花より断然興奮するのは果樹。
住宅地レベルで見られる果樹が、日本とは全然違います。
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この細長い葉っぱは、マンゴー。 お友達のお友達の別荘(台南市内)ですが、広いお庭をマンゴー園にしています。 よくよく見ると葉っぱの形が違うものがあり、いくつかの品種を植えているようです。
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こちらがマンゴーの花房。 花は沢山、総状につく模様ですが、自然落果してどんどん減ります。 でもって、美味しく大きく育てるため、更に実を減らして、軸ひとつに実1~2個にまでするそうです。
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こちらが自然落下したもの。 落ちたもののうち大きなものは、スライスして塩もみして、お漬物的なものを作ったりするようです。
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幹に直接花がついているこれは、ご存じでしょうか。 台湾では比較的新顔のフルーツで、ジャボチカバ。あちらでは樹葡萄と呼ばれています。 数年前から苗木が買えるようになったとかで、庭先に植えられていました。これは4-5年経過したもの。 (そろそろ本格的に実をつける時期)
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これは別の方のジャボチカバ。緑色の実が見えますよね。 ものすごく鳥に狙われるようで、ネットやヒラヒラで対策してあります。 この固そうな緑色の実は、たったの4-5日で熟すのだそうです。
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我々が滞在中に熟してきたとのことで、貴重な収穫を頂いてしまいました。 左が、鳥除けのヒラヒラをつけていた方のもの。とても丁寧に、肥料などもしっかりやって育てたとのころで、大粒です! 何より違うのが、皮の味。 この大粒の方は、皮を噛みしめても渋くなくて、ほんのり酸味があって、果肉と一緒に食べてしまえます。 右側の方は、皮を噛むと渋さがあるので、最終的には口から吐き出す感じになります。 (2018年に台南で売っているものを食べたことがありますが、皮はやはり渋かった)
中には白くてやわらかい果肉があって、果肉が繊維状にくっついているタネが1-2個。 白い果肉は甘酸っぱくて美味しいです。
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お友達の右側のとても大きな木は、果樹です。 緑地帯のようなところの、野良。
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薄い赤い実が見えるでしょうか。 あとその手前に、小さな薄緑の実と、左端には花も。
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これは蓮霧(レンブ)の木。 一個だけ落っこちている実をみつけましたが、とても小さいです。 フルーツとして売られているものは、もっと大きいです。やはり栽培ものはそれ相応の手間をかけているのですね。(あと、小さく仕立てる工夫もしてあるはず。この大木では収穫が大変すぎる) ちなみに、この落ちてる実に少し歯を立ててみましたが(お友達ご夫妻には「あああっ、ダメダメっ」とたしなめられましたが)、渋さなどはなく、割と食べられそう。 台湾で採集生活をするならば、この木の下をパトロールするな、きっと。
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バナナ。 バナナは、まず最初に球根のようなものを植え、一株が大きくなって実をつけたら、○段の実を残して先端はカット(数字を聞いたのですが忘れてしまいました)。 で、青いうちに収穫し、段ボールなどに入れて半密封状態で追熟させます。 収穫後の株は伐採(カッターナイフで切れるほどの柔らかさだとか。草本ですものね)。 そしてその根からまた芽が出るのだそうです(数本芽が出た場合は1本に絞り込む)。
台南には、野良っぽいバナナが結構あちこちにあります。 最初は誰かが1株植えたようなものが、管理不行き届き(のような感じ)でもっさりした群落になっています。 管理されていない(ように見える)野良バナナは、誰かが収穫しているのかしら。 すごく気になる・・・。 やっぱり味が劣るのかもしれないけれど、食べられない程ではないよね・・??
東南アジアではバナナの花も食べるようですが、野良バナナからそれを採集しちゃってる人はいないのかなあ。実は味がイマイチだとしても、花ならば野良でもそこそこでは・・・。 (最近、台湾にも東南アジアからの労働者や花嫁さんが増えているようなので、もしかしたら彼らも気になって見ているかも)
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最後のこれは、果樹ではないのですが、とても香りのいい木。 奇数羽状複葉のこれは、「乳香」の一種だということです。 (Wikiで見てみましたが、オマーン、イエメン(アラビア半島南部)のいわゆる乳香とは同じではなさそうですが)
葉っぱを千切ると、瞬間的にいい香りが漂います。
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そして、木の幹から分泌されるネバネバしたこの白い樹液が、とてもいい香り(この香りは持続性)。 人工的に傷つけてそれなりの分量を採集し、蒸留してフレグランスウォーターを作ったら面白そうです。 (乾くと固くなるとは思いますが、今回はそういうカケラはみあたりませんでした)
この木は鳥が殖やすようで、あちこちから勝手に生えているのだそうです。 中近東の乳香の木は「栽培して増やすことが困難」だそうですが、台湾版乳香は育ちやすいようです。
鳥が好きという実は、どんな実なのでしょうね・・・。 (香りはどんな・・・)
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■参考情報
台湾ニ生育スベキ熱帯林木調査 薬木,香木類ノ2 東京帝国大学農学部附属演習林 編(1927/昭和2)
カタログ情報 web閲覧
台湾が日本領だったとき、熱帯農林業の発展のために調査した報告書かなと思います。
(当時)台湾に生えているもの、ではなく、台湾で育てられそうな香木、ということになります。
乳香の項目はあるのですが、数品種あって、今回見つけたものがどれかに該当するのかは分かりませんでした。
気候が似ているインド原産のものがそうかな?と思いましたが、インドでも乾燥地に生息している模様。アラビアのものも乾燥地ですし、どれも乾燥地に育つもののようです。
それにしても、香木には詳しくないけど少しくらい知っている木はあるかな、と思いましたが、34種掲載されているうち、聞いたことがあるのは7-8種類くらいで(白檀、沈香、乳香、没薬、丁字、八角、杏仁)、全く聞いたこともない樹種がどっさりです(しわう、すちっくらっく、きりんけつ、かすからさぐらだ、などなど)。今度時間があるときに読み直そう・・。
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