熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

曙椿が花を開いた・・・ヒヨドリの挨拶

2006年03月02日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   少し暖かくなった所為か、我が庭にも変化が出て来た。
   地植えのクロッカスがあっちこっちで咲き始めて、春の球根や多年草が一斉に芽を伸ばし始めた。

   静かに寒さに耐えて眠っていた椿が動き始めた。
   秋に咲きはじめた紅妙蓮寺など今を盛りに咲き誇っているし、しっかりと蕾を抱え込んで休止していた西王母が、再び優雅なピンクに色付き始めた。凛とした美しい赤西王母は、まだ、蕾が固い。
   太郎冠者が開き始めて、相模ワビスケ、一子ワビスケ等侘助椿は今花盛り、地面に落ち椿を敷き詰めている。

   朝早く庭を見ると、曙椿の最初の花が開き始めて、豊かな大きな黄色い蘂が見えていた。
   早速、大きなヒヨドリが蜜を求めて飛んできて、不器用に花をつつき始めた。
   先日は大きな真っ赤なアオキの実を銜えていたヒヨドリだが、大きくて強い鳥なので雀など小鳥が寄り付かないから、我が物顔に庭を占領している。
   このヒヨドリ、熱帯鳥だと言うのだが日本に住み着いていて、秋にはピラカンサなどの実を啄ばみ、春には桜の花を突付いていて、至る所で見かける非常にポピュラーな鳥である。
   耳の後が茶色なので、英語ではBrown-eared Bulbulと言うが、日本では、ヒーヨヒーヨと鳴くのでヒヨドリと言うらしい。

   曙椿だが、同時に咲き始めた真っ白で蘂の大きい賀茂本阿弥も、ともに晩秋に咲く椿だが、今年は遅い。
   大輪で、曙のピンク、賀茂本本阿弥の白いボールのような蕾が、茶花として喜ばれている。
   武士は花弁が落ちる様が首が落ちる連想を伴うので椿を嫌ったと言うが、やはり、武士ならずとも、立派に咲いた大輪がぽとりと落ちる時は、あまり良い気持ちはしない。
   もっとも、椿も色々で、ワビスケ等は真っ盛りでも花が落ちるし、紅妙蓮寺のように、まず、花が萎れ始めてから落ちるのもあり、山茶花のように、ぱらぱら花が落ちる椿もあり、まちまちであるが、立派に咲いた素晴しい花弁が、美しいままぽとりと落ちるとやはり無常を感じる。
   肥後の殿様など門外不出で新種を育成したと言うが、椿は日本の誇る花、育種家や趣味人は、金に糸目をつけずに名花を求めたと言う。
   オランダのチューリップの様にバブルを引き起こさなかったのは、愛好家が限られていた所為であろうか。

   硬かった蕾が緩んできて少し色付き始めたので、月末頃には、桜と競争で、椿が一斉に咲き乱れるであろう。もう、春が駆け足でそこまで来ている。
コメント (1)
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