お友達から「市木オレンジ」という珍しい柑橘を頂きました。
三重県御浜町(みはまちょう)の下市木(しもいちぎ)地区を中心に、50年以上前から栽培されている柑橘です。
そもそもは、福岡市在住の小林さんという方が、夏みかんの木に温州ミカンを接ぎ木したのだとか。
接ぎ木部が折れ、そこから発生した枝に出来たのが、この市木オレンジ。
当時は小林みかんと呼ばれており、紀州地域に広まったのだそうです。
(この小林さんのお庭には、モロー博士の島のようにきっと不思議なキメラ果樹が色々あったのでは・・・。想像するとワクワクします)
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「市木オレンジ」は、サイズや外見は夏みかん的ですが、果肉はみかんのようなオレンジ色。 とてもジューシーで皮を剥くと手がべたべたになるため、最近では横半割にして、グレープフルーツのようにスプーンで食べることをお勧めしているそうです。
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出荷時期は、1月~2月頃。出荷量は350kgとごくわずかだそうです。 まさに、知る人ぞ知る柑橘です。
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説明パンフレットに加え、ギザギザスプーンもつけて下さっていました。
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丁度、頂き物の夏みかんと甘夏もあるので、3つを比較してみましょう。
左から夏みかん、甘夏、市木オレンジ。表皮の色や凸凹感はかなり似ています。 心なしか市木オレンジが滑らかですが、栽培環境にもよるかもしれません。
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真ん中の甘夏はヘタがだいぶ盛り上がってる形状ですが、この個体がやや特別で、扁平なのが普通だと思います。 これらがよそのお庭に実っていたら、私には判別は難しいです。
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切ってみると、おおっと! 全然違います。 市木オレンジは、まさにオレンジ色。 そして夏みかんと甘夏も全然違います。 これまで見比べたことがなく、同じようなものかと思っていましたが、夏みかんは黄色いのですね。
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市木オレンジは、食べてみると強い酸味は全然なく、ツブツブはこわれやすくて大変ジューシー。 伊予柑より更にジューシーです。 何に似ているかというと・・・そう、みかん! ミカンを接ぎ木しただけあって、皮だけは夏みかん的ですが、味はほぼミカンなのです。 ツブツブが柔らかいので、スプーンで簡単にすくえます。
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甘夏は薄いオレンジ色。 ツブツブはこの3種の中で一番頑丈です。 味は酸味が強めですが、このままでも食べられる甘酸っぱさです。 夏みかんの枝代わりとして生まれた品種だそうです。
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夏みかんは、写真では甘夏に似た色ですが、明らかに黄色っぽい色でした。 ツブツブは甘夏よりは柔らかめで、切ると滴が垂れそうなジューシーさ(個体差もあるかも)。 そして味は、酸っぱい柑橘好きの私でも、そのまま食べるのはキビシイくらい酸っぱいです。 ママレードを作りましたが、夏みかん果肉を使う場合は、レモン汁は不要でした。
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外見が似通っているのに、こんなに違うなんて面白いです。
楽しい撮影会になりました。
ミカンを下さったお友達のおかげです。
Yさん、Sさん、Mさん、ありがとうございました!!
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■参考情報
(1)市木オレンジについて
(2)市木オレンジをスプーンで食べている様子