実は、この床モザイク画は2009年2月15日に少しだけ紹介しています。そこでは「古代ローマ貴族のヴィラ(別荘)」にあると記しています。この館の所有者については以前から問題になっているようです。2008年発行の「シチリアへ行きたい」p51(小森谷慶子、小森谷賢二著)によればディオクレティアヌス帝との共同統治者であったマクシミアヌス帝(285~305)ではないかと推定されたが、確証はなく異説もある、と紹介しています。ところが2009年発行の同じ小森谷氏の「シチリア歴史紀行」p102によればかなりマクシミアヌス帝説が有力になってきていると紹介しています。それは5人の像が描かれているこのモザイク像です。現在この5人の人々が誰であるかほぼ明らかになり、特に中央から右の少年がマクシミアヌス帝の息子マクセンティウスであることが此のモザイク人物の片目に斜視を表す三角のモザイクがはめられていることで分かったと説明しています。なお 私が見ても、この写真でもこの少年の眼に三角のモザイクがはめられていることはわかりませんでした。
また現地ガイド・ジュゼッピーナさんはこの説を否定していました。
ちなみに、「地球の歩き方」は「ローマ時代の貴族の別荘」とし、日本語版ロンリープラネットはマクシミアヌス帝説を採用しています。