今朝、見るとはなしに報道2001を見ていたら、最後に米国牛肉の輸入解禁について中川農水相がアメリカの顛末報告書について語っていた。
検査担当者も輸出業者も日本への輸出条件を良く知らなかったと言う無責任な報告だと黒沼キャスターは言っていたが、確かに日本の発想から行けば、この報告や満を持した筈の輸出再開でミスをするなど有り得ないし有ってはならないのだが、ここには、根本的な発想の差、すれ違いがある。
まず、発想の違いについて考えて見たい。
欧米、特にアメリカの社会は、極めて厳しい法体系が存在するが、行為は自分自身の自由に任されていて、一度法を犯せば徹底的に社会の鉄槌を受ける。
個人主義の徹底と言うのは、自由と裏腹に、自己責任の厳格な執行が前提となっていて、それに反した行為を社会は許さない。
法体系もそうだが、社会生活を律するヒトの行いの根幹を成す重要な要素の一つは、公正(Fair)かどうかと言うこと、そしてモラルの尊重である。
簡単な例を上げたい。
イギリスは一寸事情が違うが、ヨーロッパでは、鉄道の場合駅には改札がないし、バスや路面電車でも車掌などは居ない。
たまに検札が回ってくるくらいで、タダ乗りをしようと思えば、いくらでも出来るが、見つかるとペナルティはキツイ。完全に、乗客の善意とモラルを信用した社会である。
ところが、日本では、徹底的な出札システムを引いているが、裏をかく乗客がいるし、調べてみれば、キセルをするのは週末ゴルフに行く通勤客が一番多かったと昔聞いたことがある。
見つからなければ、やり得だと言う発想である。
法体系が緩くて、見つからなければ良いと言う発想が、もう少し悪くなって、罰則がないか緩くてやり得だと言う発想が、堂々とまかり通っているのが、NHK視聴料や国民年金掛金の不払いである。
NHKの場合などは、経営やモラルがけしからんと言って払わないとする人が居るが、大半は便乗不払いで、公正かどうかと言う発想がまず欠如している。
イギリスでは、BBCの場合、確か年初に全家庭が一括払いすることになっていて、見つかって不払いであれば、厳しく罰せられる。
オランダでは、ケーブルTVで見ていたのでよく分からないが、いずれにしろ、視聴料を払わなければTVを見られないことは事実である。
WOWWOWやスカパーのように課金制度にすれば良いのに、公共放送だからと言う理屈にならない理屈でNHKが反対しているとか、不思議な社会である。
私などはNHK番組中心なのでNHK視聴料は自動払いにしているが、自動払い等愚の骨頂で止めろと言う人が多い。
公正かどうか、と言うモラルの発想が欠如しているのが、日本の公務員の場合であろう。
官製談合が問題になっているが、例えば、健康保険料の不払いを言う官庁の職員が、極最近まで官庁の診療所や病院での自己負担はゼロであったと民放が放映していた。
竹中大臣が、官僚の利権保持の為の姑息な暗躍をサンプロで罵る様に非難していた。
潤沢に完備した福利厚生制度や豊かな待遇のコストが、総て国民の税金からであること、そして公僕であることを完全に忘れてしまっていて、それが特権であるかのように考えていた所に問題がある。
自分達がこのテイタラクであるから、国民年金の不払いの回収などとても期待出来ない。
いずれにしろ、公正かどうかを視点にしたモラルの欠如の甚だしい日本人には、もう少し、欧米型の受益者負担と言うシステムの積極的な導入と法違反に対する法体系の整備・罰則強化の必要があろう。
東横インなどは、数多くの違法行為を起こしながら見つかって注意されて守らなくても罰則が実施されないので法を遵守しない、こんな会社を野放しにする社会。粉飾決算に加担する監査法人を野放しにする社会。どこか狂っているとしか思えないが、これが現実である。
ところで、アメリカの牛肉輸入問題であるが、事大主義の覇権国アメリカ人には、自分達の法体系、経済社会システムが最善だと思っているので、日本への輸出条件などに注意を払うキメ細かさなど待っていない。
自分達の価値観での行動に自信を持っており、間違っていれば罰せられるので自己責任を貫徹していると思っているし、自分達の方がFairで、悪いのは日本の方の条件だと思っている。
アメリカ人には、いくら正しいことを言ってもアメリカ人の論理と理解を超えたところには妥協がないと言うこと、これを言うために発想の違いを述べたのだが、日本も日本、このままでは平行線のままであろう。
私自身は、どちらがどうと言う気持ちはないが、狂牛病の最中にイギリスでスコッチ・ビーフを堪能したし、アメリカ旅行でも美味いアメリカン・ビーフを迷うことなく頂いた。
アメリカ人が沢山狂牛病に罹っているのならいざ知らず、私は、アメリカ牛肉を食べて病気になるのは、飛行機に乗って事故にあうより確率は低いと思っているので全く気にしていない。
私は食の安全に全く無防備な発展途上国を含めて多くの国を歩いて来たが、そんなことを言っていたら、世界を歩けないし、このグローバル時代に生きて行けない。
アメリカ政府が信用出来なければ、日本人検査官をアメリカに派遣して、検査をパスした牛肉だけ輸入して、後は、日本の消費者に任せればよいと思うが、いくらでも方法が有ろう。
江戸の敵は長崎でと言うか、何にも抗弁できずに言われっ放しでやられているアメリカに一矢報いると言った姑息な考え方でもなかろうが、国際問題の処理を敏速に解決出来ない日本外交の方の動脈硬化に問題がある。
食の安全にしても多くの専門家が指摘しているにも関わらず、危険で危ない食品が五万と店頭に並んでいる、この方の行政対策が先であろう。
荒川選手の金メダルで沸いているが、その出身のスケート場が経営不振で閉鎖だと言うニュースが、日本の社会を蝕みつつある現実を物語っているような気がする。
いくらスケートで世界制覇を、と言っても、現実にスケート場はドンドン減っていて、年中オープンのまともなスケート場は全国に20数箇所しかないと言う。
偽メールで政治が空転するお粗末な日本の政治の貧困以外の何ものでもない。
現実を、足元を、良く見つめることである。
検査担当者も輸出業者も日本への輸出条件を良く知らなかったと言う無責任な報告だと黒沼キャスターは言っていたが、確かに日本の発想から行けば、この報告や満を持した筈の輸出再開でミスをするなど有り得ないし有ってはならないのだが、ここには、根本的な発想の差、すれ違いがある。
まず、発想の違いについて考えて見たい。
欧米、特にアメリカの社会は、極めて厳しい法体系が存在するが、行為は自分自身の自由に任されていて、一度法を犯せば徹底的に社会の鉄槌を受ける。
個人主義の徹底と言うのは、自由と裏腹に、自己責任の厳格な執行が前提となっていて、それに反した行為を社会は許さない。
法体系もそうだが、社会生活を律するヒトの行いの根幹を成す重要な要素の一つは、公正(Fair)かどうかと言うこと、そしてモラルの尊重である。
簡単な例を上げたい。
イギリスは一寸事情が違うが、ヨーロッパでは、鉄道の場合駅には改札がないし、バスや路面電車でも車掌などは居ない。
たまに検札が回ってくるくらいで、タダ乗りをしようと思えば、いくらでも出来るが、見つかるとペナルティはキツイ。完全に、乗客の善意とモラルを信用した社会である。
ところが、日本では、徹底的な出札システムを引いているが、裏をかく乗客がいるし、調べてみれば、キセルをするのは週末ゴルフに行く通勤客が一番多かったと昔聞いたことがある。
見つからなければ、やり得だと言う発想である。
法体系が緩くて、見つからなければ良いと言う発想が、もう少し悪くなって、罰則がないか緩くてやり得だと言う発想が、堂々とまかり通っているのが、NHK視聴料や国民年金掛金の不払いである。
NHKの場合などは、経営やモラルがけしからんと言って払わないとする人が居るが、大半は便乗不払いで、公正かどうかと言う発想がまず欠如している。
イギリスでは、BBCの場合、確か年初に全家庭が一括払いすることになっていて、見つかって不払いであれば、厳しく罰せられる。
オランダでは、ケーブルTVで見ていたのでよく分からないが、いずれにしろ、視聴料を払わなければTVを見られないことは事実である。
WOWWOWやスカパーのように課金制度にすれば良いのに、公共放送だからと言う理屈にならない理屈でNHKが反対しているとか、不思議な社会である。
私などはNHK番組中心なのでNHK視聴料は自動払いにしているが、自動払い等愚の骨頂で止めろと言う人が多い。
公正かどうか、と言うモラルの発想が欠如しているのが、日本の公務員の場合であろう。
官製談合が問題になっているが、例えば、健康保険料の不払いを言う官庁の職員が、極最近まで官庁の診療所や病院での自己負担はゼロであったと民放が放映していた。
竹中大臣が、官僚の利権保持の為の姑息な暗躍をサンプロで罵る様に非難していた。
潤沢に完備した福利厚生制度や豊かな待遇のコストが、総て国民の税金からであること、そして公僕であることを完全に忘れてしまっていて、それが特権であるかのように考えていた所に問題がある。
自分達がこのテイタラクであるから、国民年金の不払いの回収などとても期待出来ない。
いずれにしろ、公正かどうかを視点にしたモラルの欠如の甚だしい日本人には、もう少し、欧米型の受益者負担と言うシステムの積極的な導入と法違反に対する法体系の整備・罰則強化の必要があろう。
東横インなどは、数多くの違法行為を起こしながら見つかって注意されて守らなくても罰則が実施されないので法を遵守しない、こんな会社を野放しにする社会。粉飾決算に加担する監査法人を野放しにする社会。どこか狂っているとしか思えないが、これが現実である。
ところで、アメリカの牛肉輸入問題であるが、事大主義の覇権国アメリカ人には、自分達の法体系、経済社会システムが最善だと思っているので、日本への輸出条件などに注意を払うキメ細かさなど待っていない。
自分達の価値観での行動に自信を持っており、間違っていれば罰せられるので自己責任を貫徹していると思っているし、自分達の方がFairで、悪いのは日本の方の条件だと思っている。
アメリカ人には、いくら正しいことを言ってもアメリカ人の論理と理解を超えたところには妥協がないと言うこと、これを言うために発想の違いを述べたのだが、日本も日本、このままでは平行線のままであろう。
私自身は、どちらがどうと言う気持ちはないが、狂牛病の最中にイギリスでスコッチ・ビーフを堪能したし、アメリカ旅行でも美味いアメリカン・ビーフを迷うことなく頂いた。
アメリカ人が沢山狂牛病に罹っているのならいざ知らず、私は、アメリカ牛肉を食べて病気になるのは、飛行機に乗って事故にあうより確率は低いと思っているので全く気にしていない。
私は食の安全に全く無防備な発展途上国を含めて多くの国を歩いて来たが、そんなことを言っていたら、世界を歩けないし、このグローバル時代に生きて行けない。
アメリカ政府が信用出来なければ、日本人検査官をアメリカに派遣して、検査をパスした牛肉だけ輸入して、後は、日本の消費者に任せればよいと思うが、いくらでも方法が有ろう。
江戸の敵は長崎でと言うか、何にも抗弁できずに言われっ放しでやられているアメリカに一矢報いると言った姑息な考え方でもなかろうが、国際問題の処理を敏速に解決出来ない日本外交の方の動脈硬化に問題がある。
食の安全にしても多くの専門家が指摘しているにも関わらず、危険で危ない食品が五万と店頭に並んでいる、この方の行政対策が先であろう。
荒川選手の金メダルで沸いているが、その出身のスケート場が経営不振で閉鎖だと言うニュースが、日本の社会を蝕みつつある現実を物語っているような気がする。
いくらスケートで世界制覇を、と言っても、現実にスケート場はドンドン減っていて、年中オープンのまともなスケート場は全国に20数箇所しかないと言う。
偽メールで政治が空転するお粗末な日本の政治の貧困以外の何ものでもない。
現実を、足元を、良く見つめることである。