昔、小説のようなものを書いていたとき
昔、小説のようなものを書いていたとき、
終わり方がわからず主人公を殺してしまった。
そんなことを思い出し月の下でビルの角が光っているのを
ふるさとの山の輪郭を見るように見上げる。
死というものは、あの角の光のようなものだろうか。
いつもいっしょにあるのだが、
見えるときと見えないときがある。
主人公は殺す必要はなかったなあ。
バイクに乗って崖下の海に落ちてしまうのではなく、
岬を越えて防波堤で友人と待ち合わせればよかった。
小説のなかで友情が破綻した理由は忘れてしまったが……。
星が幾つか形にならないままビルの上に動いてきた。
空は小さいようで高い。
*
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」はアマゾンでは入手しにくい状態が続いています。
購読ご希望の方は、谷内修三(panchan@mars.dti.ne.jp)へお申し込みください。1800円(税抜、送料無料)で販売します。
ご要望があれば、署名(宛名含む)もします。
「リッツオス詩選集」も4400円(税抜、送料無料)で販売します。
2冊セットの場合は6000円(税抜、送料無料)になります。
昔、小説のようなものを書いていたとき、
終わり方がわからず主人公を殺してしまった。
そんなことを思い出し月の下でビルの角が光っているのを
ふるさとの山の輪郭を見るように見上げる。
死というものは、あの角の光のようなものだろうか。
いつもいっしょにあるのだが、
見えるときと見えないときがある。
主人公は殺す必要はなかったなあ。
バイクに乗って崖下の海に落ちてしまうのではなく、
岬を越えて防波堤で友人と待ち合わせればよかった。
小説のなかで友情が破綻した理由は忘れてしまったが……。
星が幾つか形にならないままビルの上に動いてきた。
空は小さいようで高い。
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谷川俊太郎の『こころ』を読む | |
クリエーター情報なし | |
思潮社 |
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リッツォス詩選集――附:谷内修三「中井久夫の訳詩を読む」 | |
ヤニス・リッツォス | |
作品社 |
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2冊セットの場合は6000円(税抜、送料無料)になります。