熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

久しぶりの関西・・・(3)道頓堀界隈

2015年04月13日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   大阪の文楽劇場に行く時の宿舎は、日本橋か宗右衛門町か千日前あたりのビジネス・ホテルなので、夜と朝に、散歩を兼ねて、すこし、近所を歩くことにしている。
   時には、何となく、微妙な変化を感じることがあるが、極彩色と言うか、ごてごてしたラテン気質に近い街の雰囲気は、もう、何十年も健在で、殆ど変っていない様に思う。

   この日の夜は、堺筋から道頓堀通りに入って、かに道楽本店前を右にとって橋を渡って心斎橋筋入り口から御堂筋に出て、また、大阪松竹座の前に戻って、法善寺横丁を通って帰る。と言った単純な道筋である。
   昔なら、同僚たちと宗右衛門町あたりの店に入って、夜遅くまで飲んでいたが、年寄りの一人旅では、繁華街には全く縁がなくなってしまった。
   道頓堀川を挟んで東西を横切る道頓堀通りと宗右衛門町通りの雰囲気が全く違うのが興味深い。

   最近は、道頓堀通りに、随分、中国人らしい観光客が増えたような気がする。
   かに道楽前で記念写真を撮ったり、たこ焼きを食べながら団体で歩いていたり、賑やかに中国語を喋っているので良く分かる。
   今回は、ワシントン・プラザ・ホテルであったのだが、客の大半は、中国人の団体で、珍しく、イタリア人の団体も入っていた。
   交差点を越えたところの黒門市場でも、多くの中国人観光客で犇めいていた。
   夜のネオンのけばけばしさと広告や看板の派手派手さは、日本独特と言うべきか、台湾くらいでしか、外国では見たことがない。
   ヨーロッパの古都などでは、かなりの繁華街でも、淡い電飾に浮かび上がったしっとりとした雰囲気の街並みが続いていて、絵になっており、また、凝って工夫を凝らした店の看板や街灯にもカメラを向けたくなるのだが、文化の違いか気質の違いか、興味深いところである。
   
   
   

   この夜の法善寺横丁の水掛不動の前には、珍しく、誰もいなくてひっそりと静まり返っていた。
   隣の夫婦善哉の店も、殆ど人が入っていなかった。
   恋する乙女が少なくなったのか、恋の悩みがなくなったのか、前に来た時には、不動に水をかけて一心に祈っていた若い女性がいたし、何人か並んでいた。
   
   
   

   翌朝は、難波千日前の方に歩いて行った。
   このあたりは、パチンコ店が多くて、結構、朝早くから店の前で列をなしている。
   私はパチンコの経験がないので分からないが、恐らく、趣味を越えて、生活がかかっているのではないかと思っている。
   吉本のグランド花月の前に出た。
   朝から派手な呼び込みで、時間が来たら、売り場のカーテンが上がって、売り出し嬢の顏が見えて、チケットの販売が始まった。
   昔、若かりし頃、時々漫才を聞きに梅田の花月などに行ったが、全く人畜無害ながら、内容がないので、興味がなくなってしまった。
   この日は、何時もの松竹新喜劇ではなく、「大阪の陣」と言う猿飛佐助を主役とする新喜劇特別公演をやっているようであった。
   ところで、このグランド花月の道を挟んで、ジュンク堂の大きな書店があって、その横の細い通りが道具屋筋と言う道具なら何でもそろうと言う横丁が突き抜けている。
   ごった煮と言うか、節操がないと言うか、何があるのか分からないような街が、なんばである。
   
   
   

   その後は、文楽劇場に行くので、黒門市場に向かった。
   京都の錦市場に良く似た大阪の台所とも言うべき賑やかな食品専門店の多い市場である。
   鮮魚店もあるが、勿論、スーパーもあれば雑貨店もあり、色々な店が並んでいて面白い。
   昔、ヨーロッパに居た頃には、新しい街に行くと、その町の市場を訪れて、その町の息吹を感じるようにしていたが、あっちこっちの広場で開かれていた蚤の市を梯子するのも楽しみであった。
   新鮮で安いので、この黒門市場で、劇場での昼のランチ用に、寿司を買って行くことが結構あって重宝している。
   
   
   
コメント
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