱重工がライセンス組み立ての認可を受けているが、収容部分は機密扱いになっているため、ロッキード・マーチン社が受け持つことになろう。
こんな高額な兵器(政府は”防衛装備品”と言い換えている)の大量購入は二つの問題を持っている。人は言わずとしてた、攻撃兵器は専守防衛にはならない。憲法違反である。近隣諸国を徒に刺激することになる。ましてや艦載機となると近隣国に口実を与えるばかりといえる。
二つ目は、生産性とは全く関係ない兵器の購入は、国家財政を圧迫するばかりである。すでに1100兆円を超え財政再建は幻の政策となっている。さらにイージスアショアやオスプレイなどの購入、西南諸島のミサイル基地の建設など次世代への膨大な負債のことなど何も考えていない。武器購入、しかもアメリカからの爆買いである。日米同盟が強固になったとは、兵器を爆買いすることである。
それでも次期大統領選に勝利しなければ告発されかねないトランプにとって、支持基盤となる南部農民層の支持は得られないため、農産物の関税への注文が8月に出されることだけは確実である。日本はアメリカではなくトランプへの隷属国家となる。