最近は、何となく神田に足が遠のいて、今年の古書店祭りにも行けなかった。
今日、イタリア文化会館での「ダンテフォーラム」までに時間があったので、神保町に立ち寄ったら、老舗古書店「巌松堂書店」の前に人が集まっていて、張り紙を見ると閉店とかで、6日から月末にかけてセールをしている。
単行本などはすべて一冊300円で、全集などセット本は、値札の半額と言うことで、読書家と思しき中年から初老の男女で、店内は込み合っている。
棚の本はかなり売れていて、大分空間が出来ていたが、まだ、店内には、いつものように沢山の本がうず高く積まれている。
私は、大体、余程のことがない限り、古書を買うことはなく、神保町の古書店で買うのは、殆ど新刊書ばかりである。
したがって、この巌松堂で本を買う場合は、店頭のワゴンに時々並ぶ経済や経営関係のかなり新しい出版の本ばかりなので、店内に入るのは、何か、特別な本を探す時に限られており、殆ど中に入ったことはなかった。
今回、店内に入って良く見ると、奥の書棚には、膨大な法律書や経済、経営関連の本がびっしりと並んでいたのにはびっくりした。
JIMBOU BOOK TOWNのホームページを開くと、巌松堂の記述は、生きたままで、50年の歴史を持つ老舗で、法律、政治、経済、文学、芸術、宗教、哲学、歴史と言った社会・文科系の書籍の専門店だと言うことである。
しかし、中の書棚を見て感じたのは、たとえば、経済や経営に関する本は、歴史的な価値はあるかも知れないが、大半は、本当の古書ばかりで、私には興味を感じる本は全くなかった。
シュンペーター関係の本やイノベーション関係の本があるかと思ったが見つけ出せなかった。
私は、経済とか経営関係の本は、特別な古典ならいざ知らず、非常に賞味期限が短い典型的な分野の学問なので、時間が経った古書には、あまり価値がないと思っている。
したがって、出版されて5年程度も経ってしまった本には、殆ど食指が動かない。
早い話が、たとえば、リーマン・ショック関連やブッシュ関連、まして、9.11関連本などに、間違っても手を出さない。
とにかく、どんどん世界や経済社会情勢が変わってしまうので、後ろを振り向いている暇などないのである。
結局、私が、この日、巌松堂で買った本は、
岩波書店の「近松浄瑠璃集」上下
集英社刊・堀田善衛著「ミシェル城館の人」第3部 精神の祝祭
パバロッティ「マイワールド」 の4冊である。
ミシェル城館は、第1部と第2部は、持っているのだが、第3部を買いそびれていたためで、そして、パバロッティは、英語版を持っているのだが、綺麗な本が残っていたので買ったのである。
近松浄瑠璃本は、他にも持っているのだが、やはり、これは趣味の深さと言うか、あればさからえないのである。
一般の書店の閉店や倒産は、結構、見て来たが、はっきりと、神保町のしっかりした老舗書店が閉店するのを見るのは初めてで、神保町ファンの私には、非常にショックであった。
ブックオフの台頭で、既存書店には、その影響が大きかったと思うが、ブックオフの競合店は、むしろ、新しい書籍を売る一般書店だと思っていたのだが、やはり、インターネットの普及やデジタル本の登場、そして、最も影響の大きな国民の本離れなどから、その書籍不況の大波が、古書店をも襲ってきたのであろうか。
帆船効果で、書店が大型化するなど、起死回生のために大変な試みがなされてはいるが、デジタル革命で、新聞でさえ風前のともしびで消えて行く運命だと、「クリック!」の著者ビル・タンサーが言っているように、紙製の本そのものも、どんどん淘汰されて、デジタル化して電子化されて来ると、書店そのものも、流通革命に煽られている百貨店のような運命に遭遇せざるを得ない。
公立図書館や学校図書館さえ、古書の寄贈を迷惑がる世の中になってしまったのであるから、古書店の存在価値も薄れて行くのであろう。
それよりも、私自身のかなり膨大な蔵書だが、娘二人は、邪魔なので、すぐにでも処分すると言っており、どうするのか、その方の心配が先かも知れない。
経済や経営本は、ともかくとして、シェイクスピアや歌舞伎・文楽、芝居や音楽、芸術関係など、思い入れのある本が結構あるので、孫を手なずけて、と思っているのだが無駄であろうから、死んでしまえばどうでも良いと諦めている。
今日、イタリア文化会館での「ダンテフォーラム」までに時間があったので、神保町に立ち寄ったら、老舗古書店「巌松堂書店」の前に人が集まっていて、張り紙を見ると閉店とかで、6日から月末にかけてセールをしている。
単行本などはすべて一冊300円で、全集などセット本は、値札の半額と言うことで、読書家と思しき中年から初老の男女で、店内は込み合っている。
棚の本はかなり売れていて、大分空間が出来ていたが、まだ、店内には、いつものように沢山の本がうず高く積まれている。
私は、大体、余程のことがない限り、古書を買うことはなく、神保町の古書店で買うのは、殆ど新刊書ばかりである。
したがって、この巌松堂で本を買う場合は、店頭のワゴンに時々並ぶ経済や経営関係のかなり新しい出版の本ばかりなので、店内に入るのは、何か、特別な本を探す時に限られており、殆ど中に入ったことはなかった。
今回、店内に入って良く見ると、奥の書棚には、膨大な法律書や経済、経営関連の本がびっしりと並んでいたのにはびっくりした。
JIMBOU BOOK TOWNのホームページを開くと、巌松堂の記述は、生きたままで、50年の歴史を持つ老舗で、法律、政治、経済、文学、芸術、宗教、哲学、歴史と言った社会・文科系の書籍の専門店だと言うことである。
しかし、中の書棚を見て感じたのは、たとえば、経済や経営に関する本は、歴史的な価値はあるかも知れないが、大半は、本当の古書ばかりで、私には興味を感じる本は全くなかった。
シュンペーター関係の本やイノベーション関係の本があるかと思ったが見つけ出せなかった。
私は、経済とか経営関係の本は、特別な古典ならいざ知らず、非常に賞味期限が短い典型的な分野の学問なので、時間が経った古書には、あまり価値がないと思っている。
したがって、出版されて5年程度も経ってしまった本には、殆ど食指が動かない。
早い話が、たとえば、リーマン・ショック関連やブッシュ関連、まして、9.11関連本などに、間違っても手を出さない。
とにかく、どんどん世界や経済社会情勢が変わってしまうので、後ろを振り向いている暇などないのである。
結局、私が、この日、巌松堂で買った本は、
岩波書店の「近松浄瑠璃集」上下
集英社刊・堀田善衛著「ミシェル城館の人」第3部 精神の祝祭
パバロッティ「マイワールド」 の4冊である。
ミシェル城館は、第1部と第2部は、持っているのだが、第3部を買いそびれていたためで、そして、パバロッティは、英語版を持っているのだが、綺麗な本が残っていたので買ったのである。
近松浄瑠璃本は、他にも持っているのだが、やはり、これは趣味の深さと言うか、あればさからえないのである。
一般の書店の閉店や倒産は、結構、見て来たが、はっきりと、神保町のしっかりした老舗書店が閉店するのを見るのは初めてで、神保町ファンの私には、非常にショックであった。
ブックオフの台頭で、既存書店には、その影響が大きかったと思うが、ブックオフの競合店は、むしろ、新しい書籍を売る一般書店だと思っていたのだが、やはり、インターネットの普及やデジタル本の登場、そして、最も影響の大きな国民の本離れなどから、その書籍不況の大波が、古書店をも襲ってきたのであろうか。
帆船効果で、書店が大型化するなど、起死回生のために大変な試みがなされてはいるが、デジタル革命で、新聞でさえ風前のともしびで消えて行く運命だと、「クリック!」の著者ビル・タンサーが言っているように、紙製の本そのものも、どんどん淘汰されて、デジタル化して電子化されて来ると、書店そのものも、流通革命に煽られている百貨店のような運命に遭遇せざるを得ない。
公立図書館や学校図書館さえ、古書の寄贈を迷惑がる世の中になってしまったのであるから、古書店の存在価値も薄れて行くのであろう。
それよりも、私自身のかなり膨大な蔵書だが、娘二人は、邪魔なので、すぐにでも処分すると言っており、どうするのか、その方の心配が先かも知れない。
経済や経営本は、ともかくとして、シェイクスピアや歌舞伎・文楽、芝居や音楽、芸術関係など、思い入れのある本が結構あるので、孫を手なずけて、と思っているのだが無駄であろうから、死んでしまえばどうでも良いと諦めている。