鹿島鉄道の湘南フェイス陣営 (?) のうち、20mの堂々たる車体を持つキハ714が古き良き都市間輸送DCの残党を代表しているとすれば、16.5mで小ぶりな車体のキハ430形はプチでキュートな (??) ローカル線車両として生まれ、最後までその雰囲気を保った車両だったと思います。今から7年前に撮り鉄に復帰して間もない頃、常磐線鈍行の旅の途中ではじめて石岡駅に降り立ち、鹿島鉄道ホームのすぐ隣の定位置で出番待ちをしていたキハ431・432 (当時は↓の画像のような塗り分け) を目にした瞬間……心の底から「ををっ、こんな車両が本当に生きていたとは……♪ 何で10年近く撮り鉄から離れていたんだろう」と思ったものです。
そして、実際に乗ってみますと、小さな体を精一杯震わせて一生懸命走る姿にもう感激……(*^^*)。キハ714もそうですが、バス窓といい木製の床といい、全てが素晴らしいのひとことでした。
そんなキハ430のうち、432が「赤い金太郎」になったのが02年の末。年明けに訪れてみたところ、屋根から床下まで全てがピカピカに塗り替えられて最高に凛々しい姿になったばかりの赤い金太郎が、何ともうまい具合に常陸小川折り返しの運用に入ってくれまして、短い折り返し時間のあいだ、ほとんど狂喜しながらポジフィルムの枚数を気にするのも忘れて激写したのを思い出します……(↓の画像)。
もちろんその日、鹿島鉄道を訪れていた撮り鉄はたった一人、私だけ。今では考えられませんが、本当にそれほど鹿島鉄道はなごみの世界だったのです……。
こんな感じで、個人的に楽しい思い出がたくさんあった赤い金太郎とももうお別れ。午前中1往復の運用に入るだろうということは、朝の石岡駅での停車位置から判断できましたので (2両のキハ430のうち、北端の引上線に近い位置に停車している方が午前中の運用)、光線の状態とあわせてどこで撮ろうか……と考えて選んだのが玉造町。まず進入シーンを撮った後、速攻で鉾田方に移動しまして発車シーンも撮るというムリヤリな計画ではありましたが (^^;)、やはりHMを取り付けた赤い金太郎の最後の姿をきっちりととどめたい……という一心で、何とか会心のカットをものにしたのでした。