マインドマップを活用した読書感想文の書き方指導(3) 【モチベーションアップ編】

なにしろ「読書感想文」を書くためには、良い本をたくさん読むことが最大の栄養となります。ただし、子どもが感想文を書くという心の壁を感じて、読書熱が冷めてしまうことがmないようにしたいものです。そこでまず、本を読む立場の人の権利をユニークにまとめた「10ヶ条」を紹介します。

ペナック先生の愉快な読書法―読者の権利10ヶ条
ダニエル ペナック
藤原書店

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読者の権利10ヶ条
 1.読まない権利
 2.飛ばし読みする権利
 3.最後まで読まない権利
 4.読み返す権利
 5.手当たり次第に何でも読む権利
 6.ボヴァリズム(ボヴァリー夫人みたいに小説に書いてあることに染まる)権利
 7.どこでも読んでもいい権利
 8.あちこち拾い読みする権利
 9.声を出して読む権利
 10.(読んだことを)黙っている権利

けっこう私の読書方法に近い感覚があります。私は普段、1冊の本をじっくり読むという姿勢を持っていません。常に10冊前後の読書チャンネルを持っていて、気が向いたら小説を読み、飽きたらビジネス書、学ばなくてはならないと思ったら教育書、半身浴をしながらマンガ本を読むといった、いわば乱読のような状態です。子どもたちにはおススメできないかもしれません。


本題に入ります。

画像のマインドマップから文章に変換します。
子どもたちがマインドマップから文章に直す時の参考になるように書いてみます。
でも、難しい文体で書きますので、大人の解説がないと小学生には理解できないでしょう。



読書モチベーションをアップさせる条件として、次の4つの視点から考えてみました。
「家庭の影響」「学校の影響」「友だちの影響」「本人自ら」というものです。

まず「家庭の影響」から説明します。
子どもの手に本を取らせるためには、親や兄弟姉妹が共に図書館や書店に行くことが大事ではないでしょうか。生活の中に「本」という存在を定着させるためです。子どもが小さい頃から、親が読み聞かせをしていた家庭は、そうでない家庭より本に親しむ子どもに育っている確率が高いはずです。
可能であれば、家庭環境の中に「書斎」のようなスペースがあると良いです。それが難しければ、最低でもひとつは本棚があると良いと思います。そして家族が子どもたち以上に本を読んでいる姿を見せることが大事です。
家族の団らんの中でも、読書に関する話題があがるようになると理想的ではないでしょうか。何気ないおしゃべりの中で出てきた本の題名は、けっこう気になるものです。
こうした家族の努力が、子どもたちへの無言の励ましになるはずだと考えました。

第二に「学校の影響」です。
夏休み、学校からは「読書感想文」という宿題が出されました。これは完全なる「外発的モチベーション」による読書となります。宿題で感想文を書くのは最も苦痛ですね。
小学校の国語の授業には「ブックトーク(本の紹介)」という単元があります。ここで友だちから紹介された本は、けっこう子どもたちの心に残っていて、授業の後で興味のわいた本を手に取ることがありますね。
担任からは、読書の意義について何回も何回も指導していく必要があるでしょう。では、その意義とは何でしょうか。
一つには、本を読むことで、ふだんの生活では体験することのできない出会いが生まれます。「登場人物との出会い」と「著者との出会い」です。こうした出会いは、私たちの人生に大きな力となります。本の中で登場人物が語っている言葉を心に刻み、自分自身の生き方に反映していくことによって、私たちは有意義な生き方をすることができるようになります。
また、私たち教員は、子どもたちに向上心を育む必要があります。向上心を持って読書をすれば、思考力・想像力・創造力・語彙力・表現力など、たくさんの能力を伸ばしていくことができるのです。

第三に「友だちの影響」があります。
実は、この「友だちの影響」こそ、最も読書熱を高める効果があるのです。

2年前に担任した6年生(現中2生)は、読んだ本を友だちに紹介して、年がら年中回し読みをしていました。そのため、共通の話題をたくさん持っていて、いつも本の内容や登場人物の魅力を楽しそうに語り合っていました。
友だちからの情報は、大人が上から目線で与える情報よりもはるかに良いものです。

また、友だちと読書の情報交換をしていると、知らないうちにレベルの高い本を手にしていくことに気づくことでしょう。これは子どもだけでなく、大人でも同じなのです。私がブログで本を紹介することによって、その情報をキャッチしてくれた人は20代の若い人であっても、40代、50代の人以上に急成長しているという事実があります。

最後に、「本人の影響」について書きます。
本を読むきっかけは人によって様々です。きっかけはすごく大事であり、良いきっかけがあれば本に対する興味が続きます。しばらく興味が続けば、読書をすることが習慣となっていきます。
理想的な姿は、「読書=趣味」となることです。そうなれば本を読みたくてならなくなりますし、いつでもどこでも楽しめる財産を得ることができるわけです。
また、私は「読書する姿=向上心を持っている姿」というふうに思っています。本から得た知識によって、深くて高い人生観を育むことができるでしょう。そういう読書リズムに乗った人は、心身からにじみ出てくる“カッコ良さ”があるのではないでしょうか。



井上は、大学生時代に往復4時間という通学時間に、大学の友だちと一緒に電車内読書会をしていました。同じ本を読んでは語り合い、まだ読んでいない本を紹介しては感想を伝える。この読書が今の私を根っこから支えていることは間違いありません。


若き日の読書は一生の財産です。
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東京スカイツリー 2010-07-28

第1展望台の形もほぼできあがり、もうすぐ400mの高さとなる予定です。
残り234m。
じつは江東区内には東京スカイツリーと東京タワーを同時に見ることができる絶景展望スポットがあります。「有明スポーツセンターの最上階展望ラウンジ」です。担任する4年生を連れて、9月に社会科見学に訪れる予定です。
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