熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

久しぶりの旅:佐渡旅行(2)

2022年06月29日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   第1日目は、2時半に両津港のニッポンレンタカーを出て、東に道を取り、姫崎灯台左手にして半島を南下して、南の海岸線沿いの45号線を真っ直ぐ西に方向を取って、松ヶ崎経由で宿根木に向かった。
   途中には、赤泊など適当に集落はあるのだが、小木港までは、殆ど漁村が点々とある程度で、道路も一車線がやっとのところもあり、行き会った車は郵便車だけという寂しさである。
   天気予報は雨であったが、ワイパーを数回回す程度で、時々陽が漏れるなど、助かった。
   
   
   

   この日の宿は、千石船で栄えた宿根木の外れにある「花の木」という小木・宿根木では傑出した旅館である。
   外れと言っても小さな宿根木集落は坂を下った狭い港に密集しているので、やや高台の田園地帯のど真ん中、水田や田んぼに囲まれて林を背にしてぽつんと建つ旅館であるから、カーナビがあっても到着するのに苦労した。
   食事をとる母屋は、150年前の古民家を移築・改築した立派な建物で、林間もどきの庭園を挟んで、二軒の民家風の客室が建っている。
   玄関を入って部屋に上がり、ガラス障子を開け放つと、乾いた涼しい風が吹き上げてきて、クーラーも及ばないほどの涼しさ快適さ、
   目隠しに椿の木が生け垣風に植わっているが、その向こうには田んぼが広がっていて、若い稲が風に靡いている。
   
   
   
   
   

   この旅館で素晴しいのは、フロントフロアーとメインダイニングルームとなっている母屋の空間の豊かさである。
   どこの古民家の移築か聞き忘れたが、黒光りする太い梁は真新しさを失っておらず、高い天井の醸し出す雰囲気は抜群で、これこそ、日本の木の文化の神髄であり、木組みや柱の交差デザインなど、欧米のミシュラン三つ星レストランで経験したインテリアに微塵も遜色がない。
   洗練さと言うよりは温かみのある食事で、一度にではなく、時間をおいてサーブされるのが良く、ゆっくりと、佐渡地酒の伴奏で、心地良く酔わせて貰った。
   
   
   
   
   

   温泉(?)は、車で5分という別室だが、疲れたので部屋の風呂で済ませた。
   久しぶりに和室で布団に寝る。
   夜風の葉ずれの音が心地よく、懐かしい田舎での一夜、
   佐渡に来たという実感が湧いてきた。
コメント
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