好きな詩のひとつ
「自分の感受性くらい」 1975年 茨木のり子
ぱさぱさに乾いていく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛たつのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
大岡信さんが朝日新聞の1面の小さなコラムで毎朝詩歌を紹介しておられた。そこで紹介された詩のひとつ。古事記・万葉から現代の同人歌集まで大岡さんの守備範囲は広い(今はコラム休載中)。
コラム愛好者だったので、大岡さんの再登場待っているものの一人です。
「自分の感受性くらい」 1975年 茨木のり子
ぱさぱさに乾いていく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛たつのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
大岡信さんが朝日新聞の1面の小さなコラムで毎朝詩歌を紹介しておられた。そこで紹介された詩のひとつ。古事記・万葉から現代の同人歌集まで大岡さんの守備範囲は広い(今はコラム休載中)。
コラム愛好者だったので、大岡さんの再登場待っているものの一人です。