採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

台湾の里芋(芋頭)

2011-12-14 | +その他

春先、知り合いから里芋の種芋を少しもらいました。
「台湾の里芋らしいのよ」
とのこと。
しなびたような感じでちんちくりんの、瀕死の種芋。
芽が出るかかなりアヤシイ感じでしたが、一応植え付けてみました。
すると何だか芽が!

そして今年の夏の暑さにも負けず(さすが南国生まれ)、スクスク育ってます。
特にはじっこの2株が、えらく大きくなっています。
んー、ここだけ肥料が偏っていたかな?日当たり?まあいいけど。

立派な株の写真を撮りそびれているうちに、寒さで地上部は溶けてしまいましたが、お芋部分はそろそろ食べごろのはずよね。



育ちの悪かった株から片づてしまおうと掘ってみると、台湾でよく見かけた芋頭の形。
日本でいうタケノコ芋、もしくは京芋、というのかな、親芋が大きくなり、そこを食べるタイプの里芋です。

蒸かすと薄紫色になるはず。

わくわく!
あれれれれ?
紫じゃないじゃん!
なんだか黄色いです。(写真より実物のほうがさらに黄色い)

あの紫の品種じゃないのか。
全ての芋頭製品のテーマカラーが薄紫のため、紫にならない芋頭があるなんて、考えてもみませんでした。
まー、びっくり。





色にはちょっとがっかりでしたが、味は、極めてほくほくしてねっとり感はごく少なく、とっても美味しいです。
やはり京芋や八つ頭の系統に近いような気がします。

素揚げもしてみましたが、モコモコのパサパサになってむしろ食べづらいほど。
蒸かすのが一番かも。
コロッケにしても美味しそうだな、何にしようかな、と考えながら、蒸かしただけで食べてしまいました。
ほこほこ感とほんのりした里芋の香りが美味しいです。



親芋を食べるタイプの里芋は、同時に植えた八名丸芋(やなまるいも)に比べ、食べるところが少ない気がします。
八名丸芋は、1株掘ると、親芋の何倍もの子芋が採れて食べきれないほどですが、これは、小さな親芋が数個とれるだけ。
あっという間に1株分のお芋が片付いてしまいます。
特に大きく育った株を楽しみにとっておいて、あとの小さいのは食べてしまおうかな。

畑作業の中では掘る仕事は結構好き。
地中から何か出てくるのを見るのは、宝探しみたいで面白いです。
どんどん掘っちゃえ!

あらかた片付いて、本命の巨大な株。
きっと立派な親芋が育っているはず!

ざっくし!


ありゃ?
何か色が違うし形も違う!?

2011/12/09赤芽芋 洗ってみると、明らかに違うお芋。

あれまびっくり。

お芋はずんぐりしていて、芽が赤いのが特徴的です。
地上部の茂り方がだいぶ違うなーと思ってはいたもののまさか品種が違ってたなんて・・・。

皮を剥いてダシで煮てみましたが、煮崩れない程度にホクホク感が強く、里芋特有の香りというかアクっぽさは上のお芋より強い気がしました。
いい香りで美味しいです。


こうやって洗ってよく見ると、茎のつけ根の色も随分違って見えます。
最初のお芋は緑色(剥いたので写真では白ですが)、こちらは赤みがかっています。
地上部を見て気づけよ、って感じですが、何しろ植えたときは、全部同じ品種だと根拠もなく思い込んでいたのでろくに観察しませんでした。
(思いこみ・・。そういえばショウガだと思い込んでミョウガを掘り取ってしまったこともありました・・・)


それにしても、2種類あったのに、どちらもあの有名な紫色っぽくなる芋頭とは違ったとは。

台湾の里芋って一種類じゃなかったのね・・・・。
よく考えたら、日本にも何種類もの里芋があるように、当然生育適地の台湾にも色々あるはずよね・・・。

という訳で、調べてみました。
いくつかサイトをあたりましたが、どれもソースは一緒みたい。食用のもので7種ほどあるようです。
中国語だけれど、繁体字なのでなんとなーく意味が分かります。
気合いで訳してみましたよ。

(↓中国語出来る方、是非添削お願いします!)

1.檳榔心芋
為本省栽培歷史最久且最普遍的品種,母芋呈紡錘型, 表皮棕褐色,肉白色,散佈紫紅筋絲,形狀似成熟的檳榔種子,球 莖重 400~800 公克,肉質較疏鬆,粉質且香氣濃厚,味道鮮美, 分球較少,有較長的走莖,適水旱田栽培。
台湾で最も長く、かつ広く栽培されている品種。親芋は紡錘形。表皮は茶褐色。肉は白地で紫紅色の糸模様が散らばっていて、成熟した檳榔の種子に似ている(?)。
親芋重量は400-800g。肉質はほろほろとほぐれやすい紛質で、香りが高く味がよい。
分球は比較的少なく、比較的長い茎?(走莖)を持ち、水田・畑双方?(水旱田)での栽培に適する。

2.高雄一號
為本場於檳榔心芋系統群中選出,民國 78年命名推廣 。本品種性狀近似檳榔心芋,其植株高大,較檳榔心芋高出 8~10 公分,葉色亦較濃,母芋重量比檳榔心芋重約 40~50 公克,肉 質較細黏,平均每株蘗(分球)數亦比檳榔心芋少,耐濕性強,甚 適水旱田栽培,耐軟腐病,平均產量比檳榔心芋產 10~12%。
檳榔心芋の系統から選抜された品種で、1989年に命名された。
檳榔心芋に似た特性を持つが、これに比べ、株高が8-10cm程度高くなり、葉の色がより濃く、親芋は40-50g程度大きく、分球は少ない。肉質は檳榔心芋より細かく粘りけがある。
耐湿性が強く、水田・畑双方?(水旱田)での栽培に適し、軟腐苗にかかりにくい。檳榔心芋より10-12%収量が多くなる。

3.高雄三號
植株約150cm,適合水田裁培,葉柄的顏色較淺,葉片濃,葉面軸有紫斑,母芋大而子芋較小,且母芋和子芋不容易分離,品質好、肉質粉鬆,但是不耐儲存,也是高雄區農業改良場選出的品系。
株の高さ150cmで、水田での栽培に適する。葉柄の色は比較的薄く、葉は濃緑色。葉脈には紫黒色の斑が入る。
親芋は大きく、小芋は比較的小さく、親芋と小芋は分離しづらい。品質は良く、肉は紛質でほろほろしている(鬆)。ただし保存性が悪い。高雄区農業改良場の選抜品種。

4.麵芋
母芋型大,表皮裉色,肉白色帶黃筋絲,質細富黏性,煮 熟似麵質而名麵芋,風味佳,分球較少,短圓筒形或呈長形,葉片 與葉柄色澤較淺色,耐旱性強,耐濕性較弱。
親芋は大きく表皮は黒っぽい。肉は白に黄色の筋が入る。肉質は細かく粘性に富み、加熱すると麺のように(もちもちに)?小麦粉のように?(麺質)なるので「麺芋」という。風味はよく、分球は比較的少なく、短円筒形あるいは細長くなる。葉と葉柄の色は比較的薄い緑色。乾燥に強く耐湿性は弱い。

5.紅梗芋
葉柄淺紫色,葉片大,深色,葉胍呈暗紫色,球莖呈 紡錘型,頂芽淡紅色,肉質白色帶黃筋絲,球莖品質中等,耐濕性 強,適水旱田栽培。
葉柄は薄い紫黒色で葉は大きく濃い緑色。葉脈は暗紫色。芋は防水型で頂芽は淡紅色。
肉質はに黄色の筋が入る。
芋の品質は中程度。耐湿性は強く、水田・畑双方?(水旱田)での栽培に適する。

6.狗蹄芋
母芋略小,子芋較多,芋形扁圓,連結成塊狀,母子芋難 以分離,分球性強,株高較矮,葉柄細,葉片薄,淡色,球莖肉 質柔滑而味淡,適旱田栽培。
親芋はやや小さく、小芋は比較的多くつき、芋の形は扁平な休憩で、いくつも連なって塊状になる。親芋と小芋の分離はしにくい。分球性は強く、株高は比較的小さめ、葉柄は細く葉は肉薄で淡緑色。
芋の肉質は、なめらかで淡白。畑での栽培に適する。

7.赤芽芋
葉片深色,葉柄深帶褐色,芽呈淡紅色,分球數較狗 蹄芋少,母子芋易分離,芋近錐形,子芋呈卵形,品味帶粉質,耐旱性強。
葉は深緑色、葉柄は褐色を帯びた深緑色。芽の部分は淡紅色を呈し、分球数は狗蹄芋よりは少なく、親芋と小芋は分離しにくい。親芋は円錐形に近い形で、小芋は卵形。肉質はやや紛質。耐干性が強い。

8.姑婆芋
野外常見的植物,葉型大,終年常,以地下莖來繁植。因為外型美觀,所以是受人歡迎的觀賞用植物。但是,全株都有毒,不可誤食。
野外でよく見かけられる植物。葉は大きく常緑。地下茎で繁殖する。外観がよいため観賞用として植えられることもある。ただし植物体全体が有毒であり食用には出来ない。


ふむふむ。
これを見ると、芽が赤かった方は「赤芽芋」ではないかと思います。「紅梗芋」も芋の芽が赤いようですが、こちらは葉柄や葉脈が紫色がかっているはずなので、いくら目が雑な私でも気づくはず。

もう一種類の、とてもホクホクな方はどれだろう?
芋の肉色が黄色、という情報が書いてあるのは麺芋だけ。
(高雄一号、高雄三号には肉色の記載はなし)
けれど、「煮ると麺質になる」という意味がよく分からない。
中国語の麺には、(1)小麦粉(2)粉末(3)麺類という意味があるようです。
どの意味だろう? 

粉っぽい、という意味だったら該当するかもしれないけれど、高雄三号のところには「肉質粉鬆」という記述があり、こちらの「粉」が粉質という意味だとすると、麺芋の麺は、麺類の麺?
うどんやすいとんのようにもちもちってこと?
このお芋は、もちもちとは全然違うけど・・・・。

謎は深まるばかり・・・。



■参考情報
(1)台湾の芋頭品種(中国語(繁))


(2)檳榔心芋の外観・芋・断面など写真多数(中国語(繁))
台湾の苗栗県農協の檳榔心芋サイトと思われます

コメント (2)
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