熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

国立演芸場・・・三遊亭究斗真打昇進襲名披露公演

2014年05月16日 | 落語・講談等演芸
   一昨年前は、春風亭一之輔、昨年は、川柳つくし、今年は、三遊亭究斗の真打襲名披露公演を聞いた。
   究斗は、劇団四季に10年もいて、噺家になったと言う変わり種で、「レ・ミゼラブル」オーディションでテナルディエ役を勝ち取り出演したと言うことで、ミュージカル落語をやると言うので、非常に興味を持った。
   何でもそうだが、異質な素質があり経験があるタレントが新しい芸を編み出す時には、丁度、イノベーションが生まれる原理と同じで、才能があれば、素晴らしい新しいジャンルの芸が生まれると思っている。

   この日演じたのは、「子別れ」で、元の女房と頼が戻せると知った時の大工の熊五郎が、アメイジング・グレイスばりのアリアを歌いだした。
   上質な人情噺が得意だとかで、ミュージカル落語だと思ったら、この日は、古典落語をやったのだが、師匠の円丈師も新作落語を多く作っているようで、今後、面白いミュージカル落語が生まれるのであろう。
   とにかく、この「子別れ」だが、ほろっとさせるところもあり、中々、聴かせる語り口で、出だしはすこぶる好調であり、期待したい。

   円丈が、語ったのは、「シンデレラ伝説」。
   面白いのだが、三匹の子豚とシンデレラの話がごっちゃになり、それに、桃太郎が出て来るなど、お伽噺や童話がチャンポンで、とにかく、奇天烈な話で、何が何だか分からない。
   木久扇は、「彦六伝」。
   師匠の正藏の逸話話を、中風の物まね口調で、実に、器用に語って面白い。
   林家ぼたんが、「悋気の独楽」をやったのだが、これで、3回目だったけれど、女性の視線からの話だったので、そのバリエーションが面白かった。
   三遊亭丈二が、「天失気」。
   医者に「天失気」があるかと聞かれた和尚が、知らないと言えないので、知ったかぶりをして、小僧の珍念にあっちこっちで聞かせて知ろうとし、騙されて笑いをまき散らすと言う話。
   今なら、ネットで検索すれば、すぐ「おなら」だと分かるのだが、そこは、落語であるから、回りくどい。
   三遊亭白鳥は、「ナースコール」
   新作落語が得意のようで、私も、3回ほど、一寸した手術で、入院した経験があるので、笑いとともに、しみじみと聞いていたが、このような、時代の風潮を笑い飛ばすようなギャグの利いた話も面白い。
   
   

   とにかく、この日は、この後、御茶ノ水の「エスパス・ビブリオ」で開かれている、渡邉肇の「人間浄瑠璃」の第一回文楽至宝尽の段の写真展を見に出かけた。
   文楽の人間国宝やトップ演者の写真を集めた非常に上質な素晴らしい写真ばかりで感動的である。

   それから、千駄ヶ谷に向かって、国立能楽堂に行き、能「俊寛」などを鑑賞した。
   落語から、能・狂言と、落差が激しいが、人生、楽しければ、これ程、素晴らしいことはないと思っている。
   元気な証拠である。
   
コメント
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