熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

アメリカン・ビーフ――米国牛肉輸入再開に思う

2005年03月14日 | 政治・経済・社会
   米国牛肉の輸入再開問題について、また騒がしくなってきた。ブッシュ大統領自ら小泉首相に電話で要請し、米議会でも強硬論が一段と高まり報復措置発動を求める決議案を上院に提出するとか。ライス国務長官も来日時に強行に輸入再開を求める模様だと言う。
   狂牛病騒ぎの真っ最中にイギリスに滞在し、チェルノブイリ原発事故のときオランダに居た私にとっては、どうでも良い話で、兎に角、政争の具にされてしまって、消費者の視点からの発想は全く無視されているとしか思えない。狂牛病にかかるのは、1億円の宝くじに当たるより確率が低いし、それより、食品や衛生・安全等に対する厚生労働省や農水省の無為無策や無責任行政の罪の方が大きい。
   アメリカン ビーフは、吉野家の牛丼だけではない。日本人には、神戸や松坂等の和牛の方が上等で、輸入牛肉の方が質が低いと思われているが、それは、全くの偏見で、場合によっては、アメリカやヨーロッパのビーフの方が遥かに美味くて上等である。狂牛病最中に、せっせと、英国や欧州のレストランに通ってビーフ料理を賞味し続けていたが、スコッチ・ビーフ、あのアンガス牛のステーキやロースト・ビーフの美味さは格別である。
   昨年、アメリカの東部海岸都市を旅行したときに、どうしてもビーフ・ステーキを食べたいと思っていたが、殆ど毎晩オペラ等の鑑賞で夕食時間が取れず、たった1夜だけ、ボストンで楽しむ機会があった。ランガムホテルの優しくてチャーミングなコンシェルジェが教えてくれたファニュエル・ホール広場にあるビーフ専門店「プラザⅢ」に出かけた。雰囲気のあるレストランで、久しぶりにアメリカンとヨーロピアン・テイストがミックスしたような雰囲気の中で、素晴らしいアメリカン・ビーフを堪能させて貰った。アメリカの牛肉の素晴らしさを知ったのは、もう何十年も前、サンフランシスコの郊外の素晴らしいレストランであった。
   それから、色々な所で素晴らしいビーフを頂いてきた。確かに、和牛の素晴らしさも格別ではあるが、元々、外国の食品で、日本に牛肉が根付いたのは、ごく最近のこと、まだ、150年の歴史しかない。牛肉をここまで素晴らしい料理に仕立て上げた日本人、たった何十年かの間に、低品質の米国牛肉を国民食に仕上げた吉野家も素晴らしいが、折角のアメリカン・ビーフ、拒否し続けることもないと思うが如何であろうか。
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