そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

不作為はは罰せられて当然

2008-03-05 | 政治と金

輸入非加熱製剤の危険性を知りながらも、生産中止命令を出さずエイズを発症させ2人を死亡させたとして、松村元厚生省課長に有罪が確定した。何かを行ったのではなく行わなかった官僚の「不作為」に対する、積極的な司法からのおとがめは初めてのことである。

Photoこれで薬害エイズ事件にかかわるすべてが結審した。日本人は忘れ易い。あれほど騒いだ薬害エイズ事件であるが、その後の肝炎問題では、ほぼ同じことが繰り返された。繰り返したのは官僚である。

解っていながら、情報を開示しなかったのは、自らと厚生労働省組織に責任が及ぶからである。そのための隠ぺい工作体質は、今も引き継がれている。

これまで官僚は過失を問われないのが通例であた。いわゆる官僚の「無謬性」に守られ、その過失を今まで問われることはなかった。

今回の結審の意味するところは大きいはずである。滝川市の生活保護者に、2億円の大金を給与したのに、書類は整っていて市側に過失はなかったと、市長自身が発言している。

恐喝を受けていたのがなければ、非常識の極致である。金額など関係ない書類の世界にいるから、現実を直視できないのである。お役人の感覚は、そんなところにある。

書類の印鑑がずれているとか、書類が去年のだから書き直せだとか、内容的に何の問題もないのに単なる威厳と権威の見せつけなど何度も受けた経験がある。

通常一般社会では当然責任を負わなければならないような場面でも、お役人は瑕疵が問われることがない。こんないのように、はっきりしていて人命にかかわることなので下されて判決であろう。

我が国の、農業をここまで落としめた責任は誰かにあるはずである。政治家にもあるだろうが、官僚の作為である。さまざまなな公害も、お役人の作為である。いずれにしても彼らの過失は問われことがない。

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中国はどうなっている

2008-03-04 | 中国

中国の現体制は社会主義国か? 中国の現状は後進国か? 中国は民主化されているか? いずれも答えは"ノー"である。

中国は後進国(発展途上国)であることを理由に、京都議定書に調印しなかった。その一方で中国は、自らを社会主義体制と言ってはばからない。

Photo 中国は当時「最高実力者」という、正体不明の肩書で紹介されていた鄧小平が、海南島で行なった「南巡講和」に現在のすべての答えがある。「富めるものから富む」は、明らかに資本主義体制への回帰である。弱者は貧しいままでいろと解釈できるこの、講和からすべてが始まった。

この南巡講和から、中国は大きく経済体制を市場経済へと転換することになる。その一方で、共産3m_vehicles_is_good_and_bad_news03 党の一党独裁は堅持されたままである。本来漢民族は、中国の平原地方にしかいなかった。漢民族の持つ、中国は世界の中心であるとする”中華思想”は、曲げることない。

ウイグル族、チベット民族、モンゴル、満洲族などその他の少数民族に、自治権を与えようとはしない。チベットは日本に宣戦布告を行っているし、ウイグル自治区は1950年代、ソビエトは「東トルキスタン共和国」と呼んでいた時期がある。モンゴルは朝鮮同様、中国とソビエトに分断されたままである。中国は少数民族を抑え込み、彼らに民主主義を与えようとしない。

この10年近く、中国は10%前後の経済成長を遂げている。細部はともかく、大きく捉えると我が国の高度成長経済3m_vehicles_is_good_and_bad_news01 時期と、類似の道を歩んでいる。汚染物質の垂れ流しや公害が進み、農民が切り捨てられる。異なるのは、この期間に日本は「一億総中流」意識を持たせたことである。

中国は公害と同時に、信じられないほどの格差社会を具現させた。資本家は数千万円の収入がありながらも、労働者は相変わらず年収十万程度である。これほどの格差社会は、その時期日本にはなかった。搾取社会である。社会主義など微塵も感じさせることがない。

それではこの中国に、自浄能力があるだろうか? 少数民族に自治を与え、社会主義理念を復活させて、格差社会をなくすことができるだろうか? 共産党独裁政権を放棄できるだろうか? 選挙を取り入れることができるだろうか?

いずれも答えは"ノー"である。中国の為政者は開かれた論議の中で選出されていない。談合あるいは指名制で得た地位である。彼らが容易に放棄することはない。一時芽生えた民主化運動も、頓挫したままである。したがって答えは"ノー"である。

中国は巨大な国家である。中国の世界進出を最も恐れているのが、アメリカである。今日この頃になって、突如として中国の戦力の脅威を情報を垂れ流している。とりもなおさず、アメリカが危機意識を持っている証明である。

中国は何処に行くかは、オリンピックによる変化が、中国にどのように起きるかが大きな節目になることだけは、はっきりしている。

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イスラエルの横暴である

2008-03-03 | 政治と金

Gaza_attacks_a_holocaust03  先月27日にイスラエル軍がガザのハマス戦闘員5人を殺害した。この報復としてハマスは、ロケット弾を発射しイスGaza_attacks_a_holocaust05_2ラエル市民が1人死亡した。これがきっかけで、イスラエルは大々的な攻撃を、経済封鎖中のガザ地区を執拗に攻撃した。

2日までの4日間で、80人以上死亡者が出た様子である。ハマスのロケット弾の性能は向上している。飛距離が10キロも伸びて、イスラエルのアシュケロンまで攻撃できるようになり、危機感が高まったようである。

昨年6月にガザ自治区がハマスに制圧されて、ヨルダン川西岸だけを統治するパレスチナ自治政府のアッバス議Gaza_attacks_a_holocaust02長もイスラエルの攻撃を非難し、ハマスにも中止を呼びかけた。

ガザ地区は、現在生活物資も締め出すような、経済制裁のさなかになる。ハマスと対立するアバスからも見放された、ガザ地区の多くの一般住民からも犠牲者が多数出ている。

およそ、中東戦争ほど日本の報道がいい加減なものはない。イスラエル建国以来続くこの戦争は、平均で死亡者数が270人対1人であるといわれている。圧倒的な近代兵器を有するイスラエルは、戦闘そのものでは敗北したことがない。昨年のレバノン(ヒズボ)との戦いでも、2人の兵士を拘束された戦闘で圧倒できなかったので、勝利と思っていないほどである。今回も80人対2人である。そもそも、この戦は対等ではないのである。

それにしても、わが国ではほとんど報道されもしない。小さな報道でしかないこの戦争は、イスラエルとレバノン・ヨルGaza_diary_not_a_life_for_children0Israel_on_alert_after_nasrallahs_thダン・シリア・イランとの本格的な戦闘の前兆になる可能性が高い。

先月ヒズボらの指導者ナスララが、シリア国内ででイスラエルに暗殺された。葬儀の規模などを見ていると、決して小さくない事件であった。

イスラエルから最も離れた大国、イランが着実に国力を回復しつつある 。仇敵 のイラクとアフガニスタンをアメリカが潰してくれたからである。さらに、急速に国力を回復したロシアの後ろだてを持ち、核開発のおとりを上手く利用している。今度イランのアフマドネジャド大統領がイラクを訪問する。アメリカの意向はここにない。

もう一つの大国トルコが、アメリカのイラク進攻を支援しておきながらも、自国の民族問題からイラクのクルド自治区をGaza_attacks_a_holocaust01攻撃する事態になっている。アメリカがもっとも古くから信頼関係にあるサウジアラビアは、イランと欠くことのできない友好国と言ってはばからない。

イスラエルが最も頼りとする、アメリカは大統領予備選挙を通じてブッシュの失政にやっと気がついた。次期大統領になる民主党の小浜は6カ月以内に撤兵すると明言している。イスラエルはその前に、なんらかの形を作るために、大々的な行動に出るであろう。今回の、一般市民を巻き込んだ殺戮攻撃はその予兆と思える大きな事件である。

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余った予算は繰り越せ

2008-03-02 | 政治と金

年度末になって、行政者は予算の進行状態あるいは消化具合が気になる季節となった。先日懇意にしている知人が「今年度内なら○○円使えそうだ」と、懸命に走り回っていた。

事業を抱えて、行政に世話になっている人たちにとって、使える金があることは大変魅力的なことである。彼がそそくさと走り回るのは理解できる。しかし、この体質が日本の官僚の本質である。日本が大赤字を抱える原因がここにある。

予算設定された事業が予算金額を下回る、あるいは消化しきれないようだと、次年度から予算が削られる。だから、55役人は必死に何か使えるものがないかと、この時期動くのである。

通常の家庭や一般企業では予算内に住むようだと、次年度に黒字として繰り越すの実態である。評価も上々である。何しろ黒字にしたのだからと安どする。

ところが行政機関は少し違うのである。効果的に予算を使ったり何とか努力して安くあげても、お役人は評価されない。むしろ、予算を余したと評価される。これでは努力の甲斐がない。役人が堕落する所以である。黒字にしたのだから誉められてしかるべきである。黒字を出さないシステムがここにある。

逆に、赤字を出したり年度内に事業を完成しないようだと、次年度繰り越しを平然と行う。事業に食らいついている業者は有り難いものである。実質事業内容が増えることになる。赤字を補うために、国債や地方債が連発されて、どこもかしこも行政は上から下まで赤字になってしまうのである。

個別には異なる内容もあろうが、お役人がこの国を上から下まで真っ赤っかにしたのは、こうした無謬性にある。誰も間違っていないことが、前提でお役人、官僚は働いているのである。

多少とでも、行政と関わった者ならこうしたことは経験していると思われる。当然のこととして、日本の風土に定着し散るのだろうか。「お上」はいつでも正しい。逆らうとロクなことがない。ありがたく、黒字減らしにこの時期動く姿はどこかおかしいものがある。

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羅臼港

春誓い羅臼港