さて土産物屋さんの売り子がなぜGlorious Revolutionという単語を知らないのかの疑問氷解は簡単でした。書店で歴史の教科書、学習書を探しました。副産物はイギリスの書店ではmilitary historyというコーナーが必ずあることでした。さて11歳から14歳が対象の歴史学習書を見つけ購入しました。帰国後読んでみるとGlorious Revolution という単語は見つかりませんでした。勿論1688年の革命の記述はあります。UK(日本語のイギリス人)の人には一般常識としてGlorious Revolutionという単語は不要なのです。
名誉革命の名前がないのは学習参考書だけではありません。イギリスの著名な歴史家Trevelyanも名誉革命という用語は使用していません。手元にある「イングランド革命」(みすず書房、原題The English Revolution 1688~1689)という本は1688年の革命を対象としたものですが、名誉革命という用語は使用していません。この本の訳者松村赳氏が「凡例」で「この革命は一般には『名誉革命』の名で知られており、本訳書名も当初は『名誉革命』にするつもりであったが、みすず書房編集部より、原名通りにしてはどうか、との意見が出され、訳者としても再考の末共感するところがあり、原名のようにした。また、原文では、イギリスの一般の例に従って、この革命のことは単にthe Revolution*****と書かれており、ことさら『名誉』という表記は用いられていない***」と記されています。
写真はイギリスで購入した「歴史学習書」です。