地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

雨の近江訪問記 (3) 命脈尽きた500形

2007-12-19 11:49:20 | 保存・園内・特殊車両


 砂利&セメント産業路線、そして西武つながりということで、しばらくぶりに (^^;) 近江鉄道ミュージアム訪問記の続きと参りましょう。
 11月25日まで開催されていた近江鉄道ミュージアムでは、超貴重な古典電機の数々はもとより、近江鉄道オリジナルの電車・500系も入口付近に鎮座していました。500系は複雑な車歴を持つ旧型車に、さすが近江らしく自社工場製の車体を組み合わせたもので、台車も一応新しいものに交換されているなど、非冷房車ながらもそこそこ洗練された (?) 雰囲気の車両だなぁ……と昔は思っておりました。特に、現存する501Fと506F (506Fのみ車籍あり?) については、ドアがステンレス製のものに交換されており、やけに小洒落た (??) 佇まいを醸し出しています。しかしこういったことが、逆に半鋼製車に狂っていた10代の頃の私にとっては「面白くない電車だなぁ」という印象にもつながっており (湘南顔の小型車・1系も同様)、結局釣掛車全盛時代の近江を目的地として撮りに行くことはありませんでした (汗)。彦根駅のホームから、貨物現役時代のED14をちょこっと眺めたのみ……(^^;



 しかし、約10年のブランクを経て撮り鉄に復活し、どんな車両だろうが出来るだけ多くのローカル私鉄を訪ね歩こうという方針のもと、数年前に初めて近江を訪問しまして……そんな10代の自分が如何に浅薄だったかを思い切り思い知らされたのでした。何故なら……500系は見かけによらず最高にワイルドな釣掛音をかき鳴らし、車体を激しく揺らしながら湖国を駆けめぐっていたからです! そのド迫力たるや……大してスピードも出さない八日市線で、このデンジャラスな走りは80km/hくらい出ているのか??と錯覚するほどでしたので……(*^^*)。
 ただ、そんな500系とのひとときも一度きりで、やがて西武401系改め800系の増備のため引退してしまったのは何とも寂しい限り。ああ……なくなる間際にもっと通っておけば!と激しく後悔したのでした。それでも、501Fはこうして現役時代の雰囲気を保ったまま保存され、506Fも取りあえずは彦根で現状を維持しているという点で、この電車はまだラッキーな方なのかも知れません。うーん、こんな立派なミュージアムが出来るのであれば、湘南顔の1系も何故保存せずに解体されてしまったのだろうか……と思います (何を今さら……ですが ^^;;;)。