メリル・リンチのイエスパー・コール主任エコノミストの演題「激動する世界の中の日本」を聞いた。世界経済については、(1)冷戦終結で世界の資源に余裕(2)財・サービス取引が世界中で活発化(3)第3次産業革命により、世界的なサプライサイド経済が復活したとして、需要曲線はそのままで供給曲線が右方向に移動するので過当競争と価格下落傾向を予想している。
また、日本経済については、世界に冠たる工業製品の品質とブランド力は益々研ぎ澄まされていて世界の追随を許さず、世界ブームを牽引している中国に対しても輸出超過を継続しており、そのほか、構造改革の進行、バランスシート不況の克服とリストラの成功、利益回復の裾野の拡大、労働コストの削減、設備投資の増加等々、Japan is back. 日本の未来は明るい、と言う。
株については、持合解消等によりPERやPBRが米国並み、即ち、自由市場が働く世界水準の普通の国になったので、世界経済の拡大によりアウトパーフォームし13000円に近づく。現実にも割安なので、世界の投資家に対して日本株へは強気の勧誘をするのだと言う。ドルについては、双子の赤字の悪化により低落傾向を予想する。
メリル・リンチのスタッフである立場上もあって、多少割り引いて聞くとしても、案外的を得た経済予想かもしれないと思って聞いていた。しかし、問題は、大きな経済社会の構造変化の中で、これまでの経済観測では、或いは、その価値観では全く予想がつかないことではなかろうか。
冷戦の終結で、30億人以上の人間が自由市場に参入し、IT革命による生産性の向上により世界全体にデフレ傾向がビルトインされ、先進国では人口の減少により、今の日本の様に、名目GNPの増加による好況感は期待できなくなる。しかし、過当競争により、益々、イノベーションの進行が促進され経済社会構造が大きく変質する。何が人間にとって幸せか、根本的に変わってくる。
また、日本経済については、世界に冠たる工業製品の品質とブランド力は益々研ぎ澄まされていて世界の追随を許さず、世界ブームを牽引している中国に対しても輸出超過を継続しており、そのほか、構造改革の進行、バランスシート不況の克服とリストラの成功、利益回復の裾野の拡大、労働コストの削減、設備投資の増加等々、Japan is back. 日本の未来は明るい、と言う。
株については、持合解消等によりPERやPBRが米国並み、即ち、自由市場が働く世界水準の普通の国になったので、世界経済の拡大によりアウトパーフォームし13000円に近づく。現実にも割安なので、世界の投資家に対して日本株へは強気の勧誘をするのだと言う。ドルについては、双子の赤字の悪化により低落傾向を予想する。
メリル・リンチのスタッフである立場上もあって、多少割り引いて聞くとしても、案外的を得た経済予想かもしれないと思って聞いていた。しかし、問題は、大きな経済社会の構造変化の中で、これまでの経済観測では、或いは、その価値観では全く予想がつかないことではなかろうか。
冷戦の終結で、30億人以上の人間が自由市場に参入し、IT革命による生産性の向上により世界全体にデフレ傾向がビルトインされ、先進国では人口の減少により、今の日本の様に、名目GNPの増加による好況感は期待できなくなる。しかし、過当競争により、益々、イノベーションの進行が促進され経済社会構造が大きく変質する。何が人間にとって幸せか、根本的に変わってくる。