そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

返り咲くプーチンが穏健になるはずがない

2012-02-07 | プーチン

ロシアで反プーチンの動きが止まらない。来月の大統領選挙をを迎えて、長期政権になるプーチンの大統領返り咲きに、12万人ものデモが起きている。

Photo先の8年間の大統領時代は、極めて強権的な言論弾圧を繰り返していた。経済成長が、ソビエト崩壊後のロシアを救っていたことが、そうした政権姿勢でもプーチンを支持していた。

憲法で3選は禁止しているために、4年間はメドベージェフに傀儡政権を作らせ、自らは首相として実質的な権限を維持してきた。この後、8年間(彼は改憲して2期10年やる報道もある)を、政権を取ることに国民が不安を抱くの当然である。

しかし乱立する候補の中で、プーチン支持は際立っている。他の候補の支Photo_2持率は一桁台しかない。氷点下20度の民衆のデモは、第1回目で過半数を取らせないことにある。情勢は微妙である。プーチンの支持率は40%台である。

過半数の得票がなければ、上位2名の決選投票になるが、対抗馬がいないため結局はプーチンの再選が濃厚である。

プーチンとしては、メンツをかけて一回目で決めたいのであるが、そのために再度不正な投票を行う可能性もある。よほどのことがない限り、それでもプーチンは大統領に返り咲くであろう。確実に影響力は落ちると思われるが、長年のソビエト政権下で、多くの人は支配されることに慣れている。

返り咲いたプーチンは、今後も民族弾圧や言論統制を続けるであろうが、国民の反応がどの程度になるかわからないが、むしろ2期目の再々選のほうが面白そうである。

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陽動作戦だが現実的なイスラエルのイラン攻撃

2012-02-06 | 政治と金

アメリカのバネッタ国防相は2日、イスラエルがイランの核施設をここ数カ月以内に攻Photo撃する可能性があると、ワシントンポストを通じて見解を述べた。いやしくも、一国のしかも世界最大の国家で世界最大の兵力を持つ国が、平気である国がある国を攻撃する可能性について述べること自体が、異常である。

はたしてイスラエルがイランを攻撃するのであろうか。離れているイランを攻撃するには、空爆しかない。ここで思い起こされるのが、イスラエルが1981年にイランの核施設オシラクを、空爆し破壊したことを思い起こされる。フセインがフランスに依頼して建設中の、原子力発電所だった。本ブログで、4年前に問題にした。

http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20080723

ここには、アメリカとイスラエルの力の論理しかない。このオシラクオプションと呼ばれる空爆は、隠密裏に行われている。2年間に多分イスラエルが、攻撃したであろうシリアの核開発施設が破壊された。隠密行動である。America_protect_2

こうしてみると、今回のアメリカのイスラエルが攻撃するぞというアナウンスは、単なる陽動作戦でしかない。イランへの、アメリカからの脅しである。

アメリカは、アフガンイラクの侵攻に辟易している。先ごろ、選挙目的もあるが、オバマは太平洋、東南アジアへシフトすることを発表した。アメリカは、イランにもう関わりたくないのである。アメリカに代わる軍事的オペレーションが可能なのは、イス
ラエルである。そうした思惑で、国防相が発表したのである。

それでは、イスラエルのイラン核攻撃の可能性は少ないかといえば、オシラク空爆などに見られるように、結構現実的である。彼らに不条理などない。

今年はアメリカの大統領選挙の年である。こうした戦争は、国民から為政者は支持は得やすい。フォークランド紛争のサッチャーや、9.11以上のブッシュが良い例である。

イスラエルの、イラン核施設攻撃は脅しではあるが現実的でもある。

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「絆」、「きずな」と煩いんだよ

2012-02-03 | 政治と金

今回の東北震災は多くの日本人に、自分も何かの支援をやりたい、やらなければならない衝動に駆られた。震災地では、無数の悲劇が起きていた。

更に若者やシニアーのボランティアが、現地で活躍していた。被災者を支える多くの人々の活動は、「絆」という言葉で表現され、昨年の一文字で表す言葉として採用されもした。そのことは、高く評価したい。

しかし、時間が経つにつれて、この言葉と全く違う方向に日本が歩み始めていることに気付かされる。この言葉で言い表されるほど、人々が支えあうことが行われているなら、あるいは絆を持ちあえるなら、TPPという無法な強者の論理を掲げる体制は、あってはならないことである。

強者が生き残るための無関税システムが、TPPである。あるいは、圧倒的多数の弱者が食われる制度が、TPPなる無関税システムである。あるいは、生産効率や消費効率が良い都会が生き残り地方が衰退するシステムが、TPPである。要するにより一層の格差社会の実現である。

それは究極の新自由主義であり、強者が圧倒的に有利に働くシステムでもある。弱者にも均等に機会が与えられてると言われるが、圧倒的多数が弱者にならなければ、強者は存在することが出来ない。TPPはそうしたシステムである。

この国の為政者が推進しようとする無関税システムは、みんなで支えあい、絆を確かめ合うシステムに相反するものである。

震災が一段落して、「絆」という言葉は今や強者の隠れ蓑になりつつある。保険による焼け太りに似た、震災太りの大儲けするような業者が出てきている。仙台では、高級腕時計や宝飾類が飛ぶように売れているというのである。

報道番組に限らず、ほとんどあらゆる番組で震災を支える、絆を売り物にしたような表現が見受けられる。現実には視聴率を傍らに置いた、私利的な思惑に彩られたものであるが、そのことはひた隠す。

お金儲けにつながる体制が、社会の隅々で脈々と進行している。お客には慇懃に接し、収益を上げていないかのように装う周到さも、見逃してはならない。

それほど「絆」が求められるなら、社会的弱者や地方や農業をもっと支えるべきである。そんなことをすれば、営利目的の社会体制は崩壊するから、単なる言葉遊びで終わり、数年経てば「絆」などという言葉はすっかり忘れ去られるであろう。

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イラン問題はイスラエル・アメリカ問題である

2012-02-02 | アメリカ

イランが核開発の疑惑を巡って世界各国、とりわけ欧米諸国から厳しい制裁を受け2457144899ている。EUは夏にはイランからの原油の輸入を停止する。日本と韓国も少なからず同調する。

イランはこの100年ほど、前半は英国に後半はアメリカに気まぐれな外交によって翻弄され続けてきた。イランは、ほぼペルシャ人国家である。自らを、純粋のアーリア人と称していた。そのため、ヒトラーのドイツとは親密な関係にあった。イスラエルとの確執はここに始まる。

イランは、世界を制覇したペルシャ王朝の末裔であることを誇りに思っている。アメリカと英国は、1953年パーレビー国王のクーデターを支援した。欧米文化の導入と、石油資本の大々的な介入によって、イスラム革命が起きた。

このシーア派の革命に激怒したのが、スンニー派のイランのサダム・フセインである。イランに攻め入ったフセインを、アメリカのカーターは支援した。ヨーロッパ諸America_protect国も同調した。

ホメイニは、イスラエルをアラブ人の感情と宗教的な対峙に加えて、アリア人としての誇りが、建国を許さないとした。

そのイスラエルは、アメリカによって支えられ続けている。今回のイランの核開発疑惑とIAEAとの対立は、イスラエルがIAEAに加入せずUnder_hanndling核兵器の所有が公認の事実となっていることを、理由としている。

アメリカは、イスラエルとイランに対して明らかに、異なった判断基準を適用している。時には敵になり、時には支援する、そして友好国とは異なる判断を平気で行う、世界の覇者あるいは世界の警察を自認するアメリカが、横柄で乱暴な国家を作り上げてきたのである。

イランの核開発には賛同するものではないが、イランのこうした歴史的な欧米との関係特にアメリカとの関わりを無視したまま、いたずらにイランの核開発反対し経済制裁を繰り返すようでは、新たなイランが生まれるだけである。

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3度目の被ばくを隠ぺいした日本

2012-02-01 | 政治と金

今日の横暴な原子力行政は、広島、長崎そしてビキニの被ばくに始まります。読売系列の日本テレビの日曜の深夜番組、実際は月曜に入りますが、地道なドキュメント番組を作り続けている。

今回は、ビキニ環礁のアメリカの核実験による、被ばく漁師のその後です。地道にこのことを調査する、元高校教師山下正寿さんの成果を追うものであったが、時間が足らない感じは否めない。

1954年に第五福竜丸がビキニの核実験で被ばくし、機関長の久保山愛吉さんが半年後死亡した。アメリカは、核実験を繰り返す一方で核の平和利用へと、東西冷戦の中西側に取り込んだ技術大国日本を、まんまと平和利用へと世論を誘導したのである。昨年に本ブログでも紹介した。

http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20110704

Photoこれに乗ったのが正力松太郎であるが、アメリカは口封じに敗戦国日本に、200万ドル(7億2千万円)を渡し、その後の漁船の被ばく調査をやめさせた。被ばく漁船の実態は闇に放り込まれた。当時の漁船を所有する地区が80ほどあるため、数百隻が被ばくしていたのでないかと思われる。

番組では、残された資料から専門家に、推定被ばく量を計算させていた。それによると、約500ミリシーベルトである。急性の白血病が起きてもおかしくない被ばく量である。事実、ケロイドが出来たり脱毛などの証言が残っている。

もっと怖ろしいことに、この時期の死の灰は、日本にも降り注いでいたのである。さPhoto_2
らにアメリカはこのことは事前に承知していたことである。事前に、120地点で観測を用意し観測しているからである。その結果から、アメリカは本土が核攻撃された時の資料にしているのである。

その幾度目かの実験結果によりと、(右図参照:クリックすると大きくなります)日本全土が被ばくしているのである。この事実は全く公表されていない。もちろん被害報告も存在しない。

被ばくした漁師たちの多くは、第五福竜丸と同じように若くしてほとんどが、がんや心臓病で亡くなっている。国はこうした事実を認めるどころか、調査も行っていない。保障など何もない。わずかに残された被ばく元漁師たちに、被爆手帳の交付をするべきと、山下さんの運動は続く。

最も耳に残ったのは、被爆者の奥さんの声である。「被ばくを公にすると、漁協や地域の漁師たちに迷惑がかかる。魚が売れなくなる。補償をもらうより、そうしたことが恐ろしい」というのである。

日本は、アメリカの傘下に入ることで、平和利用への障害となる3度目の核被爆を隠ぺいしたのである。今日の、原子力行政の横暴さ、なれ合いと隠ぺい体質はここに始まる。

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羅臼港

春誓い羅臼港