保護者ボランティアさんお勧めの本(2)

鉄のキリンの海わたり
あさば みゆき
BL出版

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鉄のキリンのじいさんは、船から港へ荷を移す仕事を長年続けていた。ある日、母親のもとへ帰りたがっている男の子を救うために、その長い首に男の子をのせて、大海原へと踏み出すが…。大阪国際児童文学館主催日産自動車協賛、第25回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞作品。 (「BOOK」データベースより転記)
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言葉をたくさん知っているとどんな大人になるか?【マインドマップ活用授業】

昨日、はるばる石川県小松市の芦城小学校からお二人の先生が、私たち6学年に1日参観をするためにいらっしゃいました。

その目的は、
(1)マインドマップを授業でどのように活用するのか。
(2)学級崩壊を劇的に改善したその理論と実践
この2点を研修するためでした。

昨年来、芦城小学校の研修主任の先生から、「ぜひ参観に行かせてほしい。校長先生も来年度の校内研究で取り入れていきたいと希望しています。」という内容のご連絡を何度もいただき、やっと実現しました。わざわざ遠い石川県から来ていただいたので、私としてもかなり力を入れて授業を考えました。

さらに2組のモジャ先生も「マインドマップ研修フェロー」ですから、1組の私と同じように「言葉」に視点を当てたマインドマップ活用授業を公開してもらいました。


さて、その中のひとつ。1時間目の私の授業は、このブログ内でとても参考になるご意見をくださった、保護者の夕顔さんのアイデアを授業化しました。テーマは『言葉をたくさん知っていたらどんな大人になるか?』です。(朝礼の終わりが押したので、実際の授業時間は35分程度です。35分間でこれだけの内容ができてしまうマインドマップのすごさを感じていただければ幸いです。)



【授業の流れ】

(1)導入(5分)
①本時のゴール(めあて)確認
 ・全員が発言をする。
 ・授業の最後に言葉を知っている大人のイメージを全員が持てる。
②本時の活動内容と時間配分の確認
③前時の振り返り
 ・前時で行った『言葉を知らないとどんな大人になるか』で考え合ったことを思い出す。

(2)思考活動(10分)
①マインドマップで「言葉をたくさん知っていたらどんな大人になるか」を考える。
 ・BOIで行き詰る児童支援するため、BOIのアイデアとなる言葉を板書する。

(3)意見交流
①考えたことを発表し合う。
②話し合いの進行は児童に任せ、教師は書記に徹する。
 ・スムーズな進行を促すために、「クッシュボール」を活用する。

(4)まとめ
 ・この1時間に考えたことを元にして、授業の感想を書く。


こうして出来上がったのが写真のマインドマップです。
まずはこれを私なりに解説文にしてみます。


「言葉をたくさん知っていたらどんな大人になるか」ということを学級全員で考えてみました。出てきた意見は「友達関係」「人間関係」「心の成長」「将来のこと」「期待できる能力」「会話力」「敬語について」の7種類に分けられます。

言葉をたくさん知っていると、「友達」とのおしゃべりもはずみ、自分の思いをスムーズに伝えることもでき、伝わらないというストレスが減ります。その結果、楽しい友達関係を築いていくことができると期待できます。またいろいろな言葉を知っていることで知識も増え、友達に教えることもできるので尊敬される人になるでしょう。

「人間関係」への影響も考えられます。まず、言葉をたくさん知っているひとは暴力を使った問題解決をすることはないと思います。相手の心に伝わる言葉を持っていれば人間関係も深まりますし、相手のことを考える力も高まるので「やさしさ」につながるでしょう。また、言葉をたくさん知っていれば周りの人にも信頼され、仕事もたくさん任されるし、困っている人からの相談も増えるに違いありません。自分のプライドも高まることでしょう。プライドの高まりは自尊心を高めることにもなります。

言葉は「心」にも良い栄養を与えます。言葉を知っていることから「思いやりの気持ち」が生まれ、良い人間になれると思います。そして、相手に合った言葉を選びながら、適切な励ましを送れる人になるでしょうし、相手がどんなことに悩んだり苦しんだりしているのかも理解できることが多くなるでしょう。様々なことを「プラス思考」で考えることができるようになり、人に影響を与える人間になります。

言葉を知っている人は、将来、高校や大学にも行けるでしょうし、過去の歴史や大切な知識を子どもたちに使えていくことができる大人になるでしょう。

言葉を知っている人の能力についても高い能力を持つことが期待できます。本をたくさん読むことができるし、難しい本を読めるようになるので、頭が良くなり、智慧もつきます。仕事もできる人間になるでしょうし、発言力も上がります。話し合うための言葉もできるだけたくさん知っていると、落ち着いて会議をすることができるし、説得力や文章力もあるので会議を進める力も発揮されます。

「会話力」がある大人になるので、その人の周りには人がどんどん集まるようになります。そして、集まった人に好かれる人間になります。大人から子どもまで幅広い人々に好かれる力を持ち、自分の思いを伝えることはもちろん、他の人たちの思いも代わりに話せるくらいの会話力を持ちます。

「敬語」もよく知っていて、礼儀正しい人だという好印象を持たれます。その場に応じた言葉を使えることは会話力と同じように人を集める力となります。

このように「たくさんの言葉を知っている大人」になることは、みんなを活かし、信頼される素晴らしい大人になるのだと井上学級は考えました。




【授業を受けた子どもの感想】

まずはじめに、この授業の後、「自分の感想は時間内に書けないから帰りまで待って下さい。」と言ってきたある男子の感想を載せます。その後、もう一人、女子の感想を載せます。ぜひ読んであげて下さい。

(男子S.Kさん)
ぼくは言葉を知っていると、今のぼくも将来のぼくも生き生きと幸せが来るのではないかと考えました。なぜなら今、言葉を知っているとあまり知らない人でもコミュニケーションが増えて、友だちになれるかもしれないと思いました。そして友だちとしての関係がもっと深まって、親友そして大親友になると思いました。

そしてあまりけんかもおこらなくなると思いました。でも、もしけんかがおこったとしても、暴力で解決することはなく、言葉で解決すると思いました。そして、みんなと仲良くなると、親も安心感が持てて、家族とよりいっそう関係が深まると思いました。そのような事がたくさんおこるとやさしい言葉が使えるようになって、能力も上がって成績も優秀になると思いました。このことからぼくは、本当に頭の良い人は言葉も心もみんなやさしいのだと思いました。

そして今のためではなく、将来のことのためにも役に立つと思いました。たとえば、大学に行くために受験をするけれど、能力がないとそこには入れません。しかし、ぼくはさっきも言ったように、まずはやさしい心がないと能力が上がらないと思いました。そして大学に受かって、そこで社会について勉強します。その後、大学を卒業して就職試験を受けます。そこでも良い心や態度などを示すことができて、そしてやっと合格して就職するですが、やはりそこでも言葉を大切にすることは必要だと考えました。その会社の中でいろんなやりとりをし、信頼を受けて、大きな仕事を任される。そういうことが言葉を知っている人たちの歩みだと思いました。
しかし、あまり言葉を覚えていない人は、会社の会議の時に説得力がなく、幸せな人生も送りにくいと思いました。

最後にぼくがこの授業を受けて感じたことをまとめます。
やさしい心が生まれると、ポジティブになるし、人の心を大切にする思いやりが増えて、みんなから信頼感のある人、とてもいい人、やさしい人、明るい人などと思われるようになります。ぼくはそういうやさしい心をもった大人になり、そういう心を未来の子どもたちに伝えたいです。


(女子M.Oさん)
言葉をたくさん知っていれば、可能性は無限だと思う。
理由は、しゃべることによって脳内が活発に動いて覚えることができるし、そうすればたくさんの角度から、ものごとを考えることができる。たくさんの人から共感されるし、信頼も受ける。信頼されればたくさんのことを任せてもらえる。するとたくさんの経験ができる。能力が上がる。そんなふうに続くと思う。
これで「最高の人間」ができあがると思いました。
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