マリ共和国は1960年フランスから独立しました。そのとき奴隷制廃止が決まりました。世界最後の奴隷制廃止です。
トンブクトゥの街中を観光している時、添乗員の本橋さんはここが昔奴隷だったベラ人の居住地だと案内してくれました。
ところが帰国してまもなく「環境と文明の世界史」(p155)という本を見てびっくりしました。「今でも奴隷制度が残っているのは北アフリカのトゥアレグ族ですよ。アムネスティ・インターナショナルが再三非難していますが、周辺の黒人種族を奴隷にして今もこき使っています」
ウイキペディア(英語版)でも奴隷のいう名前は別として現実はそのまま奴隷が存続しているとしています。
トンブクトゥの自由時間でぶらぶらしている時1人の少年に出会いました。前述のトゥアレグ人の少年以上に片言の英語(というよりは殆ど通じない)でなんとなく会話をしていると物をねだる様子もなく家に来いというのでついていきました。何人かと尋ねても返事はありませんでした。家の中には何もなくなぜかヒチリンに火がありお湯が沸いていました。母親は病気らしく寝ていました。別れるときポツリと「ベラ人」だといいました。要求されませんでしたが、幾ばくかのお金を別れる時に渡しました。何人か?と聞いたこと、お金を渡したことが、良かったことかどうか、いまだに良く判りません。残念ながら彼の写真がありません。写真は彼の家です。