■화란 「オランダ」 〇〇〇〇〇
(1943)
2023年に公開されたノワール風の青春ドラマ。
貧しく絶望的な生活の中、母親とオランダに移民するという非現実的な
夢を追っていた青年が、自分に情けをかけてくれたワケありのヤクザに
惹かれ、ヤクザの弟分として裏社会に足を踏み入れる。そして、非情なる
紆余曲折を経て、満身創痍の身となった青年が最後に、自分のよき理解者
でもあった兄貴分のヤクザの命を奪い、自分の未来に向かって逃走する
シーンで映画は終わる。
久しぶりにガツンと魂を殴られるような映画を見させてもらった。
この映画では、主人公の青年がアル中の義父のせいで顔に大きな傷を
負うまで中華料理屋でアルバイトをしていた関係で、ブログ主こだわりの
チャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)が、幾度となく登場した。
△チャジャンソースをかける前のチャジャン麺
中でもブログ主を唸らせたのは、チャジャン麺が登場した最初のシーン。
△麺にタバコの灰を落とす瞬間
いつも出前でチャジャン麺を1皿だけ注文する客に腹を立てた店主が、
その客のチャジャン麺にタバコの灰を入れたのだ。
△タバコの灰を落とした麺にチャジャンソースをかける
チャジャン麺ウォッチャーを自任するブログ主ではあるが、さすがに
このシーンには意表を突かれた。
△誕生日を迎えた息子にチャジャン麺をプレゼント
チャジャン麺を配達した主人公は、その1皿が、ある少年の誕生日の
お祝いだったことを知り、心を痛めた。
△一旦は食べるのを止めようとしたが・・
少年がソースに隠れた灰に気づいたのか、気づかなかったのかは、判然と
しないままシーンは次に移った。
△何かを気にする素振りの少年
このチャジャン麺の登場のさせ方だけを見ても、この映画が生ぬるい
映画でないことがわかろうというもの。
△主人公がバイトを首になった日、店内でチャジャン麺を食べる客
たかがチャジャン麺、されどチャジャン麺。
韓国映画のファンになるということは、自任するしないに関わらず、
誰もがチャジャン麺ウォッチャーになることを意味しているのかも
しれない。
(終わり)