熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

千鳥ヶ淵、國神社の桜

2015年04月03日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   國神社の能楽堂で奉納される「夜桜能」の第三夜に出かけたために、期せずして、千鳥ヶ淵と靖国神社境内の満開の桜を鑑賞する機会を得た。
   千鳥ヶ淵へは久しぶりで、靖国神社へは初めてであった。
   昨年も、靖国神社の「夜桜能」を見る機会があったのだが、土砂降りの大雨で、野外吹き曝しの能楽堂では無理で、新宿で上演されることとなり、涙を呑んだ。
   今夜も、天気予報で丁度上演時間に雨の予報で出ていて諦めていたのだが、電話で確かめると、予定どおり、靖国神社の能楽堂で行うと言う。

   靖国と隣り合わせた場所なので、千鳥ヶ淵の桜を見ようと、少し早く出かけて行ったのだが、もう、地下鉄の九段下から込み合っていて、大変な人出である。
   お堀端に沿って武道館や皇居入り口あたりから、桜が咲き乱れていて、重い曇天の夕暮れ近くにも拘わらず、華やかである。
   もう、大分散ってしまったのか、濠の水面を、散った桜の花弁が絵の具で描いたようにびっしりと張り付いている。
   
   
   
   
   

   内堀通りを上り、千鳥ヶ淵方向に廻り込む3差路の手前で、通行整理が始まっているのだが、やはり、ここが写真の定点スポットでもあるので、濠の桜を被写体にしてデジカメやスマホを掲げた人で、賑わっている。
   少し、お堀端の遊歩道を千鳥ヶ淵に向かって歩こうとしたのだが、時間的にもきつそうなので諦めた。
   この千鳥ヶ淵のお堀端の桜には、懐かしい思い出がある。
   もう何十年も前のことだが、サンパウロに赴任していた時に、一時帰国で東京に帰って来た時に、家族ともども、このお堀端に面したフェアモント・ホテルに滞在していて、部屋の窓越しに、丁度、今のような桜の季節で、何日か、電光に映えた美しい桜並木を眺めながら過ごしたことがある。
   ところで、夜間照明は、6時からなのだが、能楽堂の方が、6時10分開場であり、靖国神社の参道では夜店の賑わいを見せていて、面白そうなので、そちらの方に行くことにして、帰りに、まだ、夜間照明が残っている様だったら、見ることにした。
   
   
   
   
   
   
   

   國神社の方に渡る歩道橋の上から、内堀通りの桜並木を望んだり、武道館の方角を見ると、結構、ソメイヨシノが植わっていて、ほんわかとした雰囲気を醸し出していて面白い。
   
      

   國神社の一の鳥居に立つと、広い参道の両側に、沢山の夜店や屋台がびっしりと並んでいて、結構、賑わっている。
   殆ど、食べ物屋の屋台で、夫々、しっかりとした店構えで、本格的である。
   屋台の並びの北側の裏側には、もう一列屋台があって、その間の空間に、沢山のテーブルや椅子が並べられて簡易なインスタント居酒屋が設営されていて、大変な賑わいである。
   桜の花も咲いていて、薄暗い裸電球風の照明が、何となく雰囲気があって、夜の賑わいを映し出していて面白い。
   何も、桜の木の下場所取りに奔走しなくても、屋台の予約を入れて宴会をすれば、十分に花見気分を楽しみながら酔って楽しめると言う寸法であろうか。
   尤も、九段坂上方向の屋台の出ていない空間には、関取の若い人がビニールシートの上に座って待機していたから、旧来型の花見もあるのであろう。
   
   
   
   
   
   
   

   さて、第二の鳥居をくぐって、神門の前に来ると、6時に閉門されて、右側の通用口の前に、能楽堂に入るべく待機している列が出来ている。
   門を通過すると、遠方に、拝殿が見えているのだが、能楽堂は、入ってすぐ右側にあるので、中に入ると、沢山の桜が植わっていて電光に照らされて夜桜が美しい。
   能舞台は、真っ暗のままで、幽かにしか見えないが、広場に、パイプいす席が設営されていて、見所になっている。
   座席は、国立能楽堂の3倍くらいはあるあるのであろうか、相当、奥まで椅子が並んでいて、沢山の観客である。
   
   
   
   
   

   雨の予報であったので、入り口に簡易レインコートが配布されたが、幸い雨が降らず、強い風が残っていて、松明を赤々と輝かせ、花吹雪が飛び散って、能楽師たちの方に向かって吹きつけていて、いやが上にも、野外能楽堂での舞台の雰囲気を醸し出していて、面白かった。
   終わり頃には、雲間に微かに月影が見え隠れしていて、気持ちの良い夕べであった。
   
   
   
   

   プログラムは、
   舞囃子 胡蝶 梅若長左衛門 
   狂言  文荷 野村萬ほか
   能   葵上 梅若玄祥ほか
   
   九時少し前に終わったので、インド大使館裏の千鳥ヶ淵のお堀端に出た。
   夜間照明に照らされて、夜桜が電光に映えて美しい。
   人波は、6時の頃よりもはるかに多くなって、週末の夜であるから、これから賑わうのであろうか。
   お堀端の角に立って、写真を数枚撮って、家路についた。
   今年は、結構、花見を楽しめたと思っている。
   
   
   
   
コメント
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