スース7
サンドイッチ屋でチャパティサンドというのを注文して、近くのベンチに座って食べる。
道行く人を眺めながら食べるのも楽しい。
白人の親子が通りかかる。
5歳位の娘がマントを纏ってうずくまっている老人にお金を渡して親の元へ駆け戻る。
ふと「マダム、マッダーム」と離れたベンチから少年達がこちらを見て声をかけていたのに気づく。
全体的に身なりが汚い。
「ん?」と首を傾げてみると、食べかけのサンドイッチを指して食べるジェスチャーをする。
おいでと言うと3人でこそこそと何やら話している。
シャイなのかしらん。英語がわからかったのかも。
また食べ始めると「マッダーム」とまた3人で目をクリクリさせてこちらを見ている。
今度はおいでと手で手招きすると、そのうちの一人が私のベンチまでやってきた。
愛くるしい顔立ちの美少年。「おなかすいてるの?」黙っている。やっぱり英語はNGらしい。
彼の着ているスウェットシャツは薄汚れて穴も開いている。
これ?とサンドイッチを指すと「ウィ(イエス)」と言うので、財布から1D(100円弱)を出して渡す。
食べてるサンドイッチが1Dだったから。
少年は受け取るが早いが、すごい勢いで仲間とどこかへ消えていった。
食べ終わって、白人親子が喜捨していた老人に自分も小銭を渡してその場を離れた。
露店の店じまいの頃、広場に出向く。
「今日はお客だよ。サハラ沙漠用にサングラスを買うよ。」「あ、そう。好きなの取っていいよ。」
「じゃこれ。いくら?」「・・・20D!」
「いいよ。言い値で買う。」「冗談に決まってるだろ。お金は要らない。払ったら口もうきかない。」
数日間面倒を見てもらったお礼に買いたかったのに、結局代金は受け取ってくれなかった。
やっぱり九州男児だなぁ。
店をたたむのを手伝う。
彼は寝不足で早く帰りたいと言ってたのに「よければ食事付き合うよ。」と気を使ってくれる。
「いや大丈夫、さっき食べたし。」
ホテルへ送ってもらう途中、彼が2D(200円弱)をくれた。
「なにこれ?」
「夜おなかすくでしょ。これでサンドイッチくらい買えるから。」
ええっ。君は本当にアラブ人なのか?
たかられたりぼったくられたりはあるけど、彼らから施しを受けようとは(笑)
これだけは固辞して、受け取らない彼のポケットに無理やり押し込んだ。
「色々ありがとう」と、ホテルの前で別れた。
写真はベンチで食べたサンドイッチです。卵やツナ、チーズ、唐辛子ペーストなどを好みで挟んでもらいます。
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