17日のNHKゆうどきネットワークで、最近、少しずつ普及し始めた短時間ビジネスについて放映していた。
短時間・低料金で気軽に利用できるユニークな工夫を凝らして、新規の顧客を引き付けようとする、謂わば、ニッチ市場を狙ったビジネス・モデルのイノベーションである。
真っ先に紹介されていたのは、10分1000円のカットだけの散髪屋チェーンのQBハウスである。
あの「ブルーオーシャン戦略」でも取り上げらたれっきとしたイノベーション・ビジネスで、このブログでも何度か取り上げているのだが、考え方によっては、必ずしも、革新的な発想でもないので、いくらでも、中小企業にとっては、発想の転換でニッチ市場を目指せば、ニュー・ビジネス・チャンスを掴み取ることは可能だと言うことである。
何故、QBハウスが、それ程斬新な発想ではないのかと言うことだが、これは、私が、もう30年以上も前に、アメリカでの留学中に経験したことで、アメリカの散髪屋は、カットだけで終わればいくら、次に、洗髪すればいくら、髭を剃ればいくら、と言った具合に、段階的に料金が決まっていて、先の工程に進めば料金が加算されると言うシステムであった。
私などは、むくつけきイタリア男に剃刀を握られるのが嫌だったので、何時も、『カット・オンリー』で通したのだが、このシステムを格好良くシステム化してビジネスにしたのがQBハウスなのである。
もう一つ、短時間ビジネスの変形と言うべきか、コーヒー・チェーンの「ドトールコーヒー」だが、確か、創業者は、技術移民でブラジルに渡ったと言うことのようで、ブラジルの街角の至る所にある止まり木スタンドのある簡易オープン・バーである「バール」を模して、安い簡易コーヒーショップを発想したのではないかと思う。
私も、在伯中には、良く、このバールで、カフェジンニョ(小さなデミタス・カップに入ったエスプレッソ・コーヒー)を飲んでいたのだが、ブラジルでは、どこへ行っても出される日本のお茶と同じなのである。
余談だが、ドトールと言うのは、ポルトガル語のドクターで、私なども、アメリカ製のMBAなのだが、殆どの会社の社長は、ドトールと呼称するので当然だと言わんばかりに、秘書が、ブラジル人相手の電話には、ドトール・ナカムラと言って受け答えしていたのを思い出す。
いずれにしろ、QBハウスにしろ、ドトールコーヒーにしろ、オリジナルの発想の元は単純だがどこかにあって、それを、ビジネス・イノベーションとして、それまでにはなかったブルー・オーシャンのニュー・ビジネスとして事業化した企業家精神の発露が、重要な意味と価値を持つのである。
さて、本論の短時間ビジネスだが、NHKは、10分100円のカーレンタル、30分単位のフィットネスクラブ、歯の洗浄だけのビジネスなどを取り上げていた。
経済的に生活に余裕がなくなり、多忙を極めている現在人には、この短時間・低価格サービスの提供は、正に、生活応援とも言うべき有難いビジネスで、顧客のニーズ・ウオントを満足させるのがビジネスだと言う本来の王道を行っている。
尤も、サービスだけではなく、例えば、デパチカの惣菜の上を行く、電子レンジでチンするだけで、封を切って皿に移せばすぐに食べられる安価で手ごろな食品の開発など、モノの生産における短時間ビジネスの発想もいくらでも探し出すことが出来る。
この短時間ビジネスで最も喜んでいるのは、恐らく女性客であろう。
今、マイケル・J・シルバースタイン他著「ウーマン・エコノミー」と言う「世界の消費は女性が支配する」とした非常に興味深い本が出ていて、徹底的な調査の結果、国の如何を問わず、500兆円もの膨大な市場を握っている女性が、最も悩んでいることは、時間がないと言うことで、時間を取り戻せる製品やサービスを最も高く評価すると報告している。
問題は、単なる時間不足ではなく、時間の三重苦、すなわち、
やることが多すぎる、優先順位をつけるのが難しい、自分の時間が持てないと言うことから脱出出来ないことにある。
自分の代わりとなってくれて、時間を有効活用でき、より多くの時間を取り戻し、やらなくてはいけないことにではなく、やりたいことに時間を使えるようにしてくれるモノやサービスで、時間と利便性を叶えてくれてそれなりの品質と価格なら、いくらでも財布の紐を緩めると言うのである。
同書が、女心を掴む製品やサービスを開発・提供すれば、無限のビジネス・チャンスが広がるとして挙げているビジネスは、
食、フィットネス、美容、ファッション、金融サービス、医療。
しかし、男性向け市場だと考えられている、家具・インテリア、休暇、住宅では90%以上、自動車では60%、家電製品では51%も、買い物決定権は、女性が握っていると言うことである。
ウーマン・エコノミーについては、後ほど、ブックレビューで取り上げるつもりだが、どこかに転がっている筈のニーズとウオントを掘り起こして、ニッチの短時間ビジネスを生み出すことによって、新しいQBハウスやドトールコーヒーを生み出せるのだと言うことを強調して置きたい。
短時間・低料金で気軽に利用できるユニークな工夫を凝らして、新規の顧客を引き付けようとする、謂わば、ニッチ市場を狙ったビジネス・モデルのイノベーションである。
真っ先に紹介されていたのは、10分1000円のカットだけの散髪屋チェーンのQBハウスである。
あの「ブルーオーシャン戦略」でも取り上げらたれっきとしたイノベーション・ビジネスで、このブログでも何度か取り上げているのだが、考え方によっては、必ずしも、革新的な発想でもないので、いくらでも、中小企業にとっては、発想の転換でニッチ市場を目指せば、ニュー・ビジネス・チャンスを掴み取ることは可能だと言うことである。
何故、QBハウスが、それ程斬新な発想ではないのかと言うことだが、これは、私が、もう30年以上も前に、アメリカでの留学中に経験したことで、アメリカの散髪屋は、カットだけで終わればいくら、次に、洗髪すればいくら、髭を剃ればいくら、と言った具合に、段階的に料金が決まっていて、先の工程に進めば料金が加算されると言うシステムであった。
私などは、むくつけきイタリア男に剃刀を握られるのが嫌だったので、何時も、『カット・オンリー』で通したのだが、このシステムを格好良くシステム化してビジネスにしたのがQBハウスなのである。
もう一つ、短時間ビジネスの変形と言うべきか、コーヒー・チェーンの「ドトールコーヒー」だが、確か、創業者は、技術移民でブラジルに渡ったと言うことのようで、ブラジルの街角の至る所にある止まり木スタンドのある簡易オープン・バーである「バール」を模して、安い簡易コーヒーショップを発想したのではないかと思う。
私も、在伯中には、良く、このバールで、カフェジンニョ(小さなデミタス・カップに入ったエスプレッソ・コーヒー)を飲んでいたのだが、ブラジルでは、どこへ行っても出される日本のお茶と同じなのである。
余談だが、ドトールと言うのは、ポルトガル語のドクターで、私なども、アメリカ製のMBAなのだが、殆どの会社の社長は、ドトールと呼称するので当然だと言わんばかりに、秘書が、ブラジル人相手の電話には、ドトール・ナカムラと言って受け答えしていたのを思い出す。
いずれにしろ、QBハウスにしろ、ドトールコーヒーにしろ、オリジナルの発想の元は単純だがどこかにあって、それを、ビジネス・イノベーションとして、それまでにはなかったブルー・オーシャンのニュー・ビジネスとして事業化した企業家精神の発露が、重要な意味と価値を持つのである。
さて、本論の短時間ビジネスだが、NHKは、10分100円のカーレンタル、30分単位のフィットネスクラブ、歯の洗浄だけのビジネスなどを取り上げていた。
経済的に生活に余裕がなくなり、多忙を極めている現在人には、この短時間・低価格サービスの提供は、正に、生活応援とも言うべき有難いビジネスで、顧客のニーズ・ウオントを満足させるのがビジネスだと言う本来の王道を行っている。
尤も、サービスだけではなく、例えば、デパチカの惣菜の上を行く、電子レンジでチンするだけで、封を切って皿に移せばすぐに食べられる安価で手ごろな食品の開発など、モノの生産における短時間ビジネスの発想もいくらでも探し出すことが出来る。
この短時間ビジネスで最も喜んでいるのは、恐らく女性客であろう。
今、マイケル・J・シルバースタイン他著「ウーマン・エコノミー」と言う「世界の消費は女性が支配する」とした非常に興味深い本が出ていて、徹底的な調査の結果、国の如何を問わず、500兆円もの膨大な市場を握っている女性が、最も悩んでいることは、時間がないと言うことで、時間を取り戻せる製品やサービスを最も高く評価すると報告している。
問題は、単なる時間不足ではなく、時間の三重苦、すなわち、
やることが多すぎる、優先順位をつけるのが難しい、自分の時間が持てないと言うことから脱出出来ないことにある。
自分の代わりとなってくれて、時間を有効活用でき、より多くの時間を取り戻し、やらなくてはいけないことにではなく、やりたいことに時間を使えるようにしてくれるモノやサービスで、時間と利便性を叶えてくれてそれなりの品質と価格なら、いくらでも財布の紐を緩めると言うのである。
同書が、女心を掴む製品やサービスを開発・提供すれば、無限のビジネス・チャンスが広がるとして挙げているビジネスは、
食、フィットネス、美容、ファッション、金融サービス、医療。
しかし、男性向け市場だと考えられている、家具・インテリア、休暇、住宅では90%以上、自動車では60%、家電製品では51%も、買い物決定権は、女性が握っていると言うことである。
ウーマン・エコノミーについては、後ほど、ブックレビューで取り上げるつもりだが、どこかに転がっている筈のニーズとウオントを掘り起こして、ニッチの短時間ビジネスを生み出すことによって、新しいQBハウスやドトールコーヒーを生み出せるのだと言うことを強調して置きたい。