採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

市木オレンジ いちぎおれんじ (スプーンオレンジ)

2014-03-06 | +フルーツ

お友達から「市木オレンジ」という珍しい柑橘を頂きました。
三重県御浜町(みはまちょう)の下市木(しもいちぎ)地区を中心に、50年以上前から栽培されている柑橘です。

そもそもは、福岡市在住の小林さんという方が、夏みかんの木に温州ミカンを接ぎ木したのだとか。
接ぎ木部が折れ、そこから発生した枝に出来たのが、この市木オレンジ。
当時は小林みかんと呼ばれており、紀州地域に広まったのだそうです。
(この小林さんのお庭には、モロー博士の島のようにきっと不思議なキメラ果樹が色々あったのでは・・・。想像するとワクワクします)
 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

「市木オレンジ」は、サイズや外見は夏みかん的ですが、果肉はみかんのようなオレンジ色。
とてもジューシーで皮を剥くと手がべたべたになるため、最近では横半割にして、グレープフルーツのようにスプーンで食べることをお勧めしているそうです。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

出荷時期は、1月~2月頃。出荷量は350kgとごくわずかだそうです。
まさに、知る人ぞ知る柑橘です。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

説明パンフレットに加え、ギザギザスプーンもつけて下さっていました。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

丁度、頂き物の夏みかんと甘夏もあるので、3つを比較してみましょう。

左から夏みかん、甘夏、市木オレンジ。表皮の色や凸凹感はかなり似ています。 心なしか市木オレンジが滑らかですが、栽培環境にもよるかもしれません。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

真ん中の甘夏はヘタがだいぶ盛り上がってる形状ですが、この個体がやや特別で、扁平なのが普通だと思います。 
これらがよそのお庭に実っていたら、私には判別は難しいです。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

切ってみると、おおっと
全然違います。
市木オレンジは、まさにオレンジ色。
そして夏みかんと甘夏も全然違います。
これまで見比べたことがなく、同じようなものかと思っていましたが、夏みかんは黄色いのですね。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

市木オレンジは、食べてみると強い酸味は全然なく、ツブツブはこわれやすくて大変ジューシー。
伊予柑より更にジューシーです。
何に似ているかというと・・・そう、みかん! ミカンを接ぎ木しただけあって、皮だけは夏みかん的ですが、味はほぼミカンなのです。
ツブツブが柔らかいので、スプーンで簡単にすくえます。
 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

甘夏は薄いオレンジ色。
ツブツブはこの3種の中で一番頑丈です。
味は酸味が強めですが、このままでも食べられる甘酸っぱさです。
夏みかんの枝代わりとして生まれた品種だそうです。 

市木オレンジ・甘夏・夏みかん

夏みかんは、写真では甘夏に似た色ですが、明らかに黄色っぽい色でした。
ツブツブは甘夏よりは柔らかめで、切ると滴が垂れそうなジューシーさ(個体差もあるかも)。
そして味は、酸っぱい柑橘好きの私でも、そのまま食べるのはキビシイくらい酸っぱいです。
ママレードを作りましたが、夏みかん果肉を使う場合は、レモン汁は不要でした。 

 
外見が似通っているのに、こんなに違うなんて面白いです。
楽しい撮影会になりました。
ミカンを下さったお友達のおかげです。
Yさん、Sさん、Mさん、ありがとうございました!!


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■参考情報

(1)市木オレンジについて

(2)市木オレンジをスプーンで食べている様子

コメント
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