熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

八重桜が咲きそろえばもうすぐ夏

2007年04月19日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   近くの大通りの並木に八重桜が植えられていて今満開なのだが、何故かあまり美しいようには思えない。
   木がまだ小さいのでそう思うのかと思ったがそうでもなさそうである。
   何となく重たい感じがして、ピンクの色の濃さも五月蝿い感じがして、過ぎたるは及ばざるが如しと言う印象である。
   チューリップに、一本の茎に何個も花が付く種類があるが、美しい筈のこのチューリップが何故か魅力に欠けていたのを思い出した。そのような感じでもある。

   私の庭にも八重桜の普賢象を植えていた。大体狭い住宅の庭に桜を植えるのなどは愚の骨頂で、虫食いが酷くて枯れてしまったのだが、身びいきか、この方が、色が淡いので多少嫌味が少なかったような気がする。
   何れにしろ、かく言う自分は、どちらかと言うと一重より八重が好きで、バラにしろ椿にしろ大体花は八重が多いし多かった。
   今、庭に咲いている山吹も八重だが、これがまた美しい。

   同じ様な八重桜の印象は、ヨーロッパの桜を見た時も感じたが、私の住んでいたオランダもロンドンも、何故か、民家などの殆どの桜がピンクの色の濃い八重桜ばかりであった。
   ヨーロッパ人はバラが好きなので、一重でパッと散る種類の桜を好むようには思えないから、当然の選択と言えよう。
   もっとも、キューガーデンの桜は、染井吉野のように一重の桜が大きく育っていて豪快な感じがしてほっとしたが、一本だけポツンと松前桜が植えられていて白い花を一面に咲かせていて感激したことがある。
   このキューガーデンは、世界に冠たる植物学の総本山のような植物園なのだが、日本の椿も、日本のモミジも、日本から移植された原種のまま維持されて育っているので、私にとっては懐かしくて、散策に出かけた時には必ず遠回りしても顔を見て帰った。

   日本では一番最初に珍重された花は椿だと聞いているが、その次は、梅であった。
   何時頃から、花の王者が梅から桜に代わったのか、平安あたりではなかったかと思うのだが、染井吉野が江戸で生まれてからは、押しも押されもしない日本の象徴のような花になったのであろう。

   八重桜が咲くと春もたけなわで、一気に暖かくなり陽気が良くなるのだが、地球温暖化で気候が異変を来たしたのか、今年は異常気象でここ2~3日寒くて仕方がない。
   八重桜が咲くと、アサガオの種を蒔いても良いと言われているのだが、この調子ではアサガオも可哀想なので、今年は、少し遅らせようと思っている。

   咲き乱れていた庭の椿も寂しくなって、急に勢いよく新芽が出始めてきた。
   まだ、咲いているのは羽衣で、本来の薄桃色の花と紅羽衣が残っている。
   底白で花先に向けてピンクに変わって行く天賜も、優雅な花姿を緑陰に映しながら咲き続けている。
   一寸派手なブチの八重の紋繻子も今盛りだが、これが終わるともう9月まで待たないと椿の季節は来ない。

   早い牡丹が咲き終わったが、昨秋植えた新苗の牡丹の蕾はまだ固い。
   勢いよく芍薬が枝を広げて、しっかりとした蕾を沢山つけて伸び始めてきた。
   蕾をつけ始めたバラと共に庭を明るくしてくれるであろう。
   手入れが雑で、草取りなどこまめにやっていないので、見栄えのしない庭に何時も家内から苦情を言われているが、それもそうだと反省しながら、花の美しさと健気さに感動している。
   
コメント
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