■다음 소희 「次のソヒ」 〇〇〇--
(1823)
2023年に公開された告発型の社会派映画。社会的な反響の大きな
作品で、インディーズ系の映画としては珍しく、観客動員数が10万を
超えた。
全羅北道のある貯水池で若い女性の死体が見つかる。女性の身元は、
地元の実業系高校に通う高校3年生の女子生徒、ソヒだった。
彼女は、インターン(現場実習)先の職場で、実習とは名ばかりの
過酷で理不尽な労働環境に追い詰められたあげく、極端な選択に走った
のだった。
△女子高生の自死について調査する女性警部
調査を担当した女性警部は、彼女の自死の背景に高校生インターン制度
という美名の裏で横行している、低賃金長時間労働を始め、企業側の
慢性的労働法規違反の実態があることに気づいていく。
一方、本来なら生徒を守らなければならないはずの学校や行政も、自らの
数字的実績を上げることに汲々とするばかりで、実習先の職場で生徒が
置かれた状況には全く無頓着であるばかりか、一旦、問題が生じた場合は、
企業側の論理から一方的に生徒を懲戒し、追い詰める。ソヒの場合が
そうだった。
「インセンティブ制度」なる耳障りの良い新しい教育政策のもと、学校側も
また、学校自体の生き残りをかけた無限競争を強いられ、次年度の運営
資金を獲得するための数字的実績作りが至上課題となっているのだ。
女性警部は、一警官の力ではどうしようもできない、こうした社会や
政治の壁を前に、途方に暮れるしかなく、苦悩を深める。
そして、見る者に問題を投げかけたまま映画は終わる。
この映画では、女性警部を演じた個性派女優、ペ・ドゥナの熱演が印象に
残った。
(終わり)
(1823)
2023年に公開された告発型の社会派映画。社会的な反響の大きな
作品で、インディーズ系の映画としては珍しく、観客動員数が10万を
超えた。
全羅北道のある貯水池で若い女性の死体が見つかる。女性の身元は、
地元の実業系高校に通う高校3年生の女子生徒、ソヒだった。
彼女は、インターン(現場実習)先の職場で、実習とは名ばかりの
過酷で理不尽な労働環境に追い詰められたあげく、極端な選択に走った
のだった。
△女子高生の自死について調査する女性警部
調査を担当した女性警部は、彼女の自死の背景に高校生インターン制度
という美名の裏で横行している、低賃金長時間労働を始め、企業側の
慢性的労働法規違反の実態があることに気づいていく。
一方、本来なら生徒を守らなければならないはずの学校や行政も、自らの
数字的実績を上げることに汲々とするばかりで、実習先の職場で生徒が
置かれた状況には全く無頓着であるばかりか、一旦、問題が生じた場合は、
企業側の論理から一方的に生徒を懲戒し、追い詰める。ソヒの場合が
そうだった。
「インセンティブ制度」なる耳障りの良い新しい教育政策のもと、学校側も
また、学校自体の生き残りをかけた無限競争を強いられ、次年度の運営
資金を獲得するための数字的実績作りが至上課題となっているのだ。
女性警部は、一警官の力ではどうしようもできない、こうした社会や
政治の壁を前に、途方に暮れるしかなく、苦悩を深める。
そして、見る者に問題を投げかけたまま映画は終わる。
この映画では、女性警部を演じた個性派女優、ペ・ドゥナの熱演が印象に
残った。
(終わり)