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街に入り、ウォーターサイドを左岸に沿って南下すると、シェイクスピア大劇場とスワン座が左側に並んでいて、スワン座の筋向かいにアーデンホテルが建っている。白い牡鹿の看板が目印で、スワン座を横切ったところで車を止めて、ロビーに入ってボーイに駐車場の位置を聞いた。駐車場はホテルの裏にあるのは分かっているが、道が狭くて一方通行であり、右折れ左おれで、ワンブロックを一周しなければならない。丁度、ギルド・チャペルとニュー・プレイスの角を曲がって直進すると小さな路地があり、中に入ると広いオープンスペースの青空駐車場があった。
ボーイに指示するのを忘れたので、スーツ・ケースを車から降ろして、コロンコロンと転がして、レセプションの標識を便りにホテルに入った。気付かなかったのだが、このホテルは、何棟かの建物を繋ぎ繋いでホテルにしているので、入り組んだ廊下を上がったり下がったり、フロントまでは大変な道中であった。結局、部屋が別棟にあったので、チェックインしてからも苦労した。
こじんまりしたロビーに出て、フロントでチェックインの旨伝えた。
「名前がないが、予約したのか」と、可愛いフロント嬢が聞く。東京から電話で予約を入れて、クレジットカードのデータも伝えた旨言ったが、残念ながら、予約を受けた相手の名前を聞いておくのを忘れていた。しかし、8年間のヨーロッパ生活で、ミシュランの赤本ガイドを便りに電話一本で通してきたので解せない。
「一寸待って下さい。どんな部屋が良いのですか。何日間ですか。」脈ありと察して、「シングルで2日間、出来れば、エクゼクティブ・ルームが良い。」と応えた。すぐに、普通のシングルを用意してくれたので、事なきを得た。
彼女の対応から、予約データが入っていた模様だったが、日本からの個人的な直接予約なので、必ずしも確定予約として扱わず、本人が来てから、部屋が開いていればチェックインさせようと言うことであろう。エージェントや旅行会社からの予約なら優先するが、良く分からない外国からの個人客の予約なら、単なる埋め草、
オーバーブッキングして稼働率を上げようというのが常套手段のようで、別に異常でもないようだが、イギリスでは始めてであった。
イタリアなどでは頻繁で、このブログでもミラノのホテルのトラブルを書いているが、マネージャーを強談判で窮地に追い込み処理したことがある。深夜くたくたになって東京から着いて、チェックインできないとは死活問題なのである。
部屋は、公園に面した二階で、エイボン川には面していないが、明るい中庭を見下ろせる横長のツインの部屋である。別館の一番端の角部屋で、普通部屋としては上等で、印象が良くなった。アブラハム邸で詰め込んだ荷物を整理しながら、部屋に備え付けの紅茶を飲む。このティッスル系のホテルや普通の田舎のホテルには、殆ど部屋に、」小さな電気湯沸かし器と、ティー、インスタント・コーヒー、ココアのパッグ、ビスケットなどのスナック、ミルクのパックなどが比較的タップリと備え付けられていて、自由にお楽しみ下さいという寸法である。出口教授の本には、英国の良き風習だと書かれているが、これは大衆ホテルがすこし上等なホテルのことであって、格式の高いホテルや高級ホテルでは、こんな備え付けはなく、ボーイが「ティーは如何しましょうか」と聞いてくれるし、必要なら、ティーなどはルームサービスでオーダーすることになっている。
このアーデンホテルは、何百年といった古いホテルではないが、本館は3階建てで、長い廊下の両側に部屋があり古い形式の客室が並んでいる。フロント・レセプションは本当に小さくて20畳くらいの広さで、そのすぐ奥が、ロビー代わりのパブになっている。パブに近いバーと言った方が正確で、セッティングは落ち着いた感じの内装とソファーで、普通良くあるゲーム機がない分静かで良い。それに、イギリスではパブは夜11時に閉店だが、この「アーデン・バー」は、それがないので遅くまで飲めるし、明るい雰囲気が良い。
玄関ロビーを入った左手に、比較的大きなレストランがある。このホテルそのものが、大きな田舎貴族の館という感じなので、、明るい瀟洒な白とピンクを基調としたテーブルや椅子のセッティングが爽やかである。都合2泊して、朝・昼・晩と1回ずつ、このホテルで食事を取ったが、味は可もなく不可もなくであった。土地柄、シェイクスピア・パイを試みた。賽の目切りにした人参・キュウリなどの野菜と一緒に甘く煮た牛肉の上に、煎餅状の丸いパイ皮が載っているだけのものだが、味はまずまず、しかし、何故これがシェイクスピア・パイなのか聞きそびれた。ここのイングリッシュ・ブレックファーストは、伝統的なイギリス料理が主体で、コンチネンタルがいくらか混じっていると言った感じで、やはり、非常にヘビーであったが、一寸塩辛かったので血圧が気になった。
このレストランの正式名称は「バード・レストラン」。確かに、小鳥のさえずりが爽やかだし、ロビーと反対側の出入り口が、広い中庭に通じていて、階段状のイングリッシュ・ガーデンが街路に面した部分に屋根がかかっていて、野外レストランとなっている。たまに暑い日もあるが、ヨーロッパの夏には、高級レストランでも、場所に余裕があれば、庭や街路にテーブルを張り出して、野外サーブして客をもてなす。あの南国のスペインでも、陽が陰ると、緑陰でたらふく飲んで食べる、それがすこぶる快適で楽しいのである。このアーデン・ホテルのレストランでも、美しい花が咲き乱れる野外の方が人気が高く、街路とは柵と木々とで遮断されていて、反対側の花壇は、丁度階段状に、ペチュニア、ゼラニウム、キンギョソウ、スイトピーなどのカラフルな草花が、カーペット状にビッシリと植え込まれていて、華やかで明るい。
因みに、このレストランだが、比較的観光地にしては安い方で、フルコースのディナーで、ワイン付きで、1万円を切る程度である。
ボーイに指示するのを忘れたので、スーツ・ケースを車から降ろして、コロンコロンと転がして、レセプションの標識を便りにホテルに入った。気付かなかったのだが、このホテルは、何棟かの建物を繋ぎ繋いでホテルにしているので、入り組んだ廊下を上がったり下がったり、フロントまでは大変な道中であった。結局、部屋が別棟にあったので、チェックインしてからも苦労した。
こじんまりしたロビーに出て、フロントでチェックインの旨伝えた。
「名前がないが、予約したのか」と、可愛いフロント嬢が聞く。東京から電話で予約を入れて、クレジットカードのデータも伝えた旨言ったが、残念ながら、予約を受けた相手の名前を聞いておくのを忘れていた。しかし、8年間のヨーロッパ生活で、ミシュランの赤本ガイドを便りに電話一本で通してきたので解せない。
「一寸待って下さい。どんな部屋が良いのですか。何日間ですか。」脈ありと察して、「シングルで2日間、出来れば、エクゼクティブ・ルームが良い。」と応えた。すぐに、普通のシングルを用意してくれたので、事なきを得た。
彼女の対応から、予約データが入っていた模様だったが、日本からの個人的な直接予約なので、必ずしも確定予約として扱わず、本人が来てから、部屋が開いていればチェックインさせようと言うことであろう。エージェントや旅行会社からの予約なら優先するが、良く分からない外国からの個人客の予約なら、単なる埋め草、
オーバーブッキングして稼働率を上げようというのが常套手段のようで、別に異常でもないようだが、イギリスでは始めてであった。
イタリアなどでは頻繁で、このブログでもミラノのホテルのトラブルを書いているが、マネージャーを強談判で窮地に追い込み処理したことがある。深夜くたくたになって東京から着いて、チェックインできないとは死活問題なのである。
部屋は、公園に面した二階で、エイボン川には面していないが、明るい中庭を見下ろせる横長のツインの部屋である。別館の一番端の角部屋で、普通部屋としては上等で、印象が良くなった。アブラハム邸で詰め込んだ荷物を整理しながら、部屋に備え付けの紅茶を飲む。このティッスル系のホテルや普通の田舎のホテルには、殆ど部屋に、」小さな電気湯沸かし器と、ティー、インスタント・コーヒー、ココアのパッグ、ビスケットなどのスナック、ミルクのパックなどが比較的タップリと備え付けられていて、自由にお楽しみ下さいという寸法である。出口教授の本には、英国の良き風習だと書かれているが、これは大衆ホテルがすこし上等なホテルのことであって、格式の高いホテルや高級ホテルでは、こんな備え付けはなく、ボーイが「ティーは如何しましょうか」と聞いてくれるし、必要なら、ティーなどはルームサービスでオーダーすることになっている。
このアーデンホテルは、何百年といった古いホテルではないが、本館は3階建てで、長い廊下の両側に部屋があり古い形式の客室が並んでいる。フロント・レセプションは本当に小さくて20畳くらいの広さで、そのすぐ奥が、ロビー代わりのパブになっている。パブに近いバーと言った方が正確で、セッティングは落ち着いた感じの内装とソファーで、普通良くあるゲーム機がない分静かで良い。それに、イギリスではパブは夜11時に閉店だが、この「アーデン・バー」は、それがないので遅くまで飲めるし、明るい雰囲気が良い。
玄関ロビーを入った左手に、比較的大きなレストランがある。このホテルそのものが、大きな田舎貴族の館という感じなので、、明るい瀟洒な白とピンクを基調としたテーブルや椅子のセッティングが爽やかである。都合2泊して、朝・昼・晩と1回ずつ、このホテルで食事を取ったが、味は可もなく不可もなくであった。土地柄、シェイクスピア・パイを試みた。賽の目切りにした人参・キュウリなどの野菜と一緒に甘く煮た牛肉の上に、煎餅状の丸いパイ皮が載っているだけのものだが、味はまずまず、しかし、何故これがシェイクスピア・パイなのか聞きそびれた。ここのイングリッシュ・ブレックファーストは、伝統的なイギリス料理が主体で、コンチネンタルがいくらか混じっていると言った感じで、やはり、非常にヘビーであったが、一寸塩辛かったので血圧が気になった。
このレストランの正式名称は「バード・レストラン」。確かに、小鳥のさえずりが爽やかだし、ロビーと反対側の出入り口が、広い中庭に通じていて、階段状のイングリッシュ・ガーデンが街路に面した部分に屋根がかかっていて、野外レストランとなっている。たまに暑い日もあるが、ヨーロッパの夏には、高級レストランでも、場所に余裕があれば、庭や街路にテーブルを張り出して、野外サーブして客をもてなす。あの南国のスペインでも、陽が陰ると、緑陰でたらふく飲んで食べる、それがすこぶる快適で楽しいのである。このアーデン・ホテルのレストランでも、美しい花が咲き乱れる野外の方が人気が高く、街路とは柵と木々とで遮断されていて、反対側の花壇は、丁度階段状に、ペチュニア、ゼラニウム、キンギョソウ、スイトピーなどのカラフルな草花が、カーペット状にビッシリと植え込まれていて、華やかで明るい。
因みに、このレストランだが、比較的観光地にしては安い方で、フルコースのディナーで、ワイン付きで、1万円を切る程度である。