■초미의 관심사 「チョミ(焦眉)さんの関心事」 〇〇〇〇-
(1111)
2020年5月に公開されたインディーズ系の家族ドラマ。
ソウル市龍山区のイテウォン(梨泰院)界隈を舞台に、
酒場を経営する1人親の母親(チョミさん)と新米
ジャズシンガーの長女が、2人のお金を盗み家出した
末っ子(女子高生)の行方を捜し歩く物語。
△母子の末っ子探しを助ける黒人<映画より>
2人は、母親の幼なじみの警官や外国人らの助けを
得ながら、末っ子の通う高校やバイト先、知人の
アパートなどを訪ねて回り、最後に、末っ子を探す
交際相手の女子高生(2人はレズ)と合流し、ついには
末っ子の居場所を見つけ出す。
△細くて急な階段は「ヲタク」にプサンを思わせてくれた<映画より>
非常に見ごたえのある「ヲタク」好みの社会派
映画だった。
△「ヲタク」も歩きたくなったイテウォンの坂道<映画より>
この映画では、映画の主要なロケ地になったと
考えられるイテウォン・漢南洞界隈の街の様子に
強く関心を引かれた。
△丘の上の教会は「한남동 한광교회」(漢南洞の漢光教会)<映画より>
特に、映画に登場した丘の上の教会(한광교회)を
特定し、ネット地図で位置を確認するのには、かなりの
執念を要した。
少しだけ付け加えれば、より知名度の高い
「解放村の解放教会」などと混同せずに、正確に
漢南洞の教会にたどり着くには、(自分で
書くのも何だが)けっこう高度な調査能力が
必要とされた。
(終わり)
■신장개업 「新装開業」 〇〇〇--
(1110)
1999年に公開されたヒット作。
△主人公は田舎町の中華料理店の店長
韓国人が大好きなチャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)を
テーマに繰り広げられる異色のホラー・コメディだ。
△またまた登場、チャジャン麺!
舞台は、とある山間地の小さな町。
△主人公の店の真ん前にできた不気味なライバル店
主人公が営む中華料理店「中華楼」の正面に、新しく
「阿房宮」(※由来)なる屋号の中華料理店がオープンする。
△「阿房宮」のチャジャン麺
その店、オカルト風の不気味な営業スタイルながら、
チャジャン麺がおいしいと評判を呼び、大繁盛し
始める。
△「阿房宮」で感動のあまり泣きながら6皿のチャジャン麺を食べた客
1度に6皿も食べる客が出るかと思えば、偵察に行った
主人公の店のコックまで、そのあまりのおいしさに
感動し、その味を思い出しただけで涙を流してしまう
ほどだった。
△「阿房宮」に偵察に行ったコックも感動のあまり涙を流す
主人公の店は完全に客を奪われ、廃業の危機に
見舞われる。
△大繁盛の「阿房宮」
追いつめられた主人公は、「阿房宮」のチャジャン麺の
人気の秘密が人肉を使った黒味噌にあると思い込み、
自らも人肉チャジャン麺を作って対抗しようと
やっきになる。
そして最後はあろうことか、主人公たちが「阿房宮」の
屋号と営業スタイルを乗っ取ってしまう、という
ハチャメチャぶり。
劇中、「阿房宮」の黒味噌の本当の秘訣は、店員
たちの手で撲殺する豚の新鮮な挽肉にあることには
なっていたが、主人公たちが乗っ取った「阿房宮」で、
果たして豚肉チャジャン麺を出すつもりなのか、
それとも人肉チャジャン麺を出すつもりなのかは
謎のままだった。
全くもってナンセンスな内容の映画ではあったが、
そこそこ笑ってしまった。
△中華麺に黒味噌を混ぜるシーン
それにしても、あまりにも深すぎる韓国人(社会)の
チャジャン麺愛には、一向に底が見える気配がない。
(終わり)
■고양이 집사 「ネコと暮らす人々」 〇〇〇--
(1109)
2020年に公開されたドキュメンタリー映画。
△ボランティアの「ネコ弁当」(春川市孝子洞ネコの村)
街ネコにエサを届けたり、不妊手術を施したりしながら、
人間とネコの共生を模索する人々がいる。
△ネコ弁当を配達する中華料理店の店長(春川市孝子洞ネコの村)
あるいは、都市の再開発で人間たちから置いてけぼりを
くらった猫たちを保護する人たちもいる。
△京畿道城南市の再開発地区に取り残されたネコたち
この映画は、ソウルに住むネコ好きな青年監督が、
全国数か所をめぐりながら、そうした人々とネコたちの
日常を淡々と記録したドキュメンタリー映画だ。
△プサン海雲台区青沙浦の「ネコの村」より
なかなか見ごたえのある作品だった。
(終わり)
■10분 「10分」 〇〇〇〇-
(1108)
2014年に公開された社会派ドラマ。
メディア系の中規模公益団体の支所で「インターン」
(非正規職員)として働く大卒の青年が主人公。
まじめな働きぶりが評価され、所長からは口頭で正規
採用を確約されたが、実際、新たに正規採用されたのは
会長にコネのあった女性。
当初は天下り的なコネ採用に批判的だった同僚たちも、
いざ、女性が配属されるや、すぐに手のひらを返した
ように、女性を囲み和気あいあいとした雰囲気に。
さらに新採女性がしでかした大きな失敗を自分の
責任にされるなど、主人公は職場や同僚に強い
怒りを感じ、完全に愛想をつかす。
△いたたまれなくなりビルの片隅で1人タバコをふかす主人公(映画より)
そして、所長に退職を申し出た。
しかし、新採女性が条件のいい職場に転職して
しまった関係から、主人公は所長から逆に、
急きょ、正規採用を打診される。
そして、返事を返すまでに主人公に与えられた
時間が、わずか「10分」だったという話。
はたして主人公は、所長の話を受けたのか、
それとも蹴ったのか?
映画は主人公が所長に結論を伝える前に終わる。
なかなか見ごたえのある作品だった。
ところで、この映画で強く「ヲタク」の印象に残った
シーンは、就職をめざして長年、主人公が勉強して
いた参考書。
△「KBS韓国語能力試験」は就職や大学入試で活用されることの多い国家資格(映画より)
それはKBS(韓国放送公社)の韓国語能力試験に
向けた参考書だった。
外国人ではなく韓国人が、母語である韓国語の能力を
外部に証明するための検定試験(国家資格)が存在して
いるとは、全くもって初耳だった。
(終わり)
■런 보이 런 「ラン・ボーイ・ラン」 〇〇---
(1107)
2020年に公開された青春ドラマ。
足の怪我を癒すためソウルの高校から故郷(忠清北道)の
高校に転校した陸上選手の主人公と、彼の再起を応援
しながら、街の愚連隊(金融系)のボスになって行く
幼なじみの友情を描いた作品。
この映画でちょっと気になったのが、朝、高校の校門で
遅刻指導(?)をしていた先生のムチ。
△朝の校門指導(映画より)
実際、現代韓国の学校で、先生のムチは、どれくらい
ふるわれているのだろうか?
△こんな棒で叩かれるくらいなら、ビンタの方がましである(映画より)
その昔(小・中学生時代)、先生たちからビンタを
はられながら成長した世代の「ヲタク」としては、
ちょっと気になった。
(終わり)
■나는 보리 「私の名前はポリ」 〇〇〇--
(1106)
2020年に公開されたインディーズ系の家族ドラマ。
△迷子になった主人公にチャジャン麺の出前(映画より)
ドラマの舞台は江原道のカンヌン(江陵)市。
△甘口の黒味噌ダレが別になったタイプ(映画より)
少女ポリの家族である両親と弟は聴覚障がい者。ポリは外では言葉を使い、
家の中では手話で話す。
△1食目のチャジャン麺はやさしい婦警さんといっしょに(映画より)
そんなポリが、思春期の入り口を前にして、他人よりも早く自分探しの
旅を始める。
△友人のお父さんがチャジャン麺を配達(映画より)
ある日、彼女は、自分も大好きな家族と同じように耳が聞こえないように
なりたい、という衝動から海に飛び込んでしまう。
△チャジャン麺の他、チャンポンと酢豚も(映画より)
幸いにして命を取りとめ、病院で目覚めたポリではあったが、その後
しばらく、彼女は耳が聞こえなくなったふりをして暮らす。
△2食目のチャジャン麺。両親は辛口チャンポン。(映画より)
この映画は、障がい者の家族の中で生きる健常者の少女が、本当の
自分自身を取りもどしながら、家族とともに成長していく物語だ。
なかなか見ごたえのある映画であった。
ところで、物語の本筋とは全く無関係ながら、この映画で印象に残った
のは、何といってもチャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)。
チャジャン麺、チャジャン麺と、しつこ過ぎる気がしないでもないが、
気になってしまうのだから仕方がない。
△3食目のチャジャン麺はウソの障がいで出前が取れずインスタントで(映画より)
この映画では、チャパゲッティ(即席チャジャン麺)のシーンも加えれば、
主人公は実に4回もチャジャン麺を食べたのである。
△4食目のチャジャン麺はTVで弟のサッカーの試合を応援しながら(映画より)
それにしても、登場人物の1人がこれほど多くのチャジャン麺を食べる
映画も珍しかった。
さらに言えば、この映画には、チャジャン麺(正確には麺料理)の手話まで
登場した。
△母親と手話でチャジャン麺について話すシーン(映画より)
もちろん、ブログ主が初めて目にするシーンだった。
(終わり)
■도둑맞곤 못살아 「盗られてたまるか」 〇〇---
(1105)
2002年に公開された犯罪コメディ映画。日本映画
「とられてたまるか!?」(1994年)のリメイク版。
同じ豪邸で盗みを繰り返すイケメン泥棒と豪邸の
主人との闘いをコミカルに描いている。
最後は2人が協力してセキュリティ会社を設立する
というハチャメチャなオチも付いている。
「ヲタク」の趣向には全く合わない映画であった。
唯一、印象に残ったシーンと言えば、家主が
泥棒を撃退するために習ったいかがわしい武術。
△家主がひろった武術道場のビラ(映画より)
その名も「東方撃破気功道」(架空)。
△気功道の道場(映画より)
攻撃目標を男性の急所一点だけに絞り、蹴り、
突き、握りつぶす(?)、という究極の反則
護身術。
道着や帯だけを見ると、見かけは柔道や空手に
似ている。
△相手の急所を握りつぶすイメージトレーニング(映画より)
この武術には笑ってしまった。
(終わり)
■저 산 너머 「あの山の向こうに」 〇〇〇--
(1104)
韓国人として初めてローマカトリック(天主教/
천주교)の枢機卿を務めた故キム・スファン神父
(1922年7月~2009年2月)の少年期を、氏の回想記に
もとづき映画化した作品。
公開は2020年4月。
映画の時代背景は1920年代。日本統治下の朝鮮の
大邱近郊の山村を舞台に、熱心なカトリック信者の
家庭に生まれ育った泣き虫の少年が、母親の深い
愛情に抱かれながら、徐々に神(天主)に仕える道を
志すようになる物語。
登場人物たちの会話は、時代と舞台により忠実に、
若干、濃い目の慶尚道方言。
なお、例によって、この映画でも物語の本筋とは
無関係な部分で強く「ヲタク」の印象に残ったシーンが
あった。
△算数の宿題を忘れ罰を受ける大人の生徒(映画より)
主人公が通った小学校(普通学校?)では、同じ
クラスで実の父子が学ぶケースもあり、時には、
宿題を忘れた父親が、子どもの前で罰を受ける
こともあったようだ。
今からちょうど100年ほど前の話だ。
それにしても、日本の支配から解放され、すでに
長い年月がたった現代韓国でも、発音を変えた
「숙제(宿題)」が多くの子どもたちを苦しめ(?)
続けている。
この現状を、どう考えればよいのか。
(終わり)
■페스티발 「フェスティバル」 〇〇---
(1103)
2010年に公開された異色のエロチックコメディ。
△3人の変態たち。左の黒装束は女王様の「犬」。(映画より)
SMに目覚めた中年男女に女装趣味の中年男。
はたまた、女子高生の蒸れたパンティーを
ラミネートで密封し、売り買いする男たちが
いるかと思えば、ダッチワイフ(리얼돌/섹스돌)
しか愛せなくなった青年もいる。
△女子高生のパンティーを買い取り、密封(映画より)
要するに、この映画に登場する人物たちは、皆、変態。
△けっこう精巧なダッチワイフは日本人風?(映画より)
その変態たちが、人間としての幸せを求め奮闘する。
「ヲタク」の趣向には全く合わないナンセンスな作品
だったが、そこそこ笑えた。
なお、韓国語でも変態は、同じ漢字語を使い「변태」と
発音。
(終わり)
我が家(妻手作り)の韓国式海苔巻き。韓国語では
김밥。
今夜の夜食だ。
今日、ブログに投稿するネタがなかったので、渡りに
船、とばかりに撮影し公開。
(終わり)
△JR戸畑駅(北九州市)
福岡県内にある某国立工業大学を中退後、回り道を
して同じ県内の某私立工業大学に編入し、今年の春、
ようやく4年生になったばかりの「ヲタク」の長男。
その彼が、この6月、北九州市戸畑区に本社を置く
企業から内定をいただくことができた。
就活2社目にしての内定獲得だ。
決して有名企業でも何でもないが、環境や交通に
関わる官公庁向けの社会インフラシステムの構築を
中心に発展してきた地場中堅のIT系企業だ。
聞くと、詳しい事情は不明ながら、今回の採用選考で、
難しめの適性試験や2度の面接(新型コロナの影響で
2度目はオンライン)を突破し、最終的に内定まで
手にできた学生は、受験者全体のおよそ10人に1人
という狭き門だったとのこと。
本当にありがたい話である。
△JR戸畑駅正面
この先、順調に行けば、長男も来年の4月から、
晴れて社会人。
戸畑(北九州市)か博多(福岡市)でシステム
エンジニア(SE)としての第一歩を踏み出す
ことになる。
△JR戸畑駅の駅前通り(小倉方面)
他人よりちょっと遅れはしたが、手痛い挫折も含め、
これまでの全ての経験を糧に、しっかりと自分の
人生を切り開いて行ってほしいものである。
△JR戸畑駅の駅前通り(八幡・黒崎方面)
この週末、親バカの「ヲタク」はさっそく、愛犬と
いっしょに長男が就職する(予定の)会社の入る
ビル(親会社の本社ビル)を外から見学に行った。
△駅前にはショッピングモールも
JR戸畑駅のすぐ近くだ。
ビルを確認した「ヲタク」が次に探し始めたのは、例に
よってハングル(4言語表示の案内)。
「ヲタク」の視線は、上に下に前に後ろにと、せわしく
動く。
ところが、昭和の雰囲気に包まれた駅周辺で目にする
案内表示は、せいぜい英語併記の2言語表記。
△トイレの中の2言語表示
残念ながら、そこにはハングルも中国語もない。
△トイレの中の2言語表示
そう言えば、昭和の時代、韓国や中国を旅行する
日本人はいても、日本を旅行する(できる)韓国人や
中国人は、まずいなかった。
△西鉄バス
そんなことを考えながらも、意地になった「ヲタク」が、
ついに見つけ出したハングルが、西鉄バスの3言語表示。
△西鉄バス
ちっちゃなハングルではあったが、この発見には救われる
思いがした。
JR戸畑駅周辺にも、新しい時代の風は、確実に吹き込んで
いたのだ。
△JR戸畑駅の券売機はタッチパネル式
そしてもう一つだけ、「ヲタク」の執念が見つけ出した
ハングルがあった。
△券売機は日・英・韓・中の4言語サービス
そう、タッチパネル式券売機の外国語サービスである。
△ハングルもある
一見、昭和風の駅舎の中にも、外国人観光客を意識した
現代風のデジタル機器がしっかり設置してあった。
△タッチパネルの韓国語表示
こうして「ヲタク」は、小さな自己満足を胸に、長男の
就職先企業の見学とJR戸畑駅周辺のハングル調査を無事、
終えることができた。
(終わり)
■조용한 가족 「クワイアット・ファミリー」 〇----
(1102)
1998年に公開されたブラック・コメディー。
山奥の山荘を舞台に、ごくごく平凡な家族が、残虐な
大量殺人劇に手を染めていくという、実にナンセンスな
物語。
「ヲタク」の趣向には全く合わない映画だったが、
物語の展開にはそこそこ引き込まれてしまった。
△31歳の頃のソン・ガンホ<写真中央>(映画より)
なお、この映画にもソン・ガンホ(1967年1月生まれ)が
出演していた。
地なのか演技なのかわからない、例のすっとぼけた
彼特有の演技は、若いころから異彩を放っていた。
今や、彼の存在抜きに韓国映画が語れないほどの
大俳優に成り上がったソン・ガンホ。
まだまだ活躍を続けてほしいものである。
(終わり)
■그녀를 모르면 간첩 「僕の彼女を知らないとスパイ」 〇〇〇--
(1101)
2004年に公開されたラブコメディー。
韓国に潜入した北朝鮮の美人スパイと2浪生の
青年が織り成す、ナンセンスながらも切ない
純愛物語。
昭和生まれの「ヲタク」など、最後は涙腺まで
刺激されてしまった。
△ハンバーガーショップでバイトする工作員<時給₩2,510>(映画より)
主演はキム・ジョンファとコン・ユ。
△自分が工作員であることを告白した主人公(映画より)
特にキム・ジョンファのキュートな熱演には、胸を
締め付けられる思いがした。
ところで、この映画で強く印象に残ったシーンと
言えば、主人公女性の目覚まし時計。
北朝鮮の潜入工作員も「しんちゃん」(짱구)の
目覚まし時計を使っているなんて。
いくら映画とは言え、日本製キャラクターの人気ぶりが
うかがい知れるシーンだった。
(終わり)
■좋은 여자 「善良な女」 〇〇〇--
(1100)
2020年に公開されたインディーズ系の社会派ドラマ。
成人指定。
主人公は、繁華街の片すみの風俗店(マッサージ)で
性を売る中高年女性。
△主人公が働く「男性休憩室」(マッサージ、足マッサージ)<映画より>
映画のオープニングでは、外したナプキンの真っ白な
シートに、迎えて間もない更年期を象徴させるなど、
いきなりのどぎついリアリズム。
正直、勘弁してほしい、と思ったシーンだった。
△この映画にも登場した「太白市の風の丘」<映画より>
元はと言えば、彼女も平凡な家庭の平凡な主婦だった。
それが、およそ10年前、夫がカジノで作った借金が
元で家庭が崩壊し、借金取りから蹴飛ばされるように
して風俗店に流れ着いた。
△家庭を崩壊させてもカジノや花札がやめられない主人公の前夫<映画より>
風俗店で彼女の回りにいる中高年女性らも、それぞれに
せっぱ詰まった事情に追いつめられ、悲痛な毎日を
強いられている。
崖っぷちに立たされた人々の暮らしから生まれる
シュールで鋭利な哀歓。
△カジノコインを店外で現金化した前夫<映画より>
「ヲタク」の趣向には全く合わない映画だったが、
結局は、そこそこ引き込まれてしまった映画である。
(終わり)
■하프 「ハーフ」 〇〇〇--
(1099)
2016年に公開されたインディーズ系の社会派ドラマ。
性的少数者(精神は女性、肉体は男性)の女性を
主人公に描かれた、成人指定の法廷ドラマだ。
△主人公女性はトランスジェンダー(映画より)
この世に性的少数者に対する偏見や差別がなかった
ならば、おそらく巻き込まれることのなかった事件の
中で、心ならずも他人の命を奪ってしまった主人公。
△主人公の女性(映画より)
この映画は、彼女や家族が過去、直面し、そして
現在もなお直面し続けている社会の偏見や差別が
赤裸々に描かれている。
なかなか見ごたえのある映画だった。
ただし、この映画で最も強く印象に残ったシーンは、
何と言っても、男性器の露出シーン。
この映画は、「ヲタク」が、(違法流通している
ポルノ映画以外で)ありのままの男性器を目にした
最初の映画になった。
△実物そっくりの模型の可能性も?(映画より)
「ヲタク」にとって男性器自体、特に珍しい物では
ないとは言え、やはり、通常は他人の目には決して
さらしてはならない物、との観念が非常に強い。
そういう意味では、「ヲタク」も常識人なのである。
常識に閉じ込められた映画など全くナンセンスな
話ではあるが、この演出(露出シーン)に限っては、
全く共感できなかった。
あえて露出する必要など全くなかった、と考えて
いる。
(終わり)