ブータン小・中学校歴史教科書「ブータンの歴史」には「ブータン史においてペマ・リンパが果たした役割」という章があります。(p112~120) ブータンで第2のブッダとしてあがめられている8世紀にインドからきてブータンでの仏教布教に功績があったグル・リンポチェが隠したとされる宝物をペマ・リンパ(1450~1521)が発見したことで有名です。また彼は現王室の祖先と信じられています。その宝物を発見した時の模様を歴史教科書(p115)で以下のように記述しています。
「ある吉日、ペマ・リンパが湖に飛び込もうとすると、沢山の人々がその様子を一目見ようと集まってきた。彼はバターランプを手に持ちこう祈った。『もし私が悪魔ならば、私は命を落とすであろう。しかしもし私がグル・リンポチの志を継ぐものであれば、私は宝物を手にし、灯の消えないランプと共に戻るであろう』そう言い残してペマ・ロンパは湖に飛び込んだ。しばらくすると彼は神聖なる頭蓋骨、仏像、そしていまだ火のともるランプを抱え湖から姿を現した。(中略)この湖はメンバ・ツォと呼ばれるようになった」
写真はそのメンバ・ツォとされているところです。湖というよりは谷あいの渓流でした。