地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

銚子電鉄・危機から1年 (3) 大黒柱801

2007-12-08 11:40:12 | 地方民鉄 (銚子)


 少々間が開いてしまいましたが、先月の銚子電鉄再訪録のつづきです。
 銚子電鉄の主力の座を占めているのは、2両在籍するデハ1000であることは疑いないのですが、半鋼製釣掛式電車大好き人間としてはやはり、元伊予鉄・デハ801の大活躍を贔屓目に見てしまいたくなるというものです。デハ801は単に銚子電鉄最大の車両として観光客の急増にも対応できる (?) だけでなく、何と言ってものんびりガタゴト走る銚子電鉄のイメージリーダーとしての役割を担っているようにも思います。今回訪れた際にも、団体ツアーで訪れたオバハン、もとい御婦人方が「青くてハデな電車じゃなくて、こっちの古い電車の方で良かったわぁ♪」という会話をしているのを何度も耳にしましたもので……。
 そこで、恐らくそういう事情もあるのでしょうか、私が訪れると必ずデハ801が運用に入ってくれておりまして (*^^*)、デハ1000のみという事態には遭遇しておりません (今回は1002が検査中)。そして、デハ801の検査の際にはデハ701が代走するのだろうか……と予想しています。もっとも、デハ701は未だに営業運転に当たったことがなく、たまにはこちらを当てたいなぁ……と (^^;



 しかし、そんなデハ801・701の活躍も決して長くは続かないようです……。やはり銚子電鉄が今後とも走り続けるためには、いつまでも老朽化が否めない半鋼製車を使い続けるわけには行かないということで、恐らく国土交通省からも内々にクレームがついたのでしょうか。既に公式HPにアップされている安全報告書 (PDF) によりますと、来年には2両の代替車両を導入するとのこと! そして、平成21・22年度も1両ずつ車両を導入し、そのあかつきには恐らくデハ1000すら通常の営業運転から退くことになりそうです……。
 そうなりますと、果たして代替車両は一体何になるのか??ということが当面の焦点になりそうですが、銚子電鉄の既存の車両は最も長いデハ800で16.2m、最も重いデハ1000で30トンですので、おおよそこのサイズでおさまる車両を全国私鉄の現存する車両から探し出そうとなりますと、まさに至難の業……。犬吠駅前で放置、もとい週末営業の喫茶店として用いられている相鉄2000系の車体も、もとはと言えば主力として導入するつもりで購入したものの、40トンと重すぎるために就役を断念した経緯があると言われていますし……。
 そこで辛うじてパッと思いつくのは、岐阜600V車両の導入以来遊休気味といわれる福井鉄道モハ600でして、冷房搭載で16m・30トンとまさに最適ですが、果たしてどうなりますやら。他にも、彦根と高宮で放置されている近江の500形を両運化すれば丁度良さそうですが、37トンと重く、そのうえ両運・冷房化も必要ですからやはり難しそう……(いま近江が220形を手放すとも思えませんし ^^;)。冬場の霜取り程度しか出番がない叡電デオ600も、台車交換や冷房化が必要でしょうし……。いかん、何やら非常に怪しい妄想じみてきましたので止めにしましょう (^^;)。とにかくこればかりは、フタを開けてみないと分かりません。
 ともあれ、デハ801の大活躍にも残念ながら先が見えてしまいましたが、今後も走り続ける限り、如何にも私鉄半鋼製電車らしいその姿を楽しみ、記録してゆきたいと思っています……。
 (※君ヶ浜付近で撮影した2枚目の画像は、車体やバックの家屋にかかるケーブル・ワイヤー類をレタッチで消去しております)