茂木健一郎先生講演「これからの教育のあり方」 【マインドマップ講義録】

8月4日(月)にホテルフロラシオン青山で行われた「財政経済セミナー」で、茂木健一郎先生が行った講演の記録マインドマップです。

オーディエンスとして集まっていたのは小学校から高校までの教員。皆さんけっこう、茂木先生の話が目的で参加していたようで、話が進むほどにフロー状態の空気になっていきました。

メモを取っていった速射マインドマップは全部でA4・3枚になったのですが、それをA3・1枚にまとめてみたのが写真のものです。

少々解説を加えます。


(日本の資源)
日本は資源のない国であるから「人」が資源である。いかにして人を育てるかで国の将来が大きく左右される。これまでの日本社会では良い大学を出て、良い会社に入ってという均一の生活を大量生産することがモデルとなっていた。
しかしこれからの社会はそれがまったく通用しなくなり、潜在能力や新しいアイデアを引き出すためにはどうしたら良いかを問われる時代になってくだろう。

(智のグローバル化)
これまで授業で行われてきた「マスプロダクション」ではできないのが、師匠と弟子という関係を築くこと(本居宣長の例をひかれました)や独創性。大学というのは専門バカを作るところではなく、総合性に富んだ大きな世界観・文明観を持った人間を作ることが必要になってくるに違いない。

(教育について)
企業の仕事に従順な、標準的な人間を作る教育はもういらない。教育に必要なのは同じような内容を保障することではなく、一教師の人格で子どもたちに影響を与えることが大事である。偉人というのは師匠から弟子へのリレーが必ずある。そういう関係が必要になってくるだろう。

(パーソナリティー)
人間がパーソナリティを築いていく時の両親の影響は20%。そのほかの出会いが影響する確立が80%である。だから教師の影響が大きいのである。ミラーニューロンという部分が脳にはある。自他の関わりの中でお互いに影響を与えることをミラーニューロンという。

(化粧研究)
女性が朝、何十分もかけて化粧をする。この化粧をした顔は「他人顔」として認識されていく。実は人間はアイコンタクトを取るとドーパミンが出ることが分かっている。鏡の中の自分と目を合わす事でドーパミンが出て、強化学習が成り立っていくのが女性の化粧である。

(オープンエンド)
人生の選択に正解はない。この選べるというところに重大な意味がある。
強化学習とは褒められたり認められたり、自分で納得のいく学習ができた瞬間にドーパミンが放出され、もっと学習を積み重ねていきたくなる。この強化のサイクルに子どもたちを入れてあげることができれば可能性は大きく開かれる。

(神経経済学)
人間はコンビニや自動販売機で品物を選ぶ時、決定まで2秒くらいしかかからない。つまり直感で買っているのだ。ここに論理的なものはほとんどない。頭ばかりで考えるのではなく、身体を動かすことによって脳をも働かせることが大事である。

(羽生名人と将棋ソフト)
羽生名人と最強将棋ソフトの差は何か?
「直感」「ひらめき」「創造性」「読み」これはパソコンでは再現できない感情である。こうしたパソコンとの違いをよく認識しておく方が良い。

(日本の心)
日本という国は「万葉集」が特徴。天皇から農民にいたるまで万葉集には登場する。智恵と平等の集大成とも言える。
元々、日本人は突出すると叩かれる面があるが、一人で考えるのではなく、複数人で考えることが日本の能力を高めることになる。




感想・・・・・

やはり茂木先生の話は分かりやすくユーモアに富んでいる。聞いていて思わず笑顔になれる。楽しい!

これからの日本の教育で必要だと言われた「アイデア」「独創性」「総合性」「潜在能力を引き出す」「ひらめき」「創造性」「直感」という分野は、マインドマップが最も得意とする。

さらにいったんマインドマップをかく楽しさを知れば、この本についてもマインドマップでまとめよう、この問題についてもマインドマップで考えよう、試験勉強にマインドマップを使おうなど、強化学習のサイクルにはまりやすい。

これからの時代の教育にはマインドマップがどうしても必要になることをあらためて感じた今日の講演でした。

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