日本学術会議の委員の任命を巡って菅義偉は、「安保法制など政府の方針に反した人物を、内閣府の学術委員会にさせる気はない」と正直に本当の事を言えないものだから、安倍晋三から引き継いだ嘘をついて乗り切ろうとしている。たったこれだけのことを口にできないものであるから、嘘に嘘を重ね更に嘘を付きとおし、最期は人事の問題だからと問題をすり替えて、説明できないこともあると言い出す始末である。
任命者名簿を見ていないのに、総合的俯瞰的に判断しなどと意味のない言葉を基準にしたと、嘘を言う。
菅は、「大学に偏って民間が少ない」と言ってはみたが、この10年だかなり広がりを見せている。「地方が極端に少ない」と指摘しはみたが、関東とそれ以外とほぼ五分の状態である。「若手が少ない」と言うが、実績を作り成果を上げるためには年月が必要であろう。その代わり40代以下の「若手アカデミー」を作っている。総合的でもなく、俯瞰的な視点もなく虚構を作り上げて指摘しているのである。
更に国会答弁度堂々と、「旧帝大に偏在し私学が極めて少ない」などと再々再度虚言を述べている。彼が不認定にした、安保関連法に反対している(加藤陽子氏は直接は言及はしていない。共謀罪に警告しているだけである)6名の中に、私学が半数を占めている。しかも少ないと指摘している女性場も含まれている。
要するに、「安保法制など政府の方針に反した人物を、内閣府の学術委員会にさせる気はない」ために、杉田和博官房副長官が先行してやってしまったことに、後付けの理由を強引に、どこからか持ってくるから、嘘に嘘を重ねることになる。
学術会議の在り方などは、6名を任命しなかった理由とは無関係の事であるが、それを先行し不任命の理由をそこから引き出すのは理に合わない。
菅義偉は自助すらできない。自民党が共助してくれるの待つばかりである。
やはり安倍政権継承のスガ首相の答弁も前政権と
よく似ている。まず特長は質問と「噛み合わない」
答弁をする事である。これまで政権が追及されたくなくてウヤムヤにして来たモリカケ桜etcと同様、今回の学術会議答弁もパターンが類似。
マトモに答えると審議が成立する危険がある。審議が成立すると法的責任が問われるスガ氏。
だから「支離滅裂」と報ずるメディアもあるように
言葉の意味脈絡がバラバラで理解不能な日本語に終始しているのである。安倍菅政権にとって「法=総理大臣」の事らしく、何でも自分が言いたい事を口から出まかせに言って相手を翻弄する戦略のようだ。
それでこれまでも時間をかけては逃げてきた。今度もこういう事を繰り返して、その内野党はいつまでやっているのかもっと大事な事があるだろう等と言わせウヤムヤにする作戦らしい。
しかし学術会議問題は単に学者の問題でも野党vs与党でもメディアの問題でも無い。
憲法の国民主権が国家権力によって破壊されてしまう瀬戸際、歴史の曲がり角にあるとも言える、国民一人一人の人権問題に極まる重要問題。
今政治で何が行われているか「知らない」事は国民の最大の不幸。だから極力国会中継を見よう。何が正しいかは政府やその御用機関に決めて貰う事では無く、自分自身の頭で考える事である。