熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

竹中大臣の強烈な官僚批判

2006年06月26日 | 政治・経済・社会
   久しぶりにサンデイ・プロジェクトで、パンチの効いた竹中節を聞いて面白かった。
   その前に討論されていた、小泉内閣の改革は、毎年アメリカ政府から出てくる要望書どおりであるとの野党議員の批判を受けて、田原総一郎氏が、この要望書に従って日本を無茶苦茶にしたのは竹中大臣の責任だと言う世論があるがと言って話を始めた。
   竹中大臣の答えが振るっていて、この要望書を読んだのは極最近で全く知らなかった、郵政民営化にしても、中身と全く違うなどと反論した。

   この答えは恐らく真実で、要するに、どこから考えても、まともに日本の政治経済社会を分析すれば、アメリカ政府の要求するような要望書の中身になるであろうと言うことであって何の不思議もない。
   従って、私自身は、アメリカから言われた言われていないと言うのは末梢的な話で、むしろ岡目八目とは言わないまでも、日本を良くする為には、アメリカに勝手なことを言われていると思っても、ある程度考慮には値すると思っており、アメリカの政治や経済社会に従属すると言うのは、また、別次元の話である。

   竹中大臣の改革に対しては、既得利権を維持しようとする政治家と官僚の癒着、そしてそれを提灯持ちするマスコミ等の熾烈な抵抗に梃子摺ったようで、竹中大臣の憤りは大変なものであった。
   ところが、最近顕著になった現象は、①官僚の復権(特に財務省官僚)②反市場主義、反グローバリズムの動き③反世代交代(外国は1960年代生まれ1980年代学卒の世代が支配体制)であると指摘、小泉内閣で動き出した改革指向が反動化してきたと言う。
   特に、官僚は、政府の骨太の決定方針でもこれに反する提案を堂々と族議員に持ち回って既得利権を守るべく画策し、更に、マスコミを抱き込んで改革に執拗に抵抗するのだと言う。
   田原氏に、その場合はどうするのかと聞かれて、一つ一つ論破するだけであると大臣は答えていた。

   もっと面白かったのは、木村剛氏の起用・活用について聞かれた時、学者は足を引っ張ったが実務家の専門家が助けてくれたと言ったことであった。
   やはり、学者馬鹿と言うか、日本の学者は、御用学者は別として、実際に立脚した学問からはかなり距離があると言う事であろうか。

   しかし、いずれにしてもこの竹中大臣の官僚批判なりこの見解は、竹中大臣の施策なり考え方が正しいと言う前提に立ってのものであり、これが間違っておれば結論は逆になる。
   とにかく、日本は非常に保守的な国で変革を嫌う強い抵抗勢力があることは事実のようである。

   竹中大臣の基本的な考え方は、サプライサイド・エコノミックスであり、要するに、市場資本主義で、自由競争が経済社会を活性化させるということであり、この考えに基づいて経済政策や行政施策が打たれている。
   市場原理主義を推し進めて行けば、当然、弱肉強食の世界となり、勝者と敗者が生まれて格差が拡大する。
   この為には、再挑戦のチャンスを与えるとか機会平等の原則を堅持するとかセイフティネットを張るなど補正する施策が必要となる。
   いずれにしろ、これまで、ケインズ経済学に基づく財政政策はあったが、市場原理主義の経済学を行政に強引に導入して、不良債権処理などを含めて、行政政策上かなりの成功を収めた例はなかったであろう。
   政治経済学の復権である。
   
   小泉総理との関係を聞かれて、全面的なバックアップがあったこと、そして、小泉首相の理解と支持がなかったら一月で潰れてしまっていたと語っていたのが印象的であった。  
   いずれにしても、小泉首相も竹中大臣も、この極めて難しい時代に出てきた極めて異色な政治家である。 
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