日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

池井戸潤著「ロスジェネの逆襲」(ダイヤモンド社発行)を読む。 

2013-11-17 08:37:16 | 
「シャーロックの子供たち」に引き続き、同じく電子版で同著者の「ロスジェネの逆襲」を読了。
こちらはあの大ヒットドラマの続きというか、東京セントラル証券に出向した半沢直樹がらみの話です。
成長著しく大きく育ったIT企業がそれぞれに抱えている問題から、企業買収のからくり。
そのアドバイザー役の銀行や証券会社の内幕が披瀝されている。
買収に絡んで動く資金の膨大さに比例するのだろうアドバイザー報酬。低金利時代で利ざやが利益の銀行業にとっては、アドバイザーで得られる報酬は真にオイシイのです。
メガバンクの行員も、証券会社に就職したロスゼネ世代にしても、真面目で、よく出来た部類の人たち、のはずです。
その人たちが、結局は収益を上げるために、こんな仕事(働き方)をしているのか、教えてもらった本でした。元銀行員からの業界の内部告発のようですらあります。

やめたら食べていけないというのが、暗黙の了解。
人事移動がイジメのアイテムなのです。器量と姑息さが連動しているように書かれています。作者の人間把握の基準なのでしょうね。
子供であっても、大人になっても、このイヤ~な不協和音がどこかで鳴っているのが人間社会なのでしょう。

一貫して、疑問に思ったことを書き添えておきます。
半沢の同期の行員に渡真利という人がいるのですが、半沢は結構キーとなる情報を、親会社の渡真利から流してもらっているのです。
親友であっても、これはレッドカードだと思うのです。ばれないように流しているのであっても、彼のスタンスはなんだろう、銀行から給料を得ているのであれば、その行為は「背任」ではないだろうか、と小説の筋運びごとに気になりました。

でも、面白かったです。
コメント
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