福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

ハゲワシと高校教師

2011年01月09日 |   〇自然・動物


△固城の空を舞うクロハゲワシ
(連合ニュース 2010年12月)

一昨年の冬(2009年12月)、「ヲタク」は、慶尚南道固城
(コソン)で越冬するクロハゲワシにえさを与える地域住民の
姿を、フォトニュースで目にした。

そして、当ブログで「人間とクロハゲワシ」なる雑文を書き、
彼らを物好きな「見物客」として紹介した。


△クロハゲワシの主要な越冬地(グーグルマップ)

しかし、それは大きな認識違いであった。

記事の内容が不十分だったせいもあるが、間違いの根本的な
原因は、固城の地域住民とクロハゲワシとのかかわりについて、
全く無知だった「ヲタク」自身にある。

今回、少し時間を取って、固城で越冬するクロハゲワシについて
学習(ネット検索)する中でわかったことである。

「ヲタク」が「人間とクロハゲワシ」の雑文で取り上げた
「見物客」とは、おそらく、地元でクロハゲワシの保護に取り組む
高校教師と教え子の高校生たちだったに違いない。

今回初めて知ったことだが、固城には、クロハゲワシの越冬を
助けるため、2000年から、家畜の解体で出る皮や内臓、脂肪
などの廃棄物を、週に3回ほどクロハゲワシに与え続けている
高校教師がいる。

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■독수리 설명하는 김덕성 교사
クロハゲワシについて説明するキム・トクソン教諭
(連合ニュース 2008年12月11日

11일 낮 경남 고성군 고성읍 기월리 철성중.고등학교 인근
논에서 이학교 김덕성 교사(환경과 생명을 지키는 전국교사
모임 부회장)가 고성군에 월동을 위해 찾아온 독수리떼에
대해 설명하고 있다.
11日午後、慶尚南道固城郡の鉄城中・高校近くの田で、同校の
教師、キム・トクソン教諭(「環境と生命を守る全国教師の会」
副会長※)が、固城郡で越冬するクロハゲワシの群れについて
説明している。

(※)「환경과 생명을 지키는 전국 교사모임」(環境と生命を守る
   全国教師の会)。「全教組」所属教師らが中心となり1995年に
   設立。環境教育の研修・研究や実践、地域の環境問題や
   野生動物保護などに取り組んでいる。

・・ ・・ ・・ ・・

ネット検索で見つけ出した、上記、連合ニュースの記事
2008年12月)にもある通り、彼は地元の高校の先生。

他の記事によると、彼は美術の教師(西洋画専門)なのだ
そうだ。

何とも、りっぱな先生がいたものである。

もちろん、朝早くから夜遅くまで受験指導やスポーツ指導に
明け暮れる先生もりっぱな先生なのだろうが、このキム先生の
活動により、野生動物保護や環境問題、国際協力などの
大切さや面白さに気付かされる高校生や地域住民も、多いに
違いない。

まさに、「Think Globally, Act Locally」(地球規模で考え、
身近なところから実践する)を地で行くような教師ではないか。

「ヲタク」自身、今回の学習(ネット検索)では、何事も、物事の
奥にある事実を突きとめようとする努力の大切さを、あらためて
痛感させられた。

漫然と目にとまった記事だけを興味本位に読んでいるだけでは、
決してわからない事実が山ほどあるのだ。

ここでは、そうした反省を込めながら、学習の過程(ネット検索)で
見つけた昨年(2010年)12月の釜山日報の記事を、翻訳練習
させてもらった。

キム先生の地道な活動を中心に、固城の人々とクロハゲワシの
かかわりの現状が、よく理解できる記事である。

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■'독수리 오백 형제', 고성 출동
固城郡に舞い降りた500羽のクロハゲワシ
(釜山日報 2010年12月17日


△画像は連合ニュース(10年12月)より

・지난해보다 100여 마리 증가
・昨年より100羽増加

최근 경남 고성군의 들녘과 하늘이 몽골에서 날아온 독수리
떼로 장관을 연출하고 있다.
最近、慶尚南道固城郡の平野や空では、モンゴルから飛来した
クロハゲワシの群れ
が壮観をなしている。

고성읍 기월리와 개천면 청광리 등 고성군 일대에는 지난 10월
말 선발대 몇 마리가 모습을 드러낸 이후 현재 500여 마리의
독수리가 월동 중인 것으로 파악되고 있다. 이는 지난해 400여
마리에 비해 크게 늘어난 것으로 고성 지역의 월동환경이 다른
곳보다 낫기 때문으로 분석된다.
固城邑基月里や介川面清光里など固城郡内一帯では、10月末、
数羽の先発隊が飛来して以来、現在、500羽を超えるクロハゲ
ワシが越冬中
だ。400羽あまりが飛来した昨年に比べ、大幅に
増加している。これは、ワシたちにとって固城が他地域に比べ
越冬しやすい環境にあるため
と見られる。

16일 낮 고성군 고성읍 기월리 철성중·고등학교 인근 논에서
100여 마리 이상의 독수리들이 날개를 접고 앉아 휴식을
취하거나 수십 마리씩 무리를 지어 하늘을 나는 모습이
관찰됐다.
16日午後、郡内基月里にある鉄城中・高校近くの田で100羽
以上のクロハゲワシの群れが休息を取る様子や、数十羽の
群れが空を飛ぶ様子が観察された。


△連合ニュース(10年12月)より

'환경과 생명을 지키는 교사모임'의 김덕성(고성 철성고)
교사와 학생들이 비닐포대에 담긴 돼지비계 등 가축 부산물을
추수가 끝난 들판에 뿌리자 상공을 유유히 선회하던 독수리
떼가 날개를 펄럭이며 하나 둘씩 내려앉기 시작했다.
「環境と生命を守る教師の会」で活動するキム・ドクソン教諭
(鉄城高校)と高校生たちが、大きなビニール袋に入った豚の
脂肪など、家畜の解体で出る廃棄物を、収穫の終わった田に
撒くと、上空を悠々と旋回していたクロハゲワシの群れが、
1羽2羽と田に舞い降り始めた。

날개를 펴면 2~3m에 달할 정도로 덩치가 큰 독수리는 먹이를
차지하기 위해 날카로운 발톱으로 서로 싸우면서 먹이를
먹기에 바빴다.
クロハゲワシは、両翼を広げれば2~3mにも達する大型の
猛禽類。するどい爪でお互いを牽制しながら、奪い合うように
えさをついばんだ。

김 교사는 일부 지원을 받고 사비를 보태 일주일에 3차례
정도 1t씩의 가축 부산물을 독수리떼에게 공급한다.
キム教諭は、自費に一部の支援を加え、自ら収集した解体家畜の
廃棄物を、週に3回、約1トンずつクロハゲワシに与え続けている

몇몇 독수리는 날개에 숫자가 적힌 '윙 태그'를 붙이고 있는데
104번 태그를 붙인 독수리는 지난해에 이어 2년째 고성을
찾아온 것으로 관찰됐다. 이는 몽골의 조류연구소에서
독수리의 이동 경로를 파악하기 위해 붙인 것이다.
数羽のクロハゲワシの翼には個体識別用の番号が書かれた
「ウィングタグ」
が装着されている。104番のタグが付いた
クロハゲワシが固城で観察されるのは、昨年に続き2回目。
このタグは、モンゴルの鳥類研究所がクロハゲワシの
移動経路を調査するために装着
したものだ。

몽골 내륙에 사는 독수리는 무려 2천㎞ 이상을 날아와
비무장지대(DMZ) 인근인 강원도 철원과 경기도 문산, 파주
및 경남 고성군과 인근 사천시, 진주시, 산청군 일대에서 겨울을
보낸 뒤 이듬해 3~4월에 다시 몽골로 돌아간다.
モンゴルに生息しているクロハゲワシは、実に2千km以上の
距離を飛び、非武装地帯(DMZ)周辺の江原道鉄原や京畿道
汶山(坡州市)
、そして、慶尚南道固城郡とその周辺の泗川市、
晋州市、山清郡一帯
で越冬した後、3~4月頃、再びモンゴルに
帰っていく。


△連合ニュース(2010年12月)より

김덕성 교사는 "독수리는 썩은 고기만을 먹기 때문에 사람과
농작물에는 해를 끼치지 않는다"며 새로운 관광자원 활용을
위해 지역민과 고성군 등의 지원이 필요하다고 말했다.
キム教諭は、「クロハゲワシは腐った肉しか食べないので、人間や
農作物に害を及ぼすことはない。新しい観光資源として活用する
ためにも、地域住民や固城郡などの支援が必要だ」と語った









△「いい勉強をしましたね。うふふ






△「次は、韓国のワシミミズクについても、
詳しく紹介しろ



(終わり)


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