熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ハウスウエディング・・・ハマの港に臨みながらの祝宴

2006年03月22日 | 経営・ビジネス
   春分の日、知人の子息の結婚式に招待されたので久しぶりに横浜に出かけて、港の見える結婚式場で、今流行のハウスウエディングに参列した。
   ハウスウエディングとは、西洋映画に出てくる大きな領主の館のような建物の中で、比較的プライベートな雰囲気で行える結婚式で、その建物の中の最上階には、ガラス張りで空間を大きくとった瀟洒な礼拝堂があって、キリスト教形式の式を挙行することが出来る。
   それに、外には、プールや花の咲き乱れる庭があって、昨日のように陽気が良くて天気に恵まれた日には、外で新郎新婦と戯れたり、飲んだり食べたりするのに気持ちが良くて楽しい。
   
   当事者の新郎新婦にとっては、丁度、西洋映画の主人公になったような雰囲気を味わえるので人気があるとか、とにかく、急速に人気が高まっていて、これ専門の会社は、大都市部から地方の中核都市にハウスを建てて事業を拡大しているのだと言う。
   少子化で結婚件数は減っている筈であり、結局は、従来のホテルや結婚式場での挙式が減っていると言うことである。
   大規模な結婚式ならホテルでないとダメかもしれないが、最近芸能人やスポーツ選手などの有名人でもハウスウエディング希望者が多く、この分野でのウェディングアドバイザーやコンサルタントが育っていて、映画やTV撮影にも協力しているのだと聞く。

   従来のホテルは、結婚式は宴会の延長、謂わば付帯事業であり、従来の結婚式場も何々殿と言った古いイメージの結婚式場で、どうしても斬新な垢抜けした雰囲気がなくマンネリに陥っていた。
   最近は、両家の家の間の結婚と言うよりは、新郎新婦本人たち個人の結婚式であり、本人達の希望が優先されるようになって来て、結婚式も個性的で雰囲気のある差別化を要求されるようになって来ている。
   海外に出て教会で挙式する若者が増えてくると、これに目をつけて、丁度バブルで土地も建設費も安いので簡単に豪華な西洋の館を建てられる。
   それでは、自分達で一等地に館を建てて、映画のような豪華な結婚式を演出して新郎新婦に素晴しい思い出を与えよう、として、ベンチャー企業が会社を立ち上げて結婚市場に殴り込みをかけて来た。
   本格的なブライダル事業が、日本で始めて生まれたのかも知れない。
   今では、ベンチャーであったハウスウエディング専門会社が、結婚式に伴って発生する一切を取り扱う総合ブライダル企業に脱皮しつつあると言う。
   
   ところで、この横浜でのハウスウエディングであるが、礼拝堂での米人神父による挙式、高台からの新郎新婦の階段の行進、ロビーや庭での交歓、明るい広間での披露宴、とにかくオープンで明るくのびのびした結婚式であった。
   ホテルのように何組もの新郎新婦たちが廊下で鉢合わせしたり、受付のテーブルがずらりと廊下に並んで競争したり、結婚式銀座のようなラッシュはないし、それに、あのどうしょうもないお仕着せの何の工夫もない暗い雰囲気は全くない。
   食事については、料金にもよるのであろうが、今回の場合は、バイキング形式のデザートはまずまずであったが、相対的にホテルと比べてもう少しと言うところであった。
   式を進行しサポートしている若いスタッフの仕事振りは実に堂に入っており、きびきびしていて淀みがない。本当のプロが育ってきているのであろう。
   第三次産業をサービス業と言うが、本当のサービスとは何なのか、少しづつ日本の産業もサービス業での生産性が上がって来たのかも知れないと思っている。

   もう10数年前になるが、イギリスに居た時、友人の英国人の息子の結婚式に家族共々参列したことがある。
   ヨークから少し離れた田舎町での挙式だったので車で出かけ、当日は、披露宴が持たれたホテルに宿泊した。
   結婚式は、教会で行われて、確か、その教会の中で当事者達が署名していた。
   西洋映画で見るのと全く同じで、今回のハウスウエディングと形式は殆ど変わらない。
   披露宴は、ホテルで夕方から行われたが、スピーチはスピーチでも日本のように堅苦しい形式ばった挨拶はないが、新郎新婦は正面のヒナ段に座っていて、楽団演奏など次から次へと催し物が行われ並行してフルコースの食事が進行する。
   時間が経ち、ダンス音楽に変わると新郎新婦たちが両親や祖父母達と踊り出す。
   お開きがないので、来客は適当に座を外して帰って行くが、我々も適当にホテルの部屋に引き上げた。
   お祝いは、日本のようにお金を受け付けているようではなかったが、私は適当に銀器を買って届けた。結婚式に参列する為の旅費などは当然客もちである。
   確か、披露宴の費用は新婦の親もちと言っていたように思うが、小さなホテルとは言え借り切りなので可なりの出費だろうと思った。
   ヨーロッパでは、アメリカと同じで、結婚式前に両人たちは同棲しており、必ずしも結婚するとは限らない。親達は、自分達の頃はもっての外だったが仕方がないと諦めていて、出来たら結婚して欲しいと思うと何時も言っていた。
   私の秘書は、ケンブリッジを出た才色兼備の優しい女性であったし、相手も同学の立派な弁護士であったが女の子を生んでから正式に結婚した。
   
   
   
コメント
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