インスンはきれいだ 第9話

雨の中、江原道から帰ってきたインスンを待っていたのは、なんとプロフィール写真撮りだった。
「はい！緊張しないで笑って」女優母はインスンが嫌がることなどお構いなしに、娘をタレントに仕上げようと一生懸命だ。
「みんなから愛されるように生まれ変わろう」気持ちを切り替えて、カメラに微笑むところがインスンらしい。

が喜んでいる母、覚悟を決めたインスンと違って、先生もそしてサンウも戸惑いを隠せず。
「先生は私がうまく行くのが嫌なんですか？やりたいことやれっていってたじゃないですか？それなのに、何故人生の目標がそれなのか？なんていうんですか？単純におめでとうって言ってくれるだけでいいのに・・・私が欲しいのは忠告じゃないんです」
（こんな風にインスンが意見しても、ただ寂しそうに笑っている先生。かなり大人の対応だ）
「約束がある？そんなの、ちょっと遅れていけばいいだろ？お前はなんになりたいんだ？歌手？女優？それともマルチタレントか？言われて仕方なしにやっているんじゃないのか？一攫千金なんてそんなうまい話があるわけない！」先生と違って、やや子供っぽく、まくし立てるサンウの心配をよそに「私が自分で決めてやっているの」と半ば向きになってタレントの仕事をこなそうとするインスン。

「一体どういうつもり？」又も放送事故を起こしたらしいインスンだが、何がどう転ぶか分からない。女優母の予想を裏切り、初々しい態度が物珍しかったのか、司会者に気に入られ、メインMCのチャンスを与えられるインスン。
「私のテモン（子供を身ごもった時に見る夢のこと）はどんなだったの？」こんな質問まで母親に出来るようになったインスンだが、（テモンはピカピカと光輝く夢だったらしい）「過去の事は忘れるの。なかったことにするのよ」受刑者だった過去の事は二人の間ではやっぱりタブーだ。

有名になりファンサイトに次々と応援コメントが書き込まれるようになったインスンにとって、確かに過去の事は大きなトラブルの元だ。
「そうよ。昔のことはなかったことにしよう。過ぎたことは忘れるのよ」母親の言葉に後押しされて、まるで過去の事を忘れたかのように芸能界で仕事をするインスンだが、そんなにうまくいくはずはない。
「インスンの過去のことはどうするつもりですか？」クンスの言葉におびえる女優母。

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「夕食食べたいんだ？時間あるか？」
「ごめん　俺は卑怯な奴だ。」
「会いたい。インスン」
何度もメールを打ちながらも結局送ることが出来ないサンウ・・・・・

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インスンは自分の事に精一杯で、寂しい思いをしている妹チョンアのことも、昔の仲間に脅されているクンスのことも気遣う余裕（気付いてあげる余裕）がない。

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やっぱりインスンのようなタレントは話題性だけが頼りだ。「タクシー女とか、電車女とか、新しいものが出てきたら、インスンさんなんて泡のように消えてしまいますよ」サンウの気持ちなど知らずに、放送関係者らしい冷静な反応を示すサンウの後輩。
（そんな失礼なこと言うな！というサンウだが、その気持ちはなかなかインスンには伝わらず・・・）