■춘희막이 「チュニとマギ」 2015年 〇〇〇〇〇
(860)
2015年に公開されたインディーズ系のドキュメンタリー。
慶尚北道のある村に生きる2人の老女の生活を追った作品だ。
「ハルモニ」と呼ばれる老女(マギ)は、亡夫の正妻。
そして、「オモイ」と呼ばれる若い方の老女(チュニ)は、
その昔、シバジ(借り腹)として亡夫の2人の男の子と
1人の娘を生み、そのまま家で暮らし続けている女性。
彼女には軽い知的障害があり、畑仕事の手伝いはできるが、
お金の計算などはできない。
彼女は、年老いた今もなお、正妻のマギおばあさんを、
まるで幼女が実の母親と対するように、慕いながら、
いっしょに暮らしている。
△チュニおばあさん<左>とマギおばあさん(映画より)
正妻は、彼女が男の子を1人生んだ後も、行き場のない
彼女の境遇が不憫でならず、そのまま同居し続けることを
許したのだと語る。
それから50年近く、2人は一つ屋根の下で苦楽を共に
してきた。
現代の韓国社会では、シバジの風習は消滅している
(はずだ)。
今となっては、極めて例外的な事例とは言え、非常に
貴重なドキュメンタリー作品を見させてもらった。
(終わり)
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