熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

年末の買い物客で賑わうショッピングセンター・・・地元商店が駆逐された後

2007年12月29日 | 政治・経済・社会
   千葉北部に広がる印旛沼の更に北に最近急速に開発の進む千葉ニュータウンがある。
   この中心にある北総鉄道の印西牧の原駅の周りに、巨大なショッピングセンターや大型郊外店舗が集積して、急速に景観を変えつつある。
   この駅も、回りにコスモス畑があるくらいで何もない寂しい所であったが、5年ほど前に、ジョイフル本田が巨大なショッピングセンターを作ってから急速に周囲の雰囲気が変わってしまったのである。
   時々、北総の田舎を抜けてクルマでこのジョイフル本田に来ることがあり、今日も娘夫婦の供をして、年末客で雑踏するあわただしい雰囲気を味わってきたのだが、良く考えてみると、最近、地元の小さな商店に行くことが殆どなくなってしまっているのに気がついた。

   ジョイフル本田は、茨城県土浦市から発したホームセンターだと思っていたが、その店舗の殆どは、ドーム球場2個分、6~7万㎡の規模の巨大ショッピングセンターで、住生活から住関連事業の殆どをカバーする巨大な流通企業であり、その規模の大きさにはビックリする。
   千葉ニュータウン店など、工事中にも何度か訪れており、こんな田舎のど真ん中に、こんな巨大な店を作ってやって行けるのかと思ったが、屋内は勿論、戸外にも巨大な駐車場を設営して、巨大な北総一体を商圏にして連日賑わっているという。
   この千葉ニュータウン店だが、
   生鮮食料品などを扱った食品部門だけでも、一寸したスーパーマッケト以上の規模があり、生活雑貨は勿論趣味の教材や文具、日常使う日用品の殆ど総て、インテリヤ関連商品から住居関連資材や材料、工事機械、それに、関連のスマイル本田では、巨大なショールームがあり住宅関連工事など一切を行う。ガーデンセンターや庭木花・庭園関連一切は勿論、ガソリンスタンドから食堂やレストラン等々、とにかく、家具以外の住関連商品は一切揃っていると言う大変なホームセンターなのである。
   
   この千葉ニュータウン店が開店した直後、友人の子息の結婚式で本田会長がたまたま同じテーブルに座っていたので色々経営について話を伺ったが、同業者からのマネージャーなど人材の引き抜きが大変だと語っていた。
   丁度、その頃、日経ビジネスが、ジョイフル本田を表紙にしてトップ記事で特集しており読んでいたので、「一年に一つしか売れない商品でも揃えるのが本田流ビジネスだと言うのは本当か」と聴いた記憶がある。
   聞くのは野暮で、こんなに巨大な店ならないものはないのが当たり前なのである。
   次男坊なので何でもやれたと言っていたが、あらゆる可能性を追求して果敢に流通革命を推進したのであろう、とにかく、最初の頃の店舗展開は色々問題はあったが、桁違いの発想で、とにかく、地方の一番店として、ゴボウ抜きで商圏を奪って君臨するあたりは、並みの経営者ではリスクが大きすぎて対応出来ないであろう。

   ところで、千葉北郊から北総にかけては、地元や独立系の園芸店やガーデンセンターなどが沢山あったが、今では、ケイヨーD2など大型店舗を残して、全部消えてなくなってしまった。
   プロの植木屋さんや工務店などが、ジョイフル本田で、花木や資材や道具などを調達していると言うから、既に、卸小売りのジャンル分け等もなくなってしまった。
   
   また、一般の商店だが、これらの地元の園芸店と同じで、殆どの商店は消えてなくなっているのに気がついた。
   例えば、電気店だが、秋葉原のチェーン店の出店さえ駆逐されてしまって、コジマやヤマダ電機等の大型量販店、それに、スーパーなどの電気売り場だけが残り、地元店でも家庭の小規模の電気・修理工事をやったり、工事下請けをやっている店舗が細々と商売を維持している程度である。
   目抜き通りにあった地元に長く続いていた歴史のある商店でも、一つ、二つと、資本の論理と時流の流れに乗れずに消えて行かざるを得ない。その後に、必ず、大型店や全国チェーンの店や営業所が取って代わる。
   ジョイフル本田で、プラスチック製の漬物石と桶が大小取り混ぜて並べられており、その横に、小さな鳥居が設定されて神棚や什器備品一切が売られていたが、誰が買うのか、例の一年に一つ売れる類の品かと思って見ていたが、これだけ、あらゆるものが揃って安く売られていると、一般の店が太刀打ちできる余地などある筈がない。
   それに、ここへ来れば、何でも揃うのである。

   住宅の場合でも、地元の工務店や小さな個人企業に頼んだ人たちは、修理しようにも、もう店がつぶれてしまって埒があかないと言う。
   小さな個人会社や独立店舗などは、設立時に地元との調整で、スーパーなどの中に店舗を構えたた店、全国展開のチェーン店や提携先になった会社、組合等連合組織を形成して共同仕入れなどをして競争力を維持している店舗、或いは、特別なブランドや暖簾など特色があって競争力のある店舗、等々何か強みがないと生きて行けなくなってしまった。
   これは、やはり、情報産業化社会への急速な進展によって、情報・通信・交通・流通等があまりにも便利になり過ぎて、地域コミュニティが崩壊してしまったことによる。
   それに、年末商戦を賑わせる歳暮も、サイバー商店のインターネットショッピングが多くなって、リアルな店での買い物が大幅ダウンだと言う。
   気の所為か、ショッピングセンターもスーパーも、年末客がどんどん減ってきているような気がしている。
   流通業界、小売業界は、ICT革命によって大きく様変わりしてしまったと言うことであろう。
   
   ついでながら、ワインだが、私は主にネットショッピングで買っている。
   ヨーロッパで生活して、ミッシュラン店巡りをしていたので、多少ワインの心得があるので、特定のブランドにしてもインターネットで十分間に合う。
   大体、倉庫から直なので流通経費等コストが低いので安く、それに、品揃えが豊富であり、まず、今まで間違いがなかった。
   ところで、このジョイフル本田千葉ニュータウン店だが、綺麗なワインコーナーがあるが、成城石井ワインフェアーと言うことで、総て一括丸投げしている感じである。
   懇切丁寧にワインのことどもをパネルにして展示されているのだが、誰も係員がいないし客は全く寄り付いていなかった。
   最高4000円くらいで、大半1000円台のワインが主体だが、誰が飲むのか、一寸、ワインでも買っておくか、と言う一般的なお客さんであろうか。
   やはり、流通革命に意を用いた街の酒屋さんが一番良いのである。
   
コメント
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