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大量の不良債権処理や株式評価損計上で大赤字の上に、三菱UFJ証券の元社員が大量の顧客情報の漏洩で警視庁に逮捕されたと言う十字架を背負った三菱UFJFGの株主総会が、武道館で開かれた。
株主総会集中日の余波で、三井住友とみずほに行けなかったので、この総会が、私にとっては唯一のメガバンクの総会出席だったが、思ったほど、マスコミの関心は強くなく、会場入り口には、カメラマンがちらほらで、株主の反応も至って冷ややかで、無難に終了と言うところであった。
株主から苦言が呈されたが、この会場の音響効果は劣悪で、昨年は平土間で聞いたのだが良く聞こえず、今回は、1階スタンド中央に居たのでまずまずだったが、とにかく、大群衆相手に大変なボリュームで派手なコンサートを繰り広げる会場としては、最高かも知れないが、みずほの東京フォーラム会場を見習えと言いたい。
畔柳社長が、会場として最適かどうか、徹底的に調べたと防戦していたが、一時が万事で、この程度の調査しか出来ない三菱UFJだから、与信業務の徹底などは無理で、不良債権の縮小など望み薄かも知れない。
まず、連結当期純利益の2569億円の赤字だが、原因の主なものは、与信コスト増6000億円、株式評価損4000億円で、問題のサブプライム関連の損失は2700億円と言うことであった。
不良債権の処理、株式評価損が主体の赤字であり、この世界的な経済恐慌状態の中での欠損であるから、特に、三菱UFJが経営の失策を演じたと言うわけではないと思うが、言い換えれば、三菱UFJも、並みの普通の銀行にしか過ぎないと言うことでもあろうか。
さて、問題の証券会社の個人情報漏洩問題だが、謝ったのは、司会の畔柳社長と秋草史幸三菱UFJ証券社長だけで、株主の質問も散発で、最後に被害者と称する株主が、会社が如何に他人行儀で事務的な対応に終始していたかを語っていただけだし、要するに、何時もの事だと言う諦めムードで終わった。
私が気になったのは、秋草社長の説明で、個人情報の漏洩対策などリスク管理については万全を期していたが、ルール通りの運用に抜かりがあったと説明した後に、今後の対策として、第三者の専門家などを糾合した特別委員会などの設置は良いとしても、情報へのアクセスを二人体勢にするとか部長の了解を取るとかを徹底したいと言っていたことで、何を今更と言う気持ちと、大三菱が、この程度さえ出来ずに個人情報保護対策などリスク管理をやっていたのかと言う驚きであった。
三菱UFJも、何か分らない沢山の金融機関や会社を合併吸収・子会社化して大グループになってしまって、行員・社員の質の劣化が激しくなったとOBが嘆いていたが、所詮、組織は組織で、システムをいくら完璧にしても、社員の質とモラルをアップしない限り不祥事は根絶出来ない。
もうひとつの株主の関心は、モルガン・スタンレーとのグローバルベースでのアライアンスについての銀行の対応だが、待ち構えていたように立て板に水のバラ色の展望を滔々と語っていたが、質問者の一人が米銀の経験者で、カルチュアの違うMSと上手くやれるのかどうか、言い換えれば、三菱UFJが、MSを上手くコントロールしてアライアンスの実を上げられる能力と自信があるのかとどうかと、冷や水をぶっ掛けていたのが興味深かった。
総崩れでアメリカ資本主義を窮地に追い込んだ元凶であったとしても、かってのアメリカの投資銀行の卓越性は論を待たず、とにかく、グローバル金融市場でトップ・グループに躍り出たい三菱UFJに取っては、万難を排してでも取得したかったカードであり、永易克典三菱UFJ銀行頭取の説明を聞いていても、グローバルベースでの最高級のONE STOP SHOPINGを実現すべく、総合的な金融機関を目指しての熱烈な希求は並ではないと言う感じであった。
このコングロマリットへの道が良いのかどうかは、これまで、何度も、経営学では紆余曲折を経ながら議論されてきた問題ではあるが、総合化が進んで行く一方、グローバルベースでの急速な専門化が進んで行く兆候も垣間見え初めてもいるので、大きくなればなって行くほど、経営が難しくなってくる。
金融機関にも、選択と集中議論はある筈で、総合好みの日本人には、三菱UFJの戦略は魅力的ではあろうが、ダイナソーになってしまう危険性が極めて大きいと思っている。
株主から、独立していた個々の会社であった時には、その会社独特の個性と魅力があったが、三菱UFJ傘下に入ってからは、コントロールが利いた所為か、全く魅力がなくなり、取引を他社に鞍替えしたと発言があった。
また、優良な中小企業の経営者なのであろう、三菱UFJから融資を受けて滞りなく返済を続けて完済した優良な取引会社である筈なのに、財務管理関連などの会社資料を提出せよと催促されているが、信用しないのかと苦言を呈していた。
JALカード関連で、私にも、三菱UFJニコスから、もう20年以上も問題なく過ごしているのに、源泉徴収表など年収確認書を送れとダイレクトメールが来ている。(複数のカードを持っているが、こんな要求をするのは、この会社だけである。念のため)
個人情報垂れ流しで世間を騒がせているグループの会社だから、自己防衛の為にも、また、痛くも痒くもないので、応えないつもりだが、どうも、三菱UFJは、全社的に、顧客の実績や信用を一切無視して、機械的に、リスク管理とかの名目で、こんな業務を推進しているのであろうか。
先の株主に対して、お客様の状況を正しく把握して、お客様に合った更なるサービスの向上の為の情報収集だと、執行役員が、厚顔無恥とも言うべき詭弁を弄していたが、ものも言い様である。
グローバル・ベースのコングロマリット戦略が、大男総身に知恵がまわりかね で齟齬をきたし始めている。
株主総会集中日の余波で、三井住友とみずほに行けなかったので、この総会が、私にとっては唯一のメガバンクの総会出席だったが、思ったほど、マスコミの関心は強くなく、会場入り口には、カメラマンがちらほらで、株主の反応も至って冷ややかで、無難に終了と言うところであった。
株主から苦言が呈されたが、この会場の音響効果は劣悪で、昨年は平土間で聞いたのだが良く聞こえず、今回は、1階スタンド中央に居たのでまずまずだったが、とにかく、大群衆相手に大変なボリュームで派手なコンサートを繰り広げる会場としては、最高かも知れないが、みずほの東京フォーラム会場を見習えと言いたい。
畔柳社長が、会場として最適かどうか、徹底的に調べたと防戦していたが、一時が万事で、この程度の調査しか出来ない三菱UFJだから、与信業務の徹底などは無理で、不良債権の縮小など望み薄かも知れない。
まず、連結当期純利益の2569億円の赤字だが、原因の主なものは、与信コスト増6000億円、株式評価損4000億円で、問題のサブプライム関連の損失は2700億円と言うことであった。
不良債権の処理、株式評価損が主体の赤字であり、この世界的な経済恐慌状態の中での欠損であるから、特に、三菱UFJが経営の失策を演じたと言うわけではないと思うが、言い換えれば、三菱UFJも、並みの普通の銀行にしか過ぎないと言うことでもあろうか。
さて、問題の証券会社の個人情報漏洩問題だが、謝ったのは、司会の畔柳社長と秋草史幸三菱UFJ証券社長だけで、株主の質問も散発で、最後に被害者と称する株主が、会社が如何に他人行儀で事務的な対応に終始していたかを語っていただけだし、要するに、何時もの事だと言う諦めムードで終わった。
私が気になったのは、秋草社長の説明で、個人情報の漏洩対策などリスク管理については万全を期していたが、ルール通りの運用に抜かりがあったと説明した後に、今後の対策として、第三者の専門家などを糾合した特別委員会などの設置は良いとしても、情報へのアクセスを二人体勢にするとか部長の了解を取るとかを徹底したいと言っていたことで、何を今更と言う気持ちと、大三菱が、この程度さえ出来ずに個人情報保護対策などリスク管理をやっていたのかと言う驚きであった。
三菱UFJも、何か分らない沢山の金融機関や会社を合併吸収・子会社化して大グループになってしまって、行員・社員の質の劣化が激しくなったとOBが嘆いていたが、所詮、組織は組織で、システムをいくら完璧にしても、社員の質とモラルをアップしない限り不祥事は根絶出来ない。
もうひとつの株主の関心は、モルガン・スタンレーとのグローバルベースでのアライアンスについての銀行の対応だが、待ち構えていたように立て板に水のバラ色の展望を滔々と語っていたが、質問者の一人が米銀の経験者で、カルチュアの違うMSと上手くやれるのかどうか、言い換えれば、三菱UFJが、MSを上手くコントロールしてアライアンスの実を上げられる能力と自信があるのかとどうかと、冷や水をぶっ掛けていたのが興味深かった。
総崩れでアメリカ資本主義を窮地に追い込んだ元凶であったとしても、かってのアメリカの投資銀行の卓越性は論を待たず、とにかく、グローバル金融市場でトップ・グループに躍り出たい三菱UFJに取っては、万難を排してでも取得したかったカードであり、永易克典三菱UFJ銀行頭取の説明を聞いていても、グローバルベースでの最高級のONE STOP SHOPINGを実現すべく、総合的な金融機関を目指しての熱烈な希求は並ではないと言う感じであった。
このコングロマリットへの道が良いのかどうかは、これまで、何度も、経営学では紆余曲折を経ながら議論されてきた問題ではあるが、総合化が進んで行く一方、グローバルベースでの急速な専門化が進んで行く兆候も垣間見え初めてもいるので、大きくなればなって行くほど、経営が難しくなってくる。
金融機関にも、選択と集中議論はある筈で、総合好みの日本人には、三菱UFJの戦略は魅力的ではあろうが、ダイナソーになってしまう危険性が極めて大きいと思っている。
株主から、独立していた個々の会社であった時には、その会社独特の個性と魅力があったが、三菱UFJ傘下に入ってからは、コントロールが利いた所為か、全く魅力がなくなり、取引を他社に鞍替えしたと発言があった。
また、優良な中小企業の経営者なのであろう、三菱UFJから融資を受けて滞りなく返済を続けて完済した優良な取引会社である筈なのに、財務管理関連などの会社資料を提出せよと催促されているが、信用しないのかと苦言を呈していた。
JALカード関連で、私にも、三菱UFJニコスから、もう20年以上も問題なく過ごしているのに、源泉徴収表など年収確認書を送れとダイレクトメールが来ている。(複数のカードを持っているが、こんな要求をするのは、この会社だけである。念のため)
個人情報垂れ流しで世間を騒がせているグループの会社だから、自己防衛の為にも、また、痛くも痒くもないので、応えないつもりだが、どうも、三菱UFJは、全社的に、顧客の実績や信用を一切無視して、機械的に、リスク管理とかの名目で、こんな業務を推進しているのであろうか。
先の株主に対して、お客様の状況を正しく把握して、お客様に合った更なるサービスの向上の為の情報収集だと、執行役員が、厚顔無恥とも言うべき詭弁を弄していたが、ものも言い様である。
グローバル・ベースのコングロマリット戦略が、大男総身に知恵がまわりかね で齟齬をきたし始めている。