熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

大学の風景~同じ勉強をするのなら良い環境を選ぶべし

2010年11月14日 | 生活随想・趣味
   この頃、フォーラムやセミナーや公開講座などで、大学を訪れることがある。
   東大や早稲田が多いのだが、若い学生の中に混じって、法学などの講義を聞くのも、何となく違和感は感じるのだが、悪くはない。
   
   この口絵写真は、東大でのセミナーで、休憩時間に、安田講堂から出たら、応援団の練習をしているところに出くわして撮ったものだが、少し前には、10人ほどのチアガールが、掛け声をかけながら、応援団の前でチアダンスを踊っていた。
   残念ながら、正面に行く前に終わってしまったので、写真にはならなかった。
   最近、東大も女子学生が多くなって、構内の掲示板に、綺麗なモデル写真付きの振り袖や袴のレンタル・ポスターが、常時張られているのである。
   私の場合は京大だったが、法学部や経済学部では、女子学生は、ほんの数人ずつであったので、やっと、男女同権、同じになったと言うことであろうか。

   東大の場合には、天気が良い時には、三四郎池に下りて、自然に浸って季節感を味わうことが出来るのだが、平坦な都会地の大学の構内に、うっそうとした林があって、切り立った深い谷底の様な所に、池があるなどとは思えなかったので、最初は、正直びっくりした。
   しかし、素晴らしい環境である。
   京大には、このような環境はないのだが、農学部のグラウンドからは、背後に比叡の山々を見上げることが出来るし、歩けば、すぐのところに、銀閣寺や哲学の道が続いていて、自然との触れ合いには事欠かない。
   早稲田では、構内に、坪内逍遥記念館があり、私は、この古風な雰囲気が好きでよく訪れる。

   アメリカの大学には、立派な博物館や美術館があって、ここを訪問するだけでも楽しい。
   ハーバードやプリンストンには、素晴らしい美術館があり、私の居たペンシルベニア大には、大規模な博物館があり、確か、シカゴ大にも、立派な博物館があった。
   それに、ペンシルベニア大にもあったが、大きな本格的なアメリカンフットボール競技場や、本格的な芝居を楽しめる劇場なども併設されていて、かなり、充実した施設が揃っている。
   当然のこととして、立派な図書館もあって、ペンシルベニア大には、日本語の本もかなりあったように記憶している。

   ところで、本好きの私が、どこの大学に行っても、時間があれば必ず行くのは、書店だが、最近、東大も早稲田も、特色がなく面白くなくなった。
   興味を持って注目しているのは、ベストセラーランキングで、構内では、どんな本が売れているのか、あるいは、街の一般の書店とはどう違うのか、興味があるのである。
   やはり、トップは、マイケル・サンデルの「これからの「正義」の話をしよう」「ハーバード白熱教室講義録」であった。
   三省堂などでも上位にランクされている本だが、私は、まだ手にはしていないが、まず、録画しておいた講義録を聞いてから読もうと思っている。

   この書店訪問は、最近の経験では、ハーバード大、ペンシルベニア大、ニューヨーク大だが、夫々、それ程、大きな規模ではなく、特に、大学だから特別だと言うことはなかったような気がする。
   大学であるから、当然、テキストのコーナーも併設されているのだが、ここの方が面白いと思ったことがある。
   結局、アメリカに行った時には、バーンズ&ノーブルで本を買う方が多い。
   人気のある新刊本などは、派手にディスプレイされていてディスカウントされており、それよりも、並んでいる本の数が違うのである。

   イギリスの大学は、在英中に、オックスフォードやケンブリッジを訪れたが、やはり、歴史と伝統の醸し出す風格と言うか、街全体からして違う。
   大学の中は、丁度、ハリーポターの映画と同じような佇まいで、いくら古いと言っても、アメリカ最古のユニバーシティであるペンシルベニア大や最古のカレッジであるハーバードなども、足元にも及ばないほど古色蒼然としている。
   娘が留学していたので、カンタベリーのケント大には、良く行ったが、新しい公立大は、ブリック大と言われているのだが、全く、雰囲気が違うのである。
   ロンドンの街の中にあるロンドン・スクール・オブ・エコノミックスには、森嶋通夫教授を訪ねて良く行ったのだが、ここは、骨董性からは程遠く古いだけの雰囲気のないキャンパスだが、とにかく、大学によって環境などその特色が全く違っているので、同じ勉強をするのなら、大学の質や教授たちファカルティ、それに、施設なども、重要かも知れないが、トータルとしての位置や環境も非常に重要だと思う。
   幸い、私の場合には、京都とフィラデルフィアの選択は、間違っていなかっと自負している。
   
   書き忘れたが、スペインのサラマンカ大学は、世界最古の大学の一つで、コロンブスも訪れたと言う由緒のある大学で、観光地としても有名だが、ここの雰囲気は格別で、私は、ここで、本当に歴史と伝統、そして、大学の使命と良さを実感した。
   最古の大学ボロニア大学をいつか訪れたいと思っているのだが、先年、訪れたミラノの大学の若人で賑わうムンムンとした雰囲気も悪くないと思っている。
コメント
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