少年時代確か中学生の時、ウィンパーの「アルプス登攀記」を読み感激しました。当時は病弱であったためマッターホルンに出会うことなどはまったく諦めていました。ところが今回の旅で展望台のゴルノグラードでこそ見ることができませんでしたが,麓のチェルマットからのその雄姿に出会い大感激でした。
しかもチェルマットでの宿泊がウィンパーの定宿ホテル・モンテローザということでこれまた大感激でした。
ここでご存じない方のため、簡単にウィンパーについて紹介しておきます。彼は1840年ロンドン生まれの英国人です。アルプス登山で最後の登攀不可能といわれたマッターホルンを1865年にこのウィンパーが征服したのです。 「苦闘6年、七たびにおよぶ敗退にもめげず、とうとう彼は目的を達してマッターホルンの頂上に立った。しかし下山にかかってまもなく悲劇は起こった」(岩波文庫「アルプス登攀記下」のカバーより)
その悲劇とは下山時にザイルが切れ7人の内4人が転落死したのです。
写真はウィンパーの初登攀60年を記念するためイギリス山岳会から1925年送られたウィンパーの浮き彫りでホテルモンテローザの道路沿いの壁にはめ込まれているものです。