熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ジョウビタキが帰ってきた

2007年12月09日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   先月から、ジョウビタキが一羽、素早く庭木の間を移動している。
   チベットからか、或いは、バイカル湖からか、北の国から帰ってきた。
   雀くらいの大きさのこの小さな鳥が、晩秋になると、毎年私の庭を訪れてくれるが、一度訪れると死ぬまで必ず同じ場所を訪れると言うのだから、毎年来てくれる同じジョウビタキに違いない。
   よく病気もせずに、遠い国から帰って来てくれたと言う気持ちで一杯である。

   殆ど休む場所も止まる所もない大海原をどうして渡ってくるのか、昔「人の話を聞かない男と地図が読めない女」と言う本がベストセラーになったが、女の場所音痴などと言った次元の話ではなく、いくら本能的とは言っても驚異的な帰巣本能である。
   しかし、バカな人間が、こんなに素晴らしい生き物達が生きている地球環境を破壊し、地球温暖化の為に、一年に何万種と言う動植物を絶滅させているのである。

   ところで、文明化した人間は、知能が進み、本能を忘れてしまって、食べることも子供を作ることも教えて貰わなければ分からなくなってしまった。一年くらい行かないと道を忘れてしまって、同じ所へ行くのに道に迷うと言うのはしょっちゅうである。さて、本能を忘れた人間が幸せかどうかは分からない。
   

   ジョウビタキは、縄張り争いが激しい鳥だということで、群れることは全くなく、何時も一匹オオカミで単独行動。腹部のオレンジ色が鮮やかなオスと違って、メスは少し灰色がかった地味な色らしいが、見たことがない。メスとも行動をともにしないと言うのである。
  キッキッ、カッカッと鳴いているように聞えるのだが、この鳴き声が火打石の打つ音に似ているので「火焚き」と言うことで、これがジョウビタキの名前が付いた由縁だと言う嘘のような話がある。
   羽に白い斑点模様があるのでモンツキドリとも呼ぶようだが、地味な色合いの野鳥の多い日本には良く目立つ中々スマートな綺麗な鳥である。

   ところで、今わが庭を訪れている野鳥は、ヒヨドリと雀、それに、キジバトである。
   キジバトは、朝早くからクーッ、クーッと喧しい。
   ヒヨドリは、ムラサキシキブの実を殆ど食べつくしたが、咲き始めた椿の花びらをかじって困る。先日も、開花直前の綺麗な賀茂本阿弥の蕾を台無しにしてしまった。今年は、ブルーベリーの白い小花を殆ど食べ尽くしてしまったので、来年は防鳥網でも張ろうかと思っている。
   雀は、米の収穫時期には大群が飛来していたが、今では、数羽づつ庭の中をせわしく歩き回っている。

   庭の椿は、西王母、紅妙蓮寺、それに、相模ワビスケと一子ワビスケが咲いている。
   それに、山茶花に近い寒椿が、ひっそりと咲いている。
   派手で垣根などには重宝するが、花びらがぱらぱらと落ちるのが嫌いで、私は、山茶花は一本も植えていない。
   今年は、庭木を思い切ってすっぱりと剪定したので、庭が明るくなった感じで見通しが良くなった。
   最近は、枯葉を集めて焚き火などと言うことが出来なくなってしまったので、不便になって来たが、少しづつ意識しながら大地に漉き込んで戻すことにしている。その所為ばかりでもなかろうが、家を建てた時には砂や石交じりの土壌であったが、この頃では、豊かな黒っぽい土になって花木には優しくなって来た感じである。
   私の小さな宇宙空間だが、花木が呼吸をし、色々な鳥や虫たちが生まれ育ち息づいているのが嬉しい。
コメント
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